あいスポ|スポーツ体験ブログ

  • 【フットサルの楽しみ方】 第4回

  • 2016/02/09
  • スポーツの魅力を最も簡単に、そして熱狂的に感じたければ、そのジャンルの日本代表の試合を観るのが最も適していると言えるだろう。何しろ国内最高峰の実力をもった選手たちが集まって、世界を相手に戦う術を練っているのである。
    国内リーグ戦などとは違う緊張感や真剣度の違いもまた観戦には絶好のスパイスであり、その競技の奥深さを確かめるツールとして、初心者でも見やすいことは間違いない。

    中でもフットサル日本代表は、今が“見どき”だ。サッカー日本代表と同様に、世界の列強に一蹴されていたのも過去のこと。ワールドカップには2004年チャイニーズ・タイペイ大会で初出場を果たしたが、2008年のブラジル大会では世界最強国のひとつブラジルに1-12の歴史的大敗を喫するなど世界の壁の高さを感じさせられるも、そこからの4年間で急成長を遂げる。
    ブラジルと並ぶフットサル大国スペインからミゲル・ロドリゴ監督を招聘し、最先端のフットサルを日本風にアレンジし、2012年のタイ大会ではベスト16に進出するまでに力を伸ばしてきている。

    フットサル日本代表の強さは“日本人らしさ”にある。狭いコートでゴールとボールを奪い合うフットサルでは、選手のクイックネスと戦術理解度、スタミナが勝敗を分ける大きな要因となる。
    これらはみな日本人が得意とする分野であり、特に勤勉に戦術を遂行する能力にかけてはミゲル監督も手放しで褒めたたえる要素。以前、前回もブログで紹介したが、元フットサル日本代表にして名古屋オーシャンズの中心選手だった北原亘が言っていたことには、「チームで50パターンくらい、代表で50パターンくらいのセットプレーがある」とのこと。合わせて100通りものセットプレーをその場で使い分ける器用さと頭の回転の良さは、ことフットサルという競技においては世界でも大きな武器となっているのだ。
    2012年タイ大会の予選グループリーグ、世界でも十指に入る強豪国であるポルトガルに対し、2-5で折り返した後半、秘策として温めていたパワープレーを使って5-5に追いついた試合は今なお語り草。日本人の戦術遂行能力とスタミナが、列強にも通用することが証明された一戦だった。

    折しもフットサル日本代表は2月11日より、2016年のワールドカップコロンビア大会へ向けたアジア予選を兼ねた、ウズベキスタンでのAFCフットサル選手権に挑む。ここ2大会ではアジア最大のライバル・イランとのデッドヒートも制し大会を連覇中。
    アジア3連覇とワールドカップ出場権獲得を賭けた戦いは、注目しておいて損はないだろう。
    また4月22日~24日にはウイングアリーナ刈谷で国際親善試合も予定されている。
    ぜひとも生で観戦してフットサルの日本最高峰をその目に焼き付けるチャンスを見逃さないでほしい。

    そして、言うまでもなくフットサルの最高の魅力を味わえる場所は、ワールドカップである。ご存知の通り、愛知県は現在、2020年のフットサルワールドカップの招致に向け、日本サッカー協会と一体となって日々活動を続けている。自分でプレーし、国内最高峰のFリーグを観戦し、そして日本代表をチェックした次は、世界最高峰の舞台をここ愛知県で味わえるかもしれないのだ。愛知県民だけでなく、日本中のフットサルファンが期待する一大プロジェクトの成功を、心から祈っている。ワールドカップの熱狂は、何にも変えられない極上の体験なのである。

    (スポーツジャーナリスト 今井雄一朗)
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