体のバランス感覚が養える
日本のお家芸
今回紹介するのは、柔道と並ぶ「日本のお家芸」の体操です。
1960〜70年代にかけて、男子団体チームがオリンピックと世界選手権で10連覇を果たすなど、無類の強さを誇ったことからそう呼ばれるようになりました。
その後、低迷した時期があったものの、昨年のリオデジャネイロオリンピックでは、男子個人総合で内村航平選手が2大会連続の、男子団体は3大会ぶりに、それぞれ金メダルを獲得するなど、お家芸の復活を印象づけています。
リオ五輪では、地元愛知県小牧市出身の寺本明日香(中京大)選手も大活躍。女子個人総合で見事に8位入賞を果たしました。実に52年ぶりという快挙です。
寺本選手はキャプテンとして、女子団体にも出場。惜しくもメダルにはあと一歩及ばなかったものの、48年ぶりの4位入賞に大きく貢献しました。
順位が確定した時、彼女たちが見せた晴れやかな笑顔に癒やされたという人も多いかもしれません。
ここからは競技の内容を詳しく見ていきましょう。オリンピックでは、男子6種目、女子4種目が行われます。
<男子>
・床:12m四方の床の上で、宙返りなどのアクロバット技、旋回技、力技、バランス、ジャンプなどを演技します。
・あん馬:あん馬の上で旋回技、交差技などを組み合わせ、停止することなく演技します。
・吊り輪:マットから2.55mの高さに設置された2つの輪を用いて、振動技、力技、静止技などを演技します。
・跳馬:マットから1.35mの高さにある跳馬を、手をついて飛び越します。一瞬で演技が終わってしまうのが特徴です。
・平行棒:マットから高さ1.87mに設置された2本の棒を用いて、静止技や倒立、腕支持の技、棒上の技、棒下の技などを演技します。
・鉄棒:マットから2.55mの高さに設置された鉄製のバーを用いて、前後方の回転技、手放し技などを組み合わせ、静止することなく演技します。
<女子>
・床:男子よりダンス色が強く、音楽に合わせて演技します。
・跳馬:高さが1.25mと男子より低く設定されています。
・段違い平行棒:高さの違う2本の木製バーを用いて、男子鉄棒のように演技します。
・平均台:高さ1.25m、長さ5m、幅10cmの台の上でターン、跳躍、バランス、宙返りなどを演技します。
オリンピックでは1チームから複数名の選手が各種目を演技した合計点を競う団体総合、1人の選手が全種目を演技した合計点を競う個人総合、種目ごとに得点を競う個人種目別の3つのカテゴリーでそれぞれメダルが争われます。
採点は、技の難易度、美しさ、雄大さ、安定性といった観点で複数の審判員が実施。演技の難易度など構成内容を評価するDスコアと、演技のできばえを評価するEスコアから算出します。
おおまかなルールを覚えたところで、いざ実践!
レインボー体操教室では、江南市と扶桑町で教室を開き、選手の育成クラスやキッズクラス、トランポリンクラスなど多彩なコースを用意。
一般クラスでは、マット、跳び箱、鉄棒などの基本技術を習得することができます。
体操は体のバランス感覚を養うのに最適で、基礎体力の向上や免疫力アップの効果も期待できるそう。健康づくりにぜひおすすめのスポーツです。興味のある方は一度、ホームページから問い合わせてみてください。
「観戦するだけでいいよ」という人には、毎年開催されている豊田国際体操競技大会がおすすめ。
昨年12月に行われた10回大会には、リオ五輪で活躍した白井健三選手や村上茉愛選手など、世界トップレベルの選手が出場し、会場を沸かせました。世界最高峰の技を生で見るまたとないチャンス。
今年の大会の発表はまだされていませんが、開催されたら見に行ってみてはいかがでしょう。
(ライター : 鶴 哲聡)