愛知県振興部スポーツ振興課
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村上佳菜子が贈る
おかなの愛のエール!

子どもの頃の私はスケートが大嫌い!

 私は3歳でフィギュアスケートを始めました。6歳上の姉が大須にある名古屋スポーツセンターでスケートを習い始めたため、付いて行くうちに私も滑るようになったんです。公園へ遊びに行くような感覚で、小学生のお姉さんたちのお古のスケート靴を履いて、無邪気に氷の上に立っていました。
 先生に習うようになったのは4歳くらいからで、5歳の時に初めて大会に出場しました。正直に言うと、その頃はスケートのことが大嫌いでした(笑)。もっと小さい頃は氷の上で好きに遊んでいても何も言われなかったのに、習い始めた途端に練習をしないと怒られるようになったからです。「昔は怒られなかったのに、なんで今は怒られるの」という思いが徐々に膨らんでいき、辞めたいとさえ思っていました。なぜ辞めなかったのかというと、小さな私には辞め方が分からなかったから(笑)。
 そんな私がスケートの面白さを感じるようになったのは小学3年生の時。それまでずっと失敗していたダブルアクセルやトリプルジャンプが、ある日を境に急に飛べるようになったのです。それがとても嬉しくて、スケートを嫌いな気持ちが吹き飛びました! 初めて海外の試合へ行き、優勝したのもこの年のことでしたね。

もう一度戻りたいくらい充実していた高校時代

 スケートに対するモチベーションが一番高かったのは高校時代かもしれません。私が通っていたのは中京大学附属中京高等学校。親からは「スケートをしっかりやらないと学校へ行かせない」と言われていたのですが、とにかく高校での毎日が楽し過ぎた私は、今までにないぐらい一生懸命スケートも頑張りました! 高校は様々なスポーツを頑張っているスポーツクラスで、とても団結力がありました。中学時代はスケートの遠征で学校を休むことが多く、周りの話題に付いて行けなかった私にとって、同じようにスポーツに打ち込むクラスメイトに親近感が持てたんです。大会に出場して私が優勝した時はクラスメイト全員が大きな拍手で私を迎えてくれて、とても感激したことを覚えています。
 フィギュアスケートは個人競技なので、スケートリンクへは親に車で送迎してもらうのが基本でしたが、たまにリンクのある中京大学まで、高校から電車で移動することがありました。団体行動をあまりしたことがなかった私は、スケート部のみんなとワイワイおしゃべりをしながら電車に乗っている時間がとても楽しかったです。もし昔に戻れるとしたら、私は絶対に高校時代へ戻ります(笑)。それくらい楽しく、かけがえのない時間でした。

今も強く思い出に残る2つの大会

 競技者時代で思い出に残っている試合は2つあります。一つは2010年にオランダのハーグで行われた世界ジュニア選手権。女子シングルで金メダルを獲得することができました。4歳で本格的にスケートを始めてから、山田満知子先生らに教わってきたことをすべて出し切って世界の頂点に立てたことがとても嬉しくて……。「頑張ってきてよかったな」と心から思えました。
 もう一つは2014年のソチオリンピックへの出場権をかけた2013年の全日本選手権です。この年はなかなか調子が上がらず、最下位になった大会もありました。周りからは「このままではオリンピックは無理」とまで言われていましたね。人生でメンタル的に一番きつかったのはこの時期です。本当に苦しくて、何度も逃げ出したいと思っていました。気持ちを切り替えることができたのは、大会の2週間前に曲と振り付けを変えたこと。フィギュアの常識では考えられないことですが、何かを変えなければオリンピックには出場できないという思いが私を突き動かしました。その結果は2位。ソチオリンピックの代表権を掴み取ることができました!
 もがき苦しみましたが、あきらめることなくスケート人生の全てをかけて頑張ったからこそ、オリンピックに出場できたのだと思います。その時の頑張りは、確実に今の人生にも生かされています!
 
 

PROFILE
村上佳菜子
むらかみ かなこ。1994年生まれ。愛知県名古屋市出身。3歳からフィギュアスケートを始める。山田満知子コーチの指導により技術を磨く。2010年の世界ジュニア選手権優勝、2014年のソチオリンピック出場、四大陸選手権優勝など、数々の実績を残した。引退後はプロスケーターやタレントなど、マルチに活躍中。

Twitter @Canyanpy1107
Instagram @kanako_m_official

Information
東海テレビ放送『スイッチ!』
毎週月曜〜金曜日の朝9時50分より、東海地方のお出かけ情報や暮らしに役立つ情報を生放送で紹介する番組。村上さんは火曜日隔週のレギュラーとして出演中だ。

HP www.tokai-tv.com/switch



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2024 / vol.43

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