あいスポ|スポーツ体験ブログ

  • 【知られざる世界のラグビー】第2回

  • 2015/09/15
  • JAPAN WAY。
    日本代表を率いるエディー・ジョーンズが2012年のヘッドコーチ(HC)就任にあたり、掲げたスローガンだ。

     エディーは母が日系アメリカ人で、祖父母が移民1世。
    父はウェールズからの移民2世で、タスマニア島で生まれ、シドニーで育った。
    妻も日本人で、1995年にプロのラグビーコーチのキャリアをスタートさせたのは日本の東海大の指導で、1996年には日本代表のアシスタントコーチを務め、1997年からはサントリーのアドバイザーとなり、オーストラリア代表や南アフリカ代表を指導した時代も含め、日本ラグビーをつぶさに見詰めてきた。

     ラグビーの強豪国は、体の大きな選手が多い。
    ラグビーは身体接触を伴う格闘技であり、空中でボールを奪い合うラインアウトなどのプレーもあるから、体が大きい方が有利だ。
    遺伝的に体格の小さい日本は不利になる。

     そんなチームが勝つには、なるべく身体接触を避け、キックで陣地を稼いで、キックで効率的に点を取ろう――以前はそんな機運が強かった。

     だがエディーの求めるJAPAN WAYは違った。
    テーマは「ボールを保持して攻める」だ。

     キックで稼ぐとは、相手にボールを渡すことである。
    そこからディフェンスで試合の主導権を握るのは、南アフリカのような体格・体力に恵まれたチームだけだ、という認識が出発点だ。
    日本は体格に恵まれないからこそ、ボールを保持してアタックしなければならない。

     長年日本のラグビーを見詰めてきたエディーは、日本人の特性は従順なことだと見ている。
    裏返すと、自ら判断、決断するのは苦手だ。
    これは、80分にわたって状況判断を続けなければならないラグビーにおいてはマイナス材料だが、嘆いていても仕方ない。
    エディーは、日本人の従順さを逆手にとり、「世界中のどこもやっていない」ほどのハードトレーニングをチームに科した。合宿は常に、毎朝5時半からの早朝トレーニングで始まり、1日3度から4度のトレーニングセッションを重ねた。
    「科されたメニューにこれだけ真剣に取り組むチームは世界中探してもないよ」とエディーは言う。
    そのトレーニングを重ねた結果、チーム最年長37歳のFW大野均さえ毎年筋力の数値を伸ばし続けている。
    チームのベースは「勤勉」。そして、そこにエッセンスを加えるのが、チームのもうひとつの柱となる外国出身選手たちだ。

     日本代表に選ばれている外国出身選手は今回のワールドカップ代表に10人、うち5人は日本国籍取得済みだが、そもそもラグビーでは国籍にとらわれず、本人や両親、祖父母の出生国、あるいは居住3年で、その国の代表資格を得られる。
    実は、ラグビーでは世界の多くの国が、他国の出身者や移住者を代表チームに加えている。
    実はこれは、ラグビーという競技の伝統なのだ……(続く)

    (ラグビージャーナリスト 大友信彦)
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