世界を目指す、最強スケボー中学生・志治群青選手!13歳で日本一に輝いた若きスケーター

倉庫を改装した“秘密基地” 志治群青の練習場
のどかな田園風景の広がる愛知県海部郡蟹江町の一画に、大きな倉庫を改装したスケートボードの練習場がある。今年4月の日本オープンで見事に日本一に輝いた中学2年生・志治群青選手の両親が世界を目指す息子のためにと用意したスケートボードパークだ。中には実際の試合で使用するものと同じサイズのハーフパイプがある。平日、学校が終わると志治選手はここにやって来て、練習に励んでいるという。
「長い時は5〜6時間やっている時もありますよ。気がついたら夜の10時を過ぎていたなんてことは、よくある話です」志治選手はそう言って笑顔を見せた。

専属コーチなし、自ら磨いたエア・トリック
4歳でスケボーを始め、メキメキと頭角を現してきた志治選手だが、現在、専属のコーチはいない。11歳の時から独学で、納得のいくまで繰り返し練習を続け、さまざまなエア・トリック(空中技)を自分のものにしてきたのだ。コーチの指導なしで日本オープンを制したというのは驚きの事実だ。「体得」という言葉が、これほどピッタリと当てはまるアスリートもそうはいないだろう。
「名古屋にはスケボーパークの数が少ない」からと、試合のない土日は関東へ遠征し、現地のスケートボードパークで1日中滑っているという志治選手。「練習はあまり好きではないけど、でもスケボーにはずっと乗っていたい」と話す根っからのスケボー好きは、まさに「スケボー漬け」の毎日を過ごしている。

世界のトップボーダーに追いつき、追い越すために
小学6年生で初めて海外の大会に出場するなど、国際経験も豊富。ナショナルチームのメンバーとして遠征が続き、学校へ行きたくても行けない日があることが、悩みの種の一つだ。先生や友人ら周囲にも恵まれ、「学校は好き」だと話すが、勉強についていくのはなかなか大変なようだ。
「正直に言うと勉強はあまり好きではありません。体育など体を動かすことが得意です」と話す姿は、どこにでもいる男子中学生と何ら変わりはない。それでも、次回のロサンゼルスオリンピックでのメダルも狙える位置にいるだけに、やはり英語の重要性は理解しているという。
「パークの選手たちは得点を競うライバルですが、順番を待つ間などはいろいろと話をすることも多いので、英語が話せるといいなと思いますね。スクーリングとか受けたいなと思っています」と志治選手。
憧れているのは東京2020オリンピックの銀メダリストのペドロ・バロス選手(ブラジル)や、わずか16歳で世界選手権チャンピオンになったギャビン・ボッガー選手(アメリカ)ら、世界に名だたるトップスケートボーダーたち。彼らに追いつき、追い越すため、競技力とともに語学力も磨いていくつもりだ。

自己節制に努めるなどストイックな一面も
どこにでもいる男子中学生——志治選手について先ほどそう表現したが、それはあくまで中身の話。ウェーブのかかったおしゃれな髪型に、ストリートファッションブランド「WACKO MARIA(ワコマリア)」のセットアップを颯爽と着こなして、スケボーに乗っている姿は、とても中学生とは思えない。単にトリックを決めるだけではなく、ファッションも含めていかにカッコいい姿を見せるのかが大きなポイントとなるし、それが「観るスポーツ」としてのスケートボードの人気につながっているのだろう。

そうした見た目の煌びやかさにスポットライトがあたりがちだが、本人はストイックに競技と向き合っている。たとえば、ジュースやスナック菓子などのいわゆるジャンクフードを口にすることはほとんどないそうだ。誰かに強制されたわけではなく、自ら考え、実行しているという。理由はもちろん、競技力を高めるため。
中学生でありながら、意識レベルはまさにプロ。自己節制ができる選手だからこそ、並いる強敵を押しのけて日本一になることができたのだろう。
今はまだあどけなさも残るこの少年が、将来どんな選手になっていくのか。その活躍ぶりにこれからも注目していきたい。
PRPFILE
志治群青
しじ ぐんじょう。2011年8月生まれ(中学2年生)。愛知県海部郡蟹江町出身。2021年にわずか10歳で日本選手権4位に入り注目を集める。2025年、マイナビ日本オープン男子パークで初優勝。2026年のアジア競技大会や2028年のロサンゼルスオリンピックでの活躍に期待がかかる。
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