1月21日、ラグビー日本代表のヘッドコーチ(HC)として、ジェイミー・ジョセフ氏の就任が発表された。
昨秋のワールドカップ(W杯)で日本代表を3勝1敗の好成績に導いたエディー・ジョーンズ前HCの退任に伴う後任人事は、W杯終了から3カ月経ってようやく決着した。
ジョセフ新HCが指揮をとるのは、今年の8月以降になるらしい。
これは、ジョセフ新HCが現在、南半球スーパーラグビーのハイランダーズで指揮をとっているため、そちらの契約満了後に就任するからだ。
日本ラグビー協会ではW杯終了後「国際ラグビーでの指導経験があり、世界にネットワークを持っていて、日本ラグビーに対する理解も深い」(坂本典幸専務理事)ことを条件に新HC選考を始めた。とはいえ、世界のラグビー界では優れた手腕を持ち、実績もあげているコーチは限られており、選考と交渉は難航したようだ。
例えば、日本代表をW杯3勝に導いたエディー・ジョーンズ氏は南アフリカのスーパーラグビーチーム・ストーマーズの監督就任が決まっていたが、イングランド代表からのオファーを受けるとこれを受諾。ラグビーの母国・イングランドで初めての外国人代表監督に就任した。
このように、有能なコーチの取り合いは激しいのだ。
日本代表の指揮官に決まったジョセフ氏は、国代表の指揮を執るのはこれが初めてだが、昨年のスーパーラグビーではFWに代表キャップ保持者がゼロというハイランダーズを初優勝に導いた手腕の持ち主だ。
選手としてはニュージーランド代表で1995年、日本代表で1999年のW杯に出場(なお、ジョセフ氏のように複数国にまたがっての代表入りが可能だったのは、1999年までで現在は複数国にまたがっての代表入りは禁止されている)。
日本の国内リーグに所属していたサニックス時代は気さくな性格でチームに溶け込み、日本語も習得。13年にハイランダーズ入りした田中史朗は「僕も通訳してもらいました。日本語ペラペラとまではいえないけれど、エディーよりは上手ですね。ラグビーについても勉強熱心。これもエディーと通じますね」と話す。
今年8月以降に船出する『ジェイミー・ジャパン』は、どんなラグビーで、どんな成績を残すだろうか? そして、エディーが率いるイングランドと対戦する機会は来るだろうか?
新生『ジェイミー・ジャパン』から目が離せない。
(ラグビージャーナリスト 大友信彦)