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the FACE of aispo! 表紙の顔#6 ラグビー 日本代表 姫野和樹

新スター誕生を予感させる大器

 日本ラグビーのスター選手といえば、前回のワールドカップで日本列島にブームを巻き起こした五郎丸歩選手をはじめ、テストマッチのトライ数世界記録を持つ大畑大介氏、古くは名司令塔と呼ばれた松尾雄治氏や平尾誠二氏など、バックスの花形選手が主流だった。だが、今年日本で開催されるワールドカップでは、フォワードからスターが誕生しそうだ。
 姫野和樹、25歳。ポジションはロック、フランカー、ナンバーエイト。つまり、スクラムでいえばフォワードの第2列、第3列ならどこでもお任せということだ。背番号が何番だろうが気にしない。どのポジションで出ようがやることは変わらない。つまり、ボールを持ったらひたすら前へ出るだけだ。
 日本代表デビューは、トヨタ自動車ヴェルブリッツに加入して1年目の秋、2017年11月に横浜・日産スタジアムで行われたオーストラリア戦だった。初めてインターナショナルの舞台に立った姫野は、世界最強国の一角・オーストラリア選手のタックルをもろに食らってもびくともせず、逆に吹っ飛ばして前進。試合終盤には代表初のトライを決めた。以来、選出された日本代表の国際試合には12試合連続出場を続けている(2019年8月10日アメリカ戦終了時点)。

大舞台で魅せるか、「姫野スペシャル」

 観衆を沸かせるのは、強引に突き進むパワーだけではない。相手のタックルで倒された時こそ見所だ。普通の選手は、後方からサポートに来る選手が確保しやすいように身体を捻ってボールを見せるのだが、姫野は倒れながらでも前に出て、いったんボールを地面に置くと、再び拾って立ち上がり、走り出す。自身が「ダブルアクション」と呼ぶこの得意技は、ファンの間ではもはや、「姫野スペシャル」として定着しているのだ。
 魅力は豪快なプレーだけにとどまらない。甘いマスクと屈託ない笑顔は、「母性本能をくすぐる」と女性ファンの絶大な支持を集める。ミスをしてもめげずに何度でもチャレンジするポジティブな姿勢と、無尽蔵なスタミナは子供達にも格好の手本だ。自国開催のワールドカップで、若くて強く、前向きなヒーローが世界に飛び出す。


PROFILE
1994年生まれ。愛知県名古屋市出身。名古屋市立御田中学校時代にラグビーを始める。中部大春日丘高等学校卒業後、2013年に帝京大学に入学。入学後はU20日本代表の主将も務め、4年時に大学選手権V8を達成。2017年にトヨタ自動車ヴェルブリッツへ加入。トップリーグ新人賞とベストフィフティーンに輝く。チーム加入1年目からキャプテンとしてチームを牽引。


写真・文=大友信彦
1962年、宮城県気仙沼市生まれ。スポーツライターとして『Number』『ラグビーマガジン』などに執筆。『東京中日スポーツ』のラグビー担当記者として、1991年からラグビーワールドカップを7大会連続フル取材。著書に『釜石の夢 被災地でワールドカップを』『オールブラックスが強い理由』(講談社文庫)、『読むラグビー』(実業之日本社)など。
Twitter @otomorug

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2019 / AUTUMN vol.22

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