悲願のなでしこリーグ1部昇格を達成!
NGUラブリッジ名古屋の新しい挑戦が今、始まる
アマチュア最高峰の舞台で
12番目からの飛躍を誓う
女子サッカーにとって変革の年となる今シーズン。今秋に誕生する日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」に先駆け、3月27日にアマチュアの最高峰リーグ「なでしこリーグ」が開幕する。名古屋を拠点に活動するNGUラブリッジ名古屋は、チャレンジリーグ(なでしこリーグ3部相当)から昇格を果たし、今シーズンよりなでしこリーグ1部へ戦いの場を移す。
今シーズンの1部リーグは、伊賀FCくノ一三重ら昨シーズンリーグ1部の3チーム、スフィーダ世田谷FCら昨シーズンリーグ2部に所属した6チーム、チャレンジリーグ2位のアンジュヴィオレ広島、同3位のコノミヤ・スペランツァ大阪高槻とラブリッジの計12チームで編成されている。昨シーズンチャレンジリーグ4位のラブリッジにとってはすべてが格上のチーム、平たく言えば12番目からのスタートとなる。それでも、「1部残留を目標にして守りを固めるサッカーをするのではなく、昨シーズン積み重ねてきたことをベースに、ゴール前の見せ場をより多く作るために攻撃的にプレーできるよう成長していきたい」と磯村健監督は”攻め“の姿勢を貫く。
そう確信を持って話せるのは、昨シーズン一年かけて取り組んできた「相手を見て、状況によって判断しながらプレーするサッカー」が浸透してきたことに手応えを感じているからに他ならない。7-0で快勝した新潟医療福祉大学女子サッカー部との最終戦や、集大成と位置付けていた皇后杯での好パフォーマンスが自信になったと磯村監督は選手の成長を称える。「皇后杯は(昨シーズンの1部5位で、今シーズンWEリーグに参加する)アルビレックス新潟レディースに0-4で負けましたが、特に前半は自分たちが主導権を握って戦えている時間がありました。2カテゴリー上の相手にそういう戦いができたのは、力がついてきている証拠。そういった意味では厳しいシーズンになると思いながらも、希望はあると考えています。昨シーズンの始動の時期と比べても、身体が動いているし、1ヶ月くらい早く仕上がっている印象があります。やはりモチベーションが違うというか、選手それぞれが1部でやるんだという責任感を持って、オフにしっかりと準備してきていますね」。
悔しさと期待感を胸に
「目標は優勝を含めた5位以上」
モチベーションの高さは選手の言動からも伝わってくる。昨シーズンキャプテンとしてチームを牽引したMF髙島瑠里子選手は、「まずはチャレンジャー精神ですね」と新たな挑戦に目を輝かせる。「磯村監督になって2年目ですし、カテゴリーが上がって、対戦するチームのレベルが上がる中で、どれだけ自分たちのサッカーが通用するのかはチャレンジです。私たちは12番目のチームなので、恐れるものは何もない。常に全力で挑まないと戦えない相手と対戦することで、自分たちも成長できるので楽しみです。どんどんチャレンジして、勢いに乗っていけたらと思います」。
昨シーズンの副キャプテンを務めたFW竹林佑真選手も、「昇格できたことは自分にとって大きな財産になりましたし、本当に良い経験ができました。でもそれだけで終わらせず、今シーズン一年頑張ることが一番大事だと考えています。開幕までにどれだけ練習を積み重ねて、それを試合で出せるかが試されると思います。また、リーグ1部の試合は観戦が有料になるので、たくさんのお客さんにお金を払って観てもらうということになります。本当に観にきてよかったと思ってもらえるように、がむしゃらに、貪欲に頑張りたいです」と意気込む。
昨シーズンチーム最多得点を挙げたFW市原理奈選手は、移籍1年目のシーズンを喜びと悔しさを味わったシーズンだったと振り返る。「昇格できたのは嬉しかったのですが、試合に勝っていてもチームとして伸びていると感じられないところがあり悔しいシーズンでした」。その悔しさは今シーズンの発奮材料になっていると続ける。「今シーズンはより高いレベルでやれるので、チームとして勝敗だけではなく、力をつけていけるようチャレンジしたいです。厳しいシーズンになると思うのですが、今はワクワクする気持ちの方が大きい。開幕までに自分たちができることをやり尽くして、しっかり準備して臨みたいです」
「目標は優勝を含めた5位以上」と声を揃える3人。昇格を追い風に、将来のWEリーグ参入に向けて新たな舞台で大きく羽ばたく。
髙島瑠里子
たかしま るりこ。1990年生まれ。愛知県瀬戸市出身。チーム最長となる在籍6シーズン目。2020シーズンはキャプテンを務め、「常に全力100%でチームの先頭を走り続けてくれる」(市原)、「ずっと声を出して、最後の試合の後もチーム全員に『ありがとう』と声をかけていた」(竹林)とチームメイトの信頼も厚い。背番号6。
竹林佑真
たけばやし ゆま。1995年生まれ。愛知県あま市出身。愛知東邦大学時代は4年連続でインカレに出場。卒業後の2018年にラブリッジに加入。昨シーズンは三浦桃とともに副キャプテンを務めた。ケガで出遅れるも、復帰後はスタメンを奪い攻撃を牽引した。背番号9。
市原理奈
いちはら りな。1996年生まれ。愛知県名古屋市出身。名古屋FCレディース(現:NGUラブリッジ名古屋)で育ち、昨シーズン大和シルフィードから加入。チーム最多となる4得点を記録し、今シーズンも攻撃の軸としての期待がかかる。背番号8。
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