世界中で人気を博す、東京2020注目の競技!
ビーチバレーの魅力に迫る!
屋内コートを備えたこだわりのビーチバレーボールコートが誕生
来たる東京2020オリンピックを前に、注目度が高まりつつあるビーチバレー。トヨタ自動車ビーチバレーボール部GM兼監督の川合俊一さんへの取材は、愛知県碧南市のトヨタ自動車衣浦工場内のビーチバレーボールコートで行われた。2018年に完成したこの屋内コートは、屋外の環境を再現するために、とにかく窓の大きさや色、採光などにこだわって造られている。オーストラリアから運んだサラリとしてやわらかい砂を取り入れており、ここで練習すれば、少し重い国内の砂でプレーした時に動きやすく感じるという。天気や季節に関係なく練習できる、選手にとって抜群の環境だ。
トヨタ自動車ビーチバレーボール部には、白鳥勝浩選手(日本ランキング男子1位)や石島雄介選手(同2位)、溝江明香選手(同女子4位)や西堀健実選手(同6位)など、トップ選手が多数在籍。東京2020にピークを合わせ、現在は5月に行われる日本代表決定戦に向けて調整している。「世界で勝つためには、世界中の選手とどんどん戦って、様々な戦い方に慣れたり、そのスピードを体感したりすることが大切ですが、まずは国内の試合できちんと勝たなければいけません。また、日本代表決定戦で勝って満足せず、オリンピックにピークを合わせられるようにモチベーションをコントロールするのが難しいですね」と、監督として気にかけていることを教えてくれた。
2人だけで攻めて守る、ビーチバレーの面白さ
「世界ではビーチバレーの人気はとても高く、俄然盛り上がっています」と話す川合さん。「2012年のロンドン大会では全競技の中で最多観客動員数を記録し、2016年のリオ大会でもサッカーに引けを取らないほどの人気でした。それほど注目度が高い種目です。まだ観戦したことがない方は、ぜひ試合を見に行ってみてください!」と力を込める。
ビーチバレーの魅力は? と尋ねると、「広いコートを2人で守り、その中で繰り広げられる駆け引きが面白い」と川合さん。「例えば、ブロッカーは、相手のスパイクに対してどのように守るのか、後ろで構えるレシーバーにサインを出す。相手はブロッカーやレシーバーの位置を見てスパイクを打つ。その時レシーバーはフェイクを入れて守り方を変える。こうしたビーチバレー特有の駆け引きは見ていて本当に面白い。特にサインやお互いのやり取りがわかるエンドライン側からの観戦がおすすめです」。
また、インドアバレーの日本代表として2度のオリンピックに出場した川合さんは自身の経験から、「ビーチバレーとインドアバレーは両方やったほうがいい」と断言する。「ビーチバレーは砂の上でプレーするので重心が傾いてバランスが崩れやすく、風の影響でボールも回転するため、必然的に丁寧なプレーをするようになりミスが少なくなります」。さらに、2人でコートを守らなければいけないところも上達するポイントだとも。「ビーチバレーは一人が担う守備範囲が広いため、インドアバレーでよく起こる“ボールのお見合い”が少なくなります」。
碧南を拠点に世界で戦える選手を!
