三月!愛知県では毎年恒例のとっても大きなスポーツのイベントがありましたね!
名古屋ウィメンンズマラソン!そして名古屋ウィメンