SuperSports XEBIO Fリーグ2016/2017
第30節 名古屋セントラル
名古屋オーシャンズが
リーグ1位のシュライカー大阪に劇的勝利!
名古屋のテバオーシャンアリーナにFリーグ全12チームが集結して、1月27日(金)、28日(土)の2日間「名古屋セントラル」が行われた。
Fリーグも終盤を迎えた第30節、今回の見所は、是が非でもこの節でリーグ1位を決めたいシュライカー大阪と、地元でのシュライカーの1位確定を阻止し、わずかながら可能性を残すリーグ1位の返り咲きに燃える名古屋オーシャンズの頂上決戦だ。
28日(土)14時30分、今節最大の注目カードがキックオフ。
前評判を聞きつけてアリーナに詰め掛けたサポーターやフットサルファンがバックになるように、バックスタンドと対角線上にポジションを取り、まずはオーシャンズのシュートシーンを意識して撮影。
しかし、両チームとも高い集中力を維持した見ごたえのある試合展開で、なかなか得点にむすびつかない。
サッカーに比べれば、比較的点が入りやすいフットサルだが、前半は0-0のまま終了。
攻撃を意識していた前半だったが、決まったかと思われるシュートをフィールドプレイヤーが身をていして守るなど、堅い守りの好プレーが続出、反対側ゴール前のディフェンスシーンを撮るために400mmの超望遠も多用した。
後半も緊迫した試合展開が続き、試合時間30分が過ぎても0-0のまま。もはや1点が勝敗の分かれ目になる状況だ。
こうなると撮影するほうの緊張感も倍増する。
「勝敗を分けるのであればその1点はオーシャンズに。」と念じながらファインダーを覗く。
すると、0-0のままで迎えた後半37分にオーシャンズが動いた。フィールドプレイヤーの中村選手にゴレイロ(ゴールキーパー)のユニフォームを着用させて、(※)パワープレーを発動。
自ゴールがガラ空きになるリスクがあるものの、攻撃で数的優位に立つ戦術でシュライカーのゴールに迫った。キーパーを攻撃に参加させるパワープレーではなく、フィールドプレイヤーにゴレイロの代役をさせる今回の作戦は、是が非でも先制してシュライカーの1位確定を阻止したいというオーシャンズの信念の現れだ。
入れるか入れられるかの捨て身の作戦に、緊迫感のある撮影を味合わせてもらった。
そして、試合終了の残り12秒。酒井ラファエル良男選手のゴールでオーシャンズが劇的勝利を収めた。
オーシャンズの得点シーンを狙ってシュライカーのゴールエンドにポジションを取っていたが、得点した選手が喜ぶシーンは、その瞬間、後方にいるチームメイトのほうに振り向くため、実は反対サイドのほうが主役の正面が撮れるのでベストではある。
しかし、目的のチームの攻撃側にポジションを取ってしまうのは、シュートの瞬間も撮りたいというカメラマンの悲しい性がそうさせてしまう。
2月24日(金)から始まるプレーオフに出場が決まっている名古屋オーシャンズ。
2位以下になるとリーグ優勝まで4勝が必要となる過酷な戦いだが、シーズンチャンピオンに向かってモチベーションをあげることができた一戦となったようだ。
※ゴレイロ(ゴールキーパー)が自ゴールを空けて、フィールドプレイヤーのように攻撃参加する戦術。相手チームの4人に対して数的優位を作って攻めていく、フットサルを特徴づける戦術の一つ。また、ルール改正により、今回のようにフィールドプレイヤーがゴレイロとして参加し、相手が攻撃に転じた際にインプレー中でも正規のゴレイロと交代することも可能になった。
(スポーツカメラマン : 村松繁昌)