まだまだ日本ではビーチバレーをプレーする選手は少ないが、世界で勝つためには早く始めるべきだと川合さんは話す。「世界ランキング男子1位はノルウェーの選手ですが、ノルウェーでは、ジュニアでセレクションを行い、優秀な選手をビーチバレーに転向させるなど強化を図っています。FIVB(国際バレーボール連盟)の会長が“これからはビーチバレー”と発言したことから、世界がビーチバレーにシフトしていっています。日本が勝つためには、世界の流れに乗ってこれからどんどん若い選手を育成していかなくてはいけません。スター選手が誕生すれば、日本のビーチバレーがもっと強くなり、人気が高まると思います」。
こうしたスター選手を育てるために適した拠点が碧南市だ。碧南市には「碧南緑地ビーチコート」という充実したコートがあり、2026年のアジア競技大会もこの地で開催される予定となっている。「愛知県にはビーチバレーを練習するのにとても恵まれた環境がある。まずはここからアジアチャンピオンを輩出して、世界で活躍できる選手を生み出していきたいですね」と目を輝かせる川合さん。「バレーボール未経験者はもちろん、インドアバレーをやっている人達も、ぜひビーチバレーに目を向けてチャレンジしてみてください。」。
ビーチバレーの発展に情熱を傾ける川合さんには、愛知にお気に入りのお店や気になるスポットがあるのだとか。「碧南市のふぐの店『富久庄』や、名古屋市(大須)のピザ職人世界チャンピオンの店『チェザリ』はよく行きます。私は歴史が好きなので、長久手の古戦場や岡崎城の名前を見かけるとテンションがあがりますね。ぜひ、いつか訪れてみたいです」。
PROFILE
川合俊一
1963年生まれ。新潟県出身。日本体育大学在学中に全日本代表入りし、ロサンゼルスとソウルオリンピックに出場。1990年に現役引退後は日本人初のプロビーチバレーボール選手として活躍。現在は日本ビーチバレーボール連盟会長、トヨタ自動車ビーチバレーボール部ゼネラルマネージャー兼監督を務める。
※ランキングは2月13日(木)現在。
aispo!マガジン最新号
2023 / AUTUMN vol.38PickUp記事
-
強豪・名古屋経済大学市邨高等学校女子ハンドボール部を率い新天地・筑波大学で活躍を続ける山口杜子選手にインタビュー!
-
人気アスリートにあいスポくんが突撃取材!第15回 ウルフドッグス名古屋 傳田亮太✕豊田合成ブルーファルコン 古屋悠生
-
高柳明音の推しスポーツプレゼン シーホース三河
-
人気アスリートにあいスポくんが突撃取材!第17回 川畑瞳選手
-
人気アスリートにあいスポくんが突撃取材!第16回 森下龍矢選手
-
純情のアフィリア ゆみちぃのフォーラムエイト・ラリージャパン2023が待ち遠しい!
-
旅するあいスポくん
愛知のチーム・選手のおすすめスポットへ case#6
-
デンソーアイリス 赤穂ひまわり選手 揺るぎない目標である日本一へすべてやり尽くす
-
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ 齋藤拓実選手 チーム、そして自分自身の実力を証明したい
-
4度目の世界一に挑む、強豪チーム「ジャパンドリームチーム」のプレーに注目!第5回世界身体障害者野球大会
-
教えて!Vリーガー
第6回 ウルフドッグス名古屋~プライベート編~
-
4年に1度のバスケの祭典がいよいよティップオフ!愛知県ゆかりの選手の3Pシュートに注目。
-
中京大学 豊田キャンパスでの生活に密着。スケート部の荒木菜那選手&山下真瑚選手へインタビュー
-
中京大学スケート部の荒木菜那選手&山下真瑚選手へ直撃。
トレーニング方法や今シーズンへの意気込み。
-
立浪竜の“ヌートバー”になれ!卓越したセンスと熱き闘志
-
旅するあいスポくん
愛知のチーム・選手のおすすめスポットへ case#5
-
教えて!Vリーガー
第5回 ウルフドッグス名古屋~バレーボール編~
-
May’nのNO DRAGONS NO LIFE
-
人気アスリートにあいスポくんが突撃取材!第12回 三浦璃来選手・木原龍一選手
-
人気アスリートにあいスポくんが突撃取材!第14回 茂庭照幸選手
-
人気アスリートにあいスポくんが突撃取材!第13回 トップおとめピンポンズ名古屋 安藤みなみ選手&トヨタ車体クインシーズ 周田夏紀選手
-
全日本大学女子駅伝7連覇を目指す強豪・名城大学女子駅伝部 連覇のカギを握る増渕祐香主将と米澤奈々香選手にインタビュー!
-
星島沙也加の推しスポーツプレゼン
-
勝利に向け、日々邁進中!愛知のチームの練習風景を徹底レポート!第7回 FC刈谷〔サッカー〕
-
世界の鉄人たちが集結!
アイアンマン70.3 東三河ジャパン in 渥美半島
-
活躍する選手が多数出場!
BMXフリースタイル「マイナビJapan Cup名古屋大会」開催!
-
ファイナル進出を目指して、白熱の試合を展開!試合の結果はいかに?!ウルフドッグス名古屋vsパナソニックパンサーズのファイナル4最終戦をレポート!