バレーボール?サッカー?
その迫力を体感してみては
相手選手に背を向けジャンプした選手が、体をひねりながら空中に浮いたボールを相手コートに向かってオーバーヘッドキック! ブロックをするため、そのボールに向かって飛び蹴りをする敵の選手は、まるでカンフーの使い手のよう…。
アニメ『キャプテン翼』や映画『少林サッカー』を見ているようなアクロバチックでスリリングな攻防が楽しめるのは「セパタクロー」。
バレーボールとサッカーを組み合わせたようなスポーツです。手を使わない「足のバレーボール」と言うと分かりやすいでしょうか。
マレー語で蹴るという意味の「セパ」と、タイ語で籐(トウ)で編んだボールという意味の「タクロー」。東南アジアにある2つの国の言葉を合わせてできたこのスポーツのルーツをたどると、発祥は9世紀頃。その名の由来の通り、東南アジアの各地で伝えられていたそうです。
その後、それぞれの国や地域によってルールなどはまちまちに行われていましたが、1965年に統一ルールが作られ、88年に国際セパタクロー連盟が設立、98年に正式にアジア大会の種目となりました。
いまやアメリカやヨーロッパにも広まっていますが、やはり強豪国は東南アジアに集中。タイ、マレーシア、インドネシアなどが強豪国として知られています。
「足のバレーボール」と先述した通り、基本的なルールはバレーボールと同じ。自分のコートにボールが来たら地面に落とさないようにリフティングをして、3回以内に相手のコートに戻さなければ、相手に1点が入ります。逆にアタックが成功し、相手がボールをとれなければ、こちらの得点に…。
こうして得点を競い1セット21点先取の3セットマッチで行われます。
バレーボールとの違いはと言うと…
・1チーム3人(「レグ」と言います)
・腕や手を使ったら相手の得点
・1人で続けて3回リフティングができる
・ポジションのローテーションはしない
・サーブはセンターサークルにいる選手が、クォーターサークルにいる別の選手からトスされたボールを蹴り入れる
・サーブ権は3本ずつで交代する
と言ったところでしょうか。
もちろんボールも違います。
セパタクローで使用するのは、12の穴と20の交点を持つように編み重ねたプラスチック製のボール。
小さくて軽いのが特徴で、円周は0.41〜0.43m(女子用は0.42〜0.44m)、重量は170〜180g(女子用は150〜160g)となっています。
ちなみにコートの大きさとネットの高さはバドミントンと同じだそうです。
日本代表も年々力を付けていて、近年では世界ランクトップ5に入るほど。
とはいえ、国内の競技人口は2000人程度しかいません。全国に30〜40ほどのクラブがあり、愛知県内では「愛知セパタクロークラブ」が唯一、活動しています。
メンバーは10〜30代の男女15人ほど。週に1〜2回、県内の体育館で練習を行っているそうです。無料体験も可能なので、興味のある人は一度ウェブページから問い合わせを。
いきなりは無理かもしれませんが、上手にリフティングをして相手コートにアタックを決めた時の気分は爽快のひと言。漫画ばりのアクロバチックなプレーを決められたらなおさらです。
ぜひチャレンジしてみてください。
(ライター : 鶴 哲聡)