昔はやった10回クイズじゃありませんが、「カバディ」という言葉を息継ぎなしで10回続けて言ってみてください。
「カバディ、カバディ、カバディ、カバディ…」
そんなの簡単だよというあなた。それでは、反復横跳びのように左右にステップを踏みながら言うことはできますか?
「カバディ、カバディ、カバ、カ、カ…」
動きながら言い続けるのは案外と難しいのでは?
今回は激しく動きながら「カバディ」と言い続ける、ちょっと変わったスポーツを紹介したいと思います。
その名も「カバディ」。発祥の地のインドでは、数千年も前から親しまれているという伝統あるスポーツなのだそうです。
残念ながらオリンピックの種目ではありませんが、2026年に愛知・名古屋での開催が決定されたアジア競技大会では1990年から正式種目となっています。
全世界では約1000万人もの人がプレーを楽しんでいると言われているカバディですが、日本国内での競技人口はわずか5000人程度。決して普及しているとは言えません。
おそらく、「名前ぐらいは聞いたことがあるけど、見たことはない」という人が大多数を占めるのではないでしょうか。
そんな人のために、カバディをひと言で表すと「インド版の鬼ごっこ」。それなら「自分でもできそう」だと思えるから不思議です。
これといった道具も技術も必要なく、ルールさえ覚えたら誰でも気軽に始められるカバディ。どんなスポーツなのか、詳しく見ていくことにしましょう。
カバディは1チーム7人、前後半20分(女子は15分)制で行うチームスポーツです。
縦13m、横10m(女子は11m×8m)というコートの中で、レイダーと呼ばれる攻撃の選手が、相手のコートに入りアンティと呼ばれる守備の選手の体にタッチした後、自陣に戻ってこられたらレイダー側に、自陣に戻る前に捕まってしまったらアンティ側に、それぞれ得点が入るというのが基本ルール。
レイダーがアンティのコートに入った時、「カバディ」と言い続けなければなりません。
レイダーはアンティに触れ、自陣に戻ることができれば触れたアンティの分だけ得点が与えられ、しかも触られたアンティはエンドラインの後方にあるシッティングブロックに一時退場となります。
逆にレイダーが敵陣で捕まってしまった場合はアンティ側に1点が入り、捕まったレイダーはシッティイングブロック行きとなります。ドッジボールの内野の選手がボールに当たってしまい、外野に退くといったイメージに近いかもしれません。
制限時間内に攻守を繰り返し、最終的に点数の多い方が勝ちとなります。
きちんと体系だったルールを基に行われるれっきとしたスポーツですが、敵にタッチをして逃げるなんて、本質はまさに子どもの頃に遊んだ鬼ごっこと同じ。
日本ではまだまだマイナーなスポーツですが、世界的には競技人口も多く、日本の柔道や韓国のテコンドーのように、将来はオリンピック種目になる可能性だってなくはありません。
何より、競技人口の少ない今なら日本代表にだってなれるかも。そう思うと、夢が広がりませんか。
始めるなら今が狙い目のスポーツだと言えそうです。
(ライター : 鶴 哲聡)