あなたがハマった“沼”を教えてください!
シーホース三河 ブランドン・ジャワト選手
試合や大会で見せる目覚ましいプレーで、多くの人々を魅了するアスリートたち。その彼らを魅了してやまない趣味や休日の過ごし方について教えてもらう新コーナー「あなたがハマった“沼”を教えてください!」。
第2回はBリーグのシーホース三河に所属する、インドネシア代表のブランドン・ジャワト選手が、どっぷりハマっているという「ファッション」の魅力について語った。
自分が着たいものを着ることが自信につながる
僕はカリフォルニア生まれで、子どもの頃は父の故郷であるインドネシアのバリで育ちました。高校時代はロサンゼルス、大学はハワイで過ごしていたこともあって、多様な文化に触れてきました。特に学生時代は周りにファッションに対するこだわりの強い人たちが多かったので、その影響を受けて僕も自然にファッションに興味を持つようになりました。
大事にしているのは「自分が着たいものを着る!」ということ。もちろんTPOやその国の文化に合わせた着こなしも意識しますが、普段は朝起きて自分が着たいと思ったものを着るのが基本です。僕のインスタグラムを見てもらうと分かると思うのですが、例えば全身ピンクの服を着ていたり、ハイブランド、インドネシアのロコブランド、サーフ系、古着などをミックスしてコーディネートしたり。自由に、その日のひらめきでファッションを楽しんでいます。
中には少し奇抜に見えるものもあるかもしれませんね。実際に「なに、あの人!」といった好奇の視線を感じることもあります。でも僕は、周りがどう思うかは全く気になりません。自分に自信を持って、自分を愛して、自分をしっかりと表現することの方が大事だと考えているので、最終的には自分が満足していればそれでいいと考えているからです。
ヘアスタイルにもこだわりがあります。昨シーズン、宇都宮ブレックスに所属していた時はドレッドヘアで、その印象が強いファンの方もいるかもしれません。あの時は今までで一番ロングでしたね。基本的には短い方が好きで、ちょっと気分を変えてみたくて伸ばしてみたのですが……、もうドレッドにすることはないと思います(笑)。
昔から元NBA選手のデニス・ロッドマンのヘアスタイルにインスピレーションを受けていて、ヘアスタイルもどんどん変えていきたいと思っています。チームメイトに何軒か愛知県内のヘアサロンを教えてもらったので、これからどのように変わっていくかぜひ注目してください!
ファッションは人生を楽しむためのスパイス
靴も好きでたくさん持っていますが、最新のスニーカーが出るとまたすぐに買ってしまいます。スニーカーに似合う服を自分で作ったこともありますよ。インドネシアではユネスコの世界無形文化遺産にもなっているバティック(ろうけつ染)など、生地が入手しやすいので、自分が着たい服を自分で作ることができるんです。
その延長で、『WATO』という自分のファッションブランドも始めました。ブランド名は僕の名前「JAWATO」のWATOと「We Are The Others」という頭文字からとりました。
これまでにロゴ入りのTシャツやフーディー、ラウンジウェア、バティックのパッチワークが散りばめられたアップサイクルデニム、手織りのバティックショートパンツなどを発表してきました。どれも着心地が良く、人生に色彩を与え、文化的なルーツを大切にしたものばかりです。
『WATO』は単なるスタイルではありません。社会規範を超えた存在。独自性と個性を大切にしたブランドでありたいと考えています。そして「We Are The Others=私たちは他者であり、あなたと共にいます」というメッセージを、ファッションアイテムとともに広めていきたいと思っています。
少し前までは全部自分一人でやっていたので、バスケットボールとの両立が難しかったのですが、ブランドのためのチームを新たに作ったので、これからさらに力を入れていく予定です。オンラインショップも準備しているので、ぜひ愛知県の皆さんにも『WATO』の洋服とともに人生を楽しんでほしいと思います。
新しい文化を知り、学ぶことは楽しい
洋服はインドネシアのローカルなお店で買うことが多いのですが、それは少しでも故郷のためになりたいという思いがあるからです。コロナ禍で、インドネシア、特に観光業で成り立っているバリは深刻な打撃を受けました。僕はこのようにバスケットができる恵まれた環境にいる。何かを返さないといけないし、少しでも苦しんでいる人の助けになりたい。インドネシアの小さなお店を応援したいという気持ちが大きいです。
最近はオフの日に名古屋市内へ古着を探しに行くこともあります。古着が好きなんです。ファッションに限らず、新しい場所に行って新たな関係を築いたり、新しい文化を学んだりすることにもとても興味がありますし、人生の楽しみの一つだと考えています。日本に来て2シーズン目ですが、ロサンゼルスにいた時から日本の文化、食は好きでした。今は自転車で刈谷のいろいろな場所に出かけるのが楽しいです。
僕はBリーグ初のインドネシア国籍の選手なので、インドネシアを背負ってBリーグで結果を残し、次の世代の選手につなげたいという使命感を持っています。それと同じようにオフコートでも国を代表して、インドネシアの魅力を発信し、インドネシアに日本の良さを伝える役割を果たせたらと思っています。
ブランドン・ジャワトBrandon Jawato
1993年生まれ。インドネシア国籍。ポジションはスモールフォワード(SF)。ハワイ大学卒業後は国内リーグでプロデビューし、2021-22シーズンに宇都宮ブレックスへアジア特別枠選手として加入。2022-23シーズンに宇都宮からシーホース三河へ移籍。今夏のW杯アジア予選などでは、インドネシア代表のエースとして攻守にチームを牽引した。
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