若い力が躍動した朝日インテック・ラブリッジ名古屋
なでしこリーグ1部で悲願の初優勝!!

ボールを丁寧に繋ぐサッカーを
ぶれずに続け、優勝を掴み取る
女子サッカー「プレナスなでしこリーグ」1部に所属する朝日インテック・ラブリッジ名古屋は9月27日、リーグ戦初優勝を決めた。クラブ発足から30年目、なでしこリーグ1部に昇格して5年目という節目のシーズンでの悲願を達成した。

朝日インテック・ラブリッジ名古屋は1995年、名古屋グランパスジュニアレディースとして発足。愛知県女子サッカーリーグへの参画を皮切りに、東海女子サッカーリーグ、チャレンジリーグ(なでしこリーグ3部に相当)を経て、2021年になでしこリーグ1部へ昇格。
現在は国内トッププロであるWEリーグに次ぐリーグに所属し、愛知県内唯一のなでしこリーグ所属クラブとして、県内女子サッカー界をリードしている。
なでしこリーグ1部昇格後の2021年は8位、2022年は6位、2023年には元名古屋グランパスの選手で日本代表としても活躍した森山泰行氏を監督に迎えて2位、2024年は3位とチームの強化が進む中、今シーズンから指揮を執ることになったのが磯村健監督だ。
2020年から3年間監督を務め、一昨年、昨年と森山監督時代は総監督として森山監督をサポート。クラブ在籍年数が長く、ボールを保持しながらゴールを目指すポゼッションサッカーの礎を築いてきた名将の手腕に「今年こそ優勝を」との期待が寄せられた。

相次いだ主力選手の退団。若い力と団結力で乗り越える
優勝候補の一角に挙げられていた朝日インテック・ラブリッジ名古屋だが、2025年のシーズンインについて不安要素がまったくなかったわけではない。
一番不安視されたのが経験のなさ。昨年主力として活躍した三浦桃選手や長谷川朋佳選手の引退をはじめ、ベテラン選手が多数退団し、経験の少ない若手選手の出来がチーム浮沈の鍵を握ることになったためだ。
しかしリーグ戦が始まると、そんな不安はすぐに解消される。13節の愛媛FCレディース戦で初黒星を喫するまでの12戦で9勝3引分のロケットスタートを決め、優位にリーグ戦を進めることに成功した。

特に光ったのが守備。12試合でわずか4失点の堅守を見せるなど、相手に付け入る隙を与えなかった。一方、攻撃で目立ったのが勝負強さ。爆発力こそなかったものの、低い位置からでもボールを丁寧に繋いでいき、チャンスを確実にものにするなどのしぶとさを見せた。9勝のうち1点差での勝利が7つあったことが、その表れだろう。
順調に勝ち点を積み上げていた朝日インテック・ラブリッジ名古屋だが、シーズン途中の6月に大きなピンチに見舞われている。キャプテンとしてチームをまとめていたGKの垣内愛菜選手と、エースストライカーとしてチーム一の得点をマークしていた江﨑杏那選手が、それぞれWEリーグのクラブへ移籍することが決まったためだ。
攻守の要となる2選手がいなくなることで、戦力の低下が心配されたが、後任のキャプテンとしてベテランの橘麗衣選手がうまくチームをまとめ、それに呼応するように才能のある20代前半の若手選手たちが躍動。


試合を重ねるごとに逞しさを増していき、14節以降も5勝1敗の快進撃を見せた。後半戦は特に攻撃陣が奮起。17節のニッパツ横浜FCシーガルズ戦から19節のASハリマアルビオン戦にかけて3戦連続で3点以上を奪う圧倒的な攻撃力を見せて首位を堅持した。
そして迎えた9月27日。岡山湯郷ベルとの試合は1対2で敗れたものの、優勝を争う伊賀FCくノ一三重が引き分けたことで、2試合を残しての初優勝となった。磯村監督は「GKからしっかりボールを繋いで点を取りに行くサッカーをぶれずに続けてきた。やってきたことが結果に結びついて本当に嬉しい」と喜びを語っている。

リーグ戦初優勝に貢献
ヤング・ラブリッジ6人衆
最後に朝日インテック・ラブリッジ名古屋のなでしこリーグ初優勝に貢献した6人のヤング・ラブリッジを紹介する。いずれも20代前半の選手たちで、さらなる伸び代が期待できる選手ばかりだ。今後の活躍に期待したい。
背番号2 夏目歩実 DF 2002年2月生まれ 三重県出身
粘り強い守備とスピードに乗った攻撃参加を得意とする左サイドバック。常に周囲に気を配り、的確な声でチームを鼓舞し続けるなど、キャプテンシーも持ち合わせている。

背番号3 平尾愛穂 DF 2003年1月生まれ 東京都出身
攻撃参加と空中戦の強さが持ち味の右サイドバック。高いポジションを取り、どんどん攻撃に絡んでいくプレーは見ている者をワクワクさせる。

背番号8 渕上野乃佳 MF 2003年1月生まれ 千葉県出身
圧倒的なスピードとテクニックで、チームの生命線とも言えるサイドからの攻撃を活性化させるアタッカー。チャンスと見るとゴール前へ進入し、得点を奪う決定力の高さも併せ持っている。

背番号13 仁木愛実 FW 2002年1月生まれ 大阪府出身
ポストプレーを得意とする前線のターゲットウーマン。攻撃の起点としてチームに欠かせない存在に成長した。エースストライカーだった江﨑杏那選手移籍後の奮闘は見事。

背番号17 堀内意 DF 2003年12月生まれ 東京都出身
足元の技術があり、最終ラインから高い精度のパスを供給することのできるセンターバック。橘麗衣選手との強固なコンビでゴール前に鍵をかけ、守備の安定をもたらした。

背番号20 上田真子 MF 2001年7月生まれ 愛知県出身
下部組織(ラブリッジ名古屋アカデミー)出身の地元期待の星。主に右サイドを主戦場とし、鋭いドリブル突破と意表をついたパスで攻撃のアクセントとなった。第8節で記念すべきリーグ戦初ゴールを挙げている。

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