名古屋ウィメンズホイールチェアマラソン2017
「レーサー」と呼ばれる軽量化された車いすでそのスピードを競うホイールチェアマラソン。
「名古屋ウィメンズマラソン2017」と併催され、4回目を数える今大会には、パラリンピックなどの国際大会や国内主要大会で活躍する11人の選手が出走した。
コースは、ナゴヤドームからパロマ瑞穂スタジアムまでのクオーター(10.5km)。このコースで、最もレースの勝敗を左右するのが、残り2.5kmとなる新瑞橋交差点を左折してから始まる2度の上り坂だ。
ウィメンズマラソンから10分早くスタートを切ったホイールチェアマラソン。
最初に撮影ポイントとして選んだのは、スタート間もない600m地点の萱場交差点だ。
スタート直後から、いきなりの上り坂に挑んでくる選手たちを正面から取ることができるロケーションの良さから、報道、オフィシャルカメラ、アマチュアカメラマンも1時間以上前からスタンバイするほどの人気の撮影ポイントだ。
先導車に続き沿道の応援を受けながら、11名の選手が最初の難関にやってきた。懸命に車いすをこぐ選手の表情を狙って400mmレンズを使用する。
力を入れてこぐために選手の頭はさがっているが、コースを確認するために、時折顔を上げる瞬間を待ってシャッターを切る。トップで坂を上りきったのは、リオデジャネイロ・パラリンピック日本代表の中山和美選手。
フィニッシュの予想タイムは約25分だ。
ここでの撮影後、私もフィニッシュ会場のパロマ瑞穂スタジアムへと移動開始。
9時28分、パロマ瑞穂スタジアムに到着。
1位の中山選手はすでにフィニッシュした後だが、オリーブ冠の授与と優勝のインタビューにはなんとか間に合った。
3回目の挑戦で初優勝(25分21秒)を果たした喜びと達成感にあふれた表情が印象的だ。
「沿道のみなさんの声援に後押しされて、楽しいレースができました。来年もまた、名古屋に帰ってこられるようにがんばります」と優勝の喜びを語った。
そして、ボランティアの「お疲れ様でしたー!」の声援と拍手で迎えられ、選手たちが次々とゴール。
40分の短距離のマラソンだったが、ゴール後の爽やかな笑顔でお互いを労うシーンを撮る。どの選手もはじけるような笑顔でいっぱいだ。
国内では競技人口が少ない女子ホイールチェアレースだが、「名古屋ウィメンズホイールチェアマラソン」は障がいの程度によるクラス分けを行わず、マラソンなど長距離を得意とする選手、トラック競技など短距離を得意とする選手の双方が出場できる大会という特徴を持つ。
この「名古屋ウィメンズホイールチェアマラソン」を通じて集まったどの選手も、それぞれの目標に向けて頑張ってほしい。
また、女子ホイールチェアレースを今後も盛り上げてもらいたい!
(スポーツカメラマン : 村松繁昌)