お待たせしました!「タクミ先生のシカゴマラソン体験記」後編です!
タクミ先生のフルマラソンデビュー、結果はどうだったのでしょうか…?
感動のフィニッシュ、そして先生ならではの視点と想い。
今回もとびきりアツい、タクミ先生の体験記をお届けします!!
では、どうぞ(^^)☆↓
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シカゴマラソン。
沿道の明るく元気な応援は、最後まで途切れることはありませんでした。
エルビスプレスリーの仮装が歌って踊り、バンドが演奏し、ダンスチームが大声で叫び、チアガールが飛び跳ねる。なぜかマジックをする大道芸人もいました(ランナーは見られない!笑)。
街中の人が総出で、「マラソン」というお祭りを楽しみながら応援するという空気が、ずっと私の背中を押してくれました。みんなが笑顔なので、私も笑顔で走れました。
街中から湖の畔を走るコースを走り、オールドタウンな閑静な住宅街に入る頃は16km。
かなり調子よく走れていました。日本人は1人も見かけませんでしたが、外国人(自分が外国人ですが)と片言の英語で話しながら、軽快にハーフまで来ました。
景色は再度、高層ビルがそびえ立つ街中に変わりました。少しずつ体に疲労が蓄積し、脚全体に痛みを感じるようになってきました。相変わらず沿道の応援は勇気を与えてくれましたが、30km頃にはかなりの疲労がやってきました。脚だけでなく、腰、首、体全体が蓄積された疲労に悲鳴を上げ出しました。その頃、気温もかなり上がり、頻繁に水分補給を必要とされる嫌なコンディションになってきました。
人間には肉体的な限界があります。長い時間体を動かし続けることは、とても大変なことです。経験したことのない、何とも言えないモノが徐々に体に圧しかかってきました。
マラソンを走った人は必ず口をそろえて言います。
30~35km辺りには、想像を絶する状態が訪れる。自分自身も正にそのとおりでした。歩き出す人、立ち止まって脚をほぐす人、コースを離脱してマッサージを受ける人、リタイアする人、数時間前とは違う光景を横目で見ながら、限界と背中合わせの状態が続きました。残念ながら笑顔はだんだん消えていきました。
それでも、私は走り続けました。止まると二度と走れないと思い、ひたすら走り続けました。この苦痛の中、こんな自分と向き合うチャンスは二度とないと思うことができました。正にもう一人の弱い自分との闘いでした。ラスト5kmあたりからは、その弱い自分に何度も負けそうになりましたが、頑張り続けました。
走り始めて5時間44分24秒。
長い長い旅は無事に(?)終わりました。自分の目標の「完走」を達成することができました。フィニッシュの瞬間の感動は、口では言い表せないほどの達成感がありました。ゴール手前から、年甲斐もなく、大声を張り上げている自分がいました(笑)ゴールした瞬間に「また走りたい。また挑戦したい。」と、思う自分にビックリしました。やっと笑顔が戻りました。
しばらくしてから、なぜ走り切れたか?振り返ってみました。
楽しもうとする心はもちろん、己の蓄えられたエネルギー、無限の精神力。しかし、何と言っても疲れ果てた時の沿道のたくさんの応援が勇気を与えてくれ、背中を押してくれたことを再確認しました。
私は学校の現場では、生徒たちに仲間と協力すること、仲間を応援することの大切さを教えてきました。協力し合うと勇気を貰えるし、想像以上の成果が得られるし、とても温かいモノが感じられると言い続けてきました。それが最後には一番大切なモノであることを、生徒たちも理解してくれていました。
今回、私自身がその貴重な経験をさせていただきました。全く知らない外国人から「頑張れ(多分そう言っているとおもいますが・笑)」と言ってもらえることで、どれだけ勇気をもらえたことか。どれだけ笑顔になれたことか。
シカゴから帰って来て、ある休日の夕方。近所をジョギングしていたら、全く面識のない方から笑顔で「頑張って。」と言われました。シカゴマラソンでの感動を再び味わうことができ、物凄く嬉しくなり、心がジーンと熱くなりました。
「声かけ」は人間の心が通う一番大切なモノです。人に勇気を与えられます。これからも人とのふれあいを大切にし、積極的に生きていきたいと思います。そして近い将来、学校現場に戻った時は、改めて人とのふれあいが一番大切だということを、生徒たちに範を示せるように、人間として教師として成長していきたいと思いました。もちろん笑顔を忘れずに。
今回、このような貴重な経験の機会を与えてくださった関係の方々に深く感謝いたします。本当にありがとうございました。私の一生の宝物がまたひとつ増えました。また走ります!
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