満員の観客が氷上の格闘技に大興奮
アイスホッケーIJリーグのイノーギュラルシーズンが名古屋で開幕

大都市圏のチームによるサマーリーグ
「IJリーグ」は2025年5月に開幕を控えたアイスホッケーの国内新リーグ。今年はアイスホッケーの魅力を多くの人に知ってもらうため「イノーギュラルシーズン2024」と銘打ち全国6都市で約24試合が開催される。その開幕戦となる名古屋オルクス対東京ワイルズの試合が6月15日に名古屋市港区の邦和みなとスケートリンクで行われた。会場は立ち見客も出る盛況ぶり。迫力あるプレーの応酬に大いに沸いた。


「IJリーグ」は一般社団法人日本プロアイスホッケー機構が運営するリーグ。日本のアイスホッケーの競技水準向上や認知度アップを目的に発足した。
リーグの大きな特徴は①東京・大阪・名古屋など人口の多い大都市圏にチームを配置する②夏の暑い時期にリーグ戦を実施する③徹底したエンターテインメント戦略を実施する—など。リーグが主体となってメディア戦略を展開して新たなファンを取り込み、新たなアイスホッケーマーケットの開発を目指している。

リーグ戦の開幕は2025年5月。現在、名古屋オルクス、東京ワイルズ、北京ライオンズの3チームがリーグ戦への参加を表明している。所属する全選手が地域のスポンサー企業で働きながら競技を続ける「デュアルキャリア」を採用することで、持続可能なチーム運営体制の確立を目指す。

一進一退の好勝負は東京ワイルズに軍配
IJリーグの記念すべき初戦となった名古屋オルクス対東京ワイルズの試合は、IJリーグの山田謙治チェアマンのフェイスオフでスタート。第1ピリオドの20分は東京ワイルズが押し気味に試合を進めたが、オルクスのゴールテンダー(ゴールキーパー)で背番号32のニキータ選手が好セーブを連発しワイルズに得点を許さず。スコアレスな立ち上がりとなった。

試合が動き出したのは第2ピリオドに入ってから。6分にワイルズのフォワード、背番号22の上野鉄平選手が先制点をマークした。オルクスの待望の得点が生まれたのはその3分後。背番号87の山本健太郎選手がゴールを決め、会場は歓喜の渦に包まれた。同点になったことで試合はさらにヒートアップ。選手同士の肉弾戦は激しさを増し、エキサイトした選手同士がつかみ合う場面も。お互いに攻め合う時間が続く中、勝ち越し点を挙げたのはワイルズだった。15分に背番号18の青山晃大選手がゴールをゲット。ワイルズの1点リードで最終第3ピリオドへ突入した。


この試合で会場のボルテージが最も上がったのは6分の場面。ゴール前の混戦からオルクスの山本選手が押し込み同点に追い付いた。スタンディングオベーションをする人、観客に配布された紙メガホンを打ち鳴らす人、オルクスのタオルを振り回す人…。思い思いに喜びを表現した。


試合最終盤は互いが勝ち越しゴールを狙って相手ゴール前に迫るスリリングな展開に。残り5分でワイルズの背番号92の池田一騎選手がスラップショットを決めて熱戦に終止符を打った。
試合のMVPには、敗れたもののシュートを何本も防いだオルクスのニキータ選手が選ばれている。選手を代表してあいさつを行ったオルクスのキャプテンで背番号15の佐藤育也選手は「リーグはまだスタートを切ったばかり。僕たち選手は精一杯頑張るので、観客の皆さんも僕たちと一緒になって応援を頑張ってほしい」と感極まった様子で、涙ながらに集まった観客へ呼びかけた。


エンタメ要素満載で観客も楽しめる
試合中はアリーナDJが様々なコールで観客をリードしたほか、リーグ公認チアリーダーのIJ ICE CREWが観客の間近でダンスやパフォーマンスを披露し、華やかな雰囲気を演出した。ピリオド間のインターバルには、チームのグッズがもらえるプレゼント企画を実施するなど、試合以外にも楽しめる企画が盛りだくさんで、観客も大いに楽しんでいる様子だった。
両チームのタオルを持って声援を送った20代の男性は「アイスホッケーの新しい歴史に立ち会いたくて東京からやって来た。とてもワクワクする試合で楽しかった」と満足げな様子で振り返った。
観戦に訪れていたBリーグ「名古屋ダイヤモンドドルフィンズ」の梶山信吾GMは「アイスホッケーの試合を観戦するのは初めてだが、スピード感と迫力があって面白かった。ともに名古屋の街を盛り上げる存在になれれば」とコメントしている。山田チェアマンは「選手たちのプレーにお客様が盛り上がっている姿を見て感動した。暑い時期に涼しい場所でアイスホッケーを楽しんでもらうのがIJリーグのコンセプト。選手たちは熱い戦いを見せてくれるので、ぜひ一度会場へ足を運んでほしい」と呼びかけた。
次回以降の愛知県で開催される日程は以下の通り。アイスホッケーの迫力を会場で体感してみてはいかがだろうか。
・6月30日(日)19:00
名古屋オルクス×東京ワイルズ 邦和みなとスポーツ&カルチャー
・7月7日(月)17:05
名古屋オルクス×北京ライオンズ 邦和みなとスポーツ&カルチャー
・7月15日(月)19:00
名古屋オルクス×北京ライオンズ 邦和みなとスポーツ&カルチャー
・8月24日(土)19:00
名古屋オルクス×北京ライオンズ 邦和みなとスポーツ&カルチャー

aispo!マガジン最新号

PickUp記事
-
アジアパラ競技大会500日前イベントを開催!金メダリストの川本翔大選手がパラスポーツの魅力を発信
-
横井ゆは菜のIGアリーナ開業式典レポート!フィギュアスケータープレミアムトークショー&IGアリーナの楽しみ方
-
2025年7月グランドオープン 徹底紹介!これがIGアリーナだ!
-
旅するあいスポくん IGアリーナ×周辺の商店街 編
-
起業家 現役アスリート・馬瓜エブリン 愛知から仕掛けるバスケ革命
-
元Jリーガーから歌手へと華麗なる転身を遂げた・青山隼が語る「サッカーが教えてくれたこと」
-
竜の主砲 その魅力とポテンシャル 細川成也
-
バドミントン日本代表 西本拳太選手の素顔に迫る!あいスポくんインタビューで見えた“お師匠はん”の影響
-
「山を走ってるときが一番楽しい!」──スカイランニング最強姉妹、大掛柚奈選手&莉奈選手が語る“山愛”と挑戦
-
試合の裏で芝を守る男 ――豊田スタジアム グラウンドキーパー・川角剛史さんにあいスポくんが直撃!
-
横井ゆは菜のIGアリーナ開業式典リポート&豪華スケーターへドキドキのインタビュー!
-
「パパ、週末どこ行く?」って聞かれたら―― FCマルヤス岡崎の試合観戦に連れてってあげて!
-
今年のフィギュアは”ここ”がアツい!横井ゆは菜的ココ見て選手権
-
第20回アジア競技大会500日前イベントを名古屋·栄で開催 名古屋グランパス・楢﨑正剛氏が登壇しPR
-
バスケの本場・アメリカで挑戦を続けるバスケの富永啓生選手が知事を表敬訪問!
-
あいスポくんのスポーツ なぜ?なに?調査隊 豊田合成ブルーファルコン名古屋 ハンドボールコートのヒミツ編
-
女子ソフトボールってこんなにアツイ!はじめてのJDリーグ入門
-
私の推しスポーツプレゼン特別編 相川暖花の名古屋グランパス試合観戦レポート
-
私の推しスポーツプレゼン特別編 安藤渚七の中日ドラゴンズ試合観戦レポート
-
シーホース三河のタツヲさんが語る!ウチのチーム紹介させてください!
-
名城大学女子駅伝部密着レポートvol.4 王座奪還へ――選手たちが語る「もう一度強くなる決意」
-
名城大学女子駅伝部密着レポートvol.3 絶対王者から挑戦者へ――米田勝朗監督が進む「日本一奪還への新たな道のり」
-
背番号1の系譜を受け継ぐグランパスの新守護神 シュミット ダニエル
-
人気アスリートにあいスポくんが突撃取材!アーチェリー 武藤弘樹選手
-
人気アスリートにあいスポくんが突撃取材!陸上競技 山本有真選手