ギネス世界記録を更新!
19,857人が名古屋の街を駆け抜けた。
「名古屋国際女子マラソン」として31回(第32回大会は東日本大震災の影響で中止)、「名古屋ウィメンズマラソン」と改名してからは、今年で6回の開催を数えるこの大会。オリンピックや世界陸上選手権の代表選考会を兼ね、さまざまな感動やドラマを展開してくれた歴史ある大会でもある。
また、世界最大の女子マラソンとして、ギネス世界記録に認定されていることでも知られるが、今大会も昨年より250人多い19857人の女性ランナーが出走し、ギネス記録を更新した。
コースは中日ドラゴンズの本拠地ナゴヤドーム発着で、名古屋城やテレビ塔、道幅が100mあることから通称「100m道路」と呼ばれる若宮大通りなど名古屋の名所をめぐる42.195km。当日は、名古屋市内の道路が、女性ランナーで埋め尽くされた。
今回の撮影では、文字通り名古屋らしさを狙ってみた。中央分離帯をはさんで2万人近いランナーがとめどなく走る光景はこの大会ならではだ。
そこで、まず向かったのが8km地点の新瑞橋交差点。ここは1.5km先の堀田で折り返したランナーが、再び戻ってくる。
しかも、まだ10km以下なので、間隔があくこともなく密集状態が保たれ、まだまだ元気いっぱい。レンズを通して見る道いっぱいにあふれたランナーの光景は圧巻だ。
そして、メインといってもいいポイントが名古屋城周辺。特に、名古屋城とランナーを絡めたカットが撮影できるおすすめのポイントは、26km地点の名古屋能楽堂とKKRホテル名古屋それぞれが接する交差点。
ここでは、名古屋城をバックにがんばるランナーという理想的なショットを撮ることができた。この交差点にさしかかったランナーも名古屋城をバックに自撮りをする人が後をたたない。そんなベストポイントだ。
桜通ではセントラルブリッジの下でテレビ塔をバックに撮影。できるだけ塔全体を入れるためには広角レンズを使い、その上ローアングルを強いられる。
バリエーションとしてよしとし、回りを見渡すと座りこんだり、私と同じように道路に寝そべるカメラマンが何人も確認できた。考えることは同じである。しかし悩ましいのが、ほとんどの時間帯で逆光であること。
もう一本南の錦通がコースだったらと、昨年痛感したことを思い出した。
フィニッシュのナゴヤドーム。エリート選手の到着から3時間以上経過しているが、まだまだマラソンを楽しんだ女性ランナーが続々と帰ってくる。女性オンリーという特徴的なこの大会とマラソン自体をおおいに楽しんだという印象だ。
ゴールの瞬間は達成感と喜びにあふれた満面の笑顔。さまざまなマラソン大会のフィニッシュを撮影しているが、この大会ほどフィニッシュに笑顔があふれた大会はほかにない。
(スポーツカメラマン : 村松繁昌)