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森野将彦チャンネル 出張版 どらナイスぅ〜ッ!

打撃コーチとして若い選手達の力になりたい!

 2021シーズンの中日ドラゴンズは、残念ながらリーグ5位に終わりました。投手陣は12球団でナンバーワンの成績を残すなど、投手陣は頑張りましたが、打撃陣は問題が多かったと言わざるを得ません。勝てなかったのは間違いなく打線の責任です。ドラゴンズが来季、優勝争いをするためにはっきりとしているのは、打線を立て直すことに尽きると思います。
 立浪和義新監督の下、私は来季から1軍の打撃コーチに就任することになりました。ドラゴンズには高橋周平選手や京田陽太選手、根尾昂選手など、活躍の期待されている左打者がたくさんいるので、彼らが活躍できるようにサポートしたいと考えています。外からドラゴンズの選手を見ていて感じていたのは、真面目な選手が多いということ。チャンスで打席に入ると「打たなきゃ」と思って必要以上に力んでしまい、結果に結び付かなかったという場面もあったと思います。現役時代の私はチャンスに強い打者とよく言われましたが、打席ではできるだけ平常心を保ちつつ、「打てる球をシンプルに打つ」ということを心掛けていました。今の選手達にもそうした意識を植え付けることができれば、打線は必ず上向くはずです。


 

強いドラゴンズの一員になるため、
歯を食いしばって頑張った日々

 現役時代を振り返ると、やっぱり思い出してしまうのは“地獄の落合ノック”を受けたことですね。春のキャンプで全体練習が終わった後に、何時間もぶっ続けでノックを受け、あまりの過酷さに意識を失いかけたこともありました。まさに生死をかけてノックを受けていたと言っても言い過ぎではありません。
 昨シーズン限りで現役を引退した藤井淳志氏も、3時間続けて打撃練習をしていました。藤井氏が「どれだけでも打てます」と落合博満元監督に言ったので、売り言葉に買い言葉で「じゃあ打ってみろ」という話になったんだそう(笑)。途中休憩もなしで、1球も見逃すことなく、ひたすらバットを振り続けていたことを覚えていますね。
 なぜ、そこまで自分達を追い込むことができたのかというと、レギュラーになりたかったからです。レギュラーを取れれば、強いドラゴンズの一員となれるということが、みんなはっきりとわかっていました。年俸も上がりますしね。そういう目標設定がしやすかったこともよかったのかもしれません。だからこそ歯を食いしばって頑張れたんです。
 残念ながら、今の若手の選手達はまだ地獄のノックを受けるレベルにも到達していません。まだ基礎のノックを受ける立場。技術も精神力もまだまだ磨き足りないと感じているので、しっかり指導をしていきたいと思っています。


 

夢なき者に成功なし!
ドラゴンズは必ずまた強くなる!

 私は神奈川県横浜市で生まれ育ち、高校3年生でドラゴンズから指名されて名古屋市へ来ました。よくよく考えてみると、横浜より名古屋で生活している時間の方が長くなりましたね。もう横浜に戻るつもりはありません。この先も、名古屋で暮らしていくつもりです。入団した当初はなかなか馴染めなかったのに、今では「こんなにいい街はない」と思えるようになりました。名古屋に暮らす人々の温かい人柄に触れ、すっかり名古屋に染まったようです。
 子どもの頃は横浜大洋ホエールズ(現横浜DeNAベイスターズ)のファンでしたが、名古屋に愛着を持つ今は当然ドラゴンズを応援しています。もちろん負けると悔しいですし、はっきり言ってこの10年くらいは悔しい思いしかしていません。それでもその悔しさを原動力に、いつかまた強いドラゴンズが戻ってくることを信じています。
 幕末に活躍した吉田松陰は、「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし」という言葉を残しました。この言葉を選手とファンに伝えたいと思います。ドラゴンズは必ずまた強くなるはずです!来シーズンを楽しみにしてください。


 

PROFILE
森野将彦
もりの まさひこ。1978年生まれ。神奈川県出身。1996年、ドラフト2位でドラゴンズに入団。勝負強い打撃と内外野のどのポジションもこなす高いユーティリティ性で、黄金期のドラゴンズの主力の一人として活躍した。来シーズンは打撃コーチを務める。ドラゴンズについて熱く語るYouTube『森野将彦チャンネル/どらナイスぅ〜ッ!』も人気。

@morino_doranice
www.youtube.com/channel/UCJsDjD0Kw7svVsgzduzzbcQ

※今後はアシスタントの安藤渚七さんが中心となり、森野コーチを追いかけながら今までとは違った形でドラゴンズ愛を語っていく予定(更新は不定期)。

森野将彦著
『使いこなされる力。』
森野将彦さんの20年間のレギュラー人生哲学を書き記した1冊。落合博満元監督と森野さんだけが知るドラゴンズの黄金時代の秘密とは−−。
HP bookclub.kodansha.co.jp



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