SPORTS JOURNALIST’S COLUMN
愛知県のチームや選手を追いかけている 各スポーツのスペシャリストが、 独自の視点でその近況を語る
BASKETBALL 安藤周人
©NAGOYA D
新時代の到来を予感させる 令和のスターが台頭
3年目のBリーグは、アルバルク東京が2連覇を達成、“令和初”の年間王者に輝いた。
愛知を拠点とするB1の3チームは、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(以下名古屋D)が西地区2位でチャンピオンシップ(CS)の出場権を勝ち取るも、昨季と同じく準々決勝で琉球ゴールデンキングスに惜敗。また、昨季最多勝率を誇った“常勝軍団”シーホース三河(以下三河)は中地区4位に沈んで、前身を含め13年ぶりにCS出場を逃し、三遠ネオフェニックスは同5位と振るわなかった。そんな我慢のシーズンの中、ひと際輝きを放った2人の若きスターがいた。平均年齢27.5歳の若さを活かした「Bリーグ1走るチーム」名古屋Dで、トランジション(攻守の切り替え)の先頭を走る安藤周人選手は、名実共にエースへと飛躍。武器である高確率の3ポイントシュートに加え、今季は自らドライブを仕掛ける積極性が光ったほか、チームで唯一全60試合に出場。1試合平均14.6得点と安定感のある活躍を見せた。B1リーグに所属する選手、ヘッドコーチ、メディアの投票で決まるベストファイブで、リーグを代表する5人の選手に続き6位にランクインしたことも、急成長ぶりを物語る。
もうひとり、三河の復権、そして日本バスケの未来を担うと期待されるのが岡田侑大選手だ。大学を中退してプロの世界に飛び込んだルーキーは、2018年11月の名古屋Dとの“愛知ダービー”でBリーグデビュー。2019年3月の栃木ブレックス戦では2試合で40得点を挙げるなど、類い稀なるオフェンス能力を披露した。その活躍ぶりは、日本のエース・比江島慎選手をして、「今後の代表に入る逸材」と驚嘆させるほど。シーズン終盤には、大学No.1PG・熊谷航と共に先発に定着。1試合平均10.3得点を挙げ、見事Bリーグの新人賞に輝いた。
苦難の1年を経て、新たな時代へ。新星の活躍に心躍らせながら、希望に満ちた“Bリーグロス”を楽しみたい。
PROFILE
あんどう しゅうと。
1994年生まれ、三重県出身。2017年、名古屋Dに入団。ポジションはSG(シューティングガード)。チーム加入から3年、エースとして活躍中。日本代表候補。
文=山田智子
愛知県名古屋市生まれ。(公財)日本サッカー協会に勤務し、2011 FIFA女子ワールドカップにも帯同。その後スポーツライター・カメラマンに転身し、サッカー、バスケットボール、フィギュアスケートを中心に東海地方のスポーツを幅広く追いかける。
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