あいスポ|スポーツ体験ブログ

  • 【フットサルの楽しみ方】 第3回

  • 2015/12/08
  • 愛知県に在住のフットサルファン、そしてフットサルに興味を持った方は幸運である。名古屋にはフットサル日本最強チームが本拠を置いているからだ。
    その名は名古屋オーシャンズ。日本最高峰のフットサルリーグ「Fリーグ」において、リーグ創設の2007年から8連覇中という文字通りの絶対王者だ。

    彼らがなぜ強いか。その理由の第一に挙げられるのは、国内唯一の“プロ”フットサルクラブということである。
    実はFリーグは日本のトップリーグではあるものの、参加クラブの形態としてはアマチュアクラブがほとんど。外国籍選手を含め、クラブとプロ契約を結んでいる選手はいるが、メンバー全員をプロとして抱えているクラブはオーシャンズ以外にはない。

    この違いが生むのはフィジカル面を中心とした選手の質の差だ。
    オーシャンズ以外のクラブはそれぞれの選手が普段はフットサル以外の仕事を持つ場合が多く、体力強化も含めて十分なトレーニングを毎日積めるとは限らない。
    一方でスタッフを含めて全員がフットサル専任のプロクラブは、午前にフィジカルトレーニング、午後は戦術練習など体力面と技術・戦術面の両方を効率よくこなすことができる。
    最近では各クラブの努力によりそういった差はかなり詰められてきたが、それでもフィジカルコンタクトの強さ、スピード、技術の高さ、そしてそれらを前後半40分の間、質を落とさず発揮するスタミナにおいて、オーシャンズを超えるチームはない。

    現に今シーズンの成績を見てみても、その差は圧倒的だ。12月8日時点でリーグ首位を独走し、2位と勝ち点差にして14ポイント、得点は3桁を超える135得点をマーク。それでいて失点の少なさもリーグ2位の68と攻守に隙がない。
    森岡薫をはじめ、オーシャンズには獲得点率の高い選手が多く、誰が出てきても、どこからでも得点ができる。しかも守備は堅い。
    「名古屋との試合は100%以上の力を発揮してやっていました」とは、名古屋に移籍してきた選手たちがみな証言することだ。
    少し言葉は古いが日本フットサル界の“銀河系軍団”、それが名古屋をホームタウンとするフットサルクラブなのである。

    これだけのチームなのだから、当然のごとくタレントも多い。
    例えば外国籍選手を見ても、ブラジル代表で背番号10を背負うドリブラー、セルジーニョにポルトガル代表の闘将ペドロ・コスタ、さらに世界最高峰のスペインリーグでも得点を量産してきた点取り屋・シンビーニャといずれ劣らぬ実力者ばかり。
    さらには前述の森岡や、“日系ブラジル人で最もブラジル代表に近づいた男”こと酒井ラファエル良男など帰化選手の大物に加え、現役日本代表の中村友亮など日本人選手も国内トップクラスが揃う。
    まったくの素人が観戦しても、「フットサルって面白い!」と思えるプレー、戦術、試合展開を見せてくれることは間違いない。

    最初に愛知県在住の方が幸運だ、と書いたのは、日本最強、アジアでもトップクラスのチームの試合が身近に観戦できるからである。
    論より証拠、百聞は一見にしかず、いやむしろ見ないと損をするレベル。
    フットサルの魅力を体感したいならば、今すぐ試合日程を確認し、あおなみ線に乗って「金城ふ頭」で下車すべし。目の前に広がるアジア唯一のフットサル専用アリーナ「テバオーシャンアリーナ」で、彼らは力強く戦っている。

    (スポーツジャーナリスト 今井雄一朗)
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