10月開催の出雲駅伝、正月の箱根駅伝と並び大学駅伝の3大大会の一つといわれるのが、今回の全日本大学駅伝である。
晴天に恵まれた11月7日、熱田神宮西門からオープン参加の東海学連選抜と全日本学生選抜の2チームを加えた27チームがスタートを切った。
8区間106.8km先の伊勢神宮を目指すこのレースでは、昨年優勝で2連覇を狙う東洋大、出雲駅伝を制し大学駅伝3冠をもくろむ青山学院大、優勝回数12回で、最多優勝記録を延ばしたい駒沢大、その駒沢大にあと1勝で最多優勝に追いつく日体大など、各大学のしのぎ合いが見所にもなっていた。
スタート時刻の午前8時に近づくにつれ、熱田神宮西門には一般の観衆が集まり、歩道では各大学の応援合戦が繰り広げられた。駅伝大会ならではの光景と雰囲気に圧倒される。
5車線全てが通行止めにされ、スターターの合図を待つ第一走者たち。
胸に手をあてる者、目を閉じて瞑想にふける者、深呼吸をする者などスタート前の緊張感がレンズを通して伝わってくる。総距離106.8km、長いレースの始まりの合図を待つ選手と観衆。「スタート30秒前」のコールで一瞬の静寂が訪れた。
そして、スターターの号砲が鳴り響くと27名の選手たちは、第2走者が待つ中継点を目指し一斉にスタートを切った。
1秒でも早く、仲間に襷を渡すため全力の走りだ。
スタートを撮影後、津市の第5中継点に移動。
そこで見たのが赤崎選手(拓殖大)の次のランナーへの気遣いだ。
自分の襷を外した瞬間から、満面の笑顔で襷を渡すのだ。
次の新井選手に不安を与えないためか、まだまだ行けるんだぞという意思表示なのか、ひときわ印象に残ったシーンだった。
フィニッシュ地点の伊勢神宮ではモニターにレース展開が映し出され、最終区での青山学院大の逆転シーンでは歓声と悲鳴が。
これで青山学院大は3冠に王手をかけた。逆転されて手を合わせながらフィニッシュした安井選手(早稲田大)は爽やかで好印象を与えてくれた。
スタートからフィニッシュまで追うとすると、事前に撮影プランを立てても2~3箇所ぐらいが精一杯だ。
しかも規制が多く、一般の人にはポジションに制限がある。脚立があれば撮りやすいのは確か。
今回の私の場合、スタートを撮ってすぐに第5中継点に移動し、上位10人ほどを撮影して、すぐに伊勢神宮に向かった。
これで、フィニッシュには30分ほどの余裕しかない。駅伝らしい写真を撮るなら、襷を渡す選手の表情が印象に残る中継点を勧めたい。
移動する意欲があるなら、スタートから中継点、そこでじっくり全校をおさえるのがお勧めだ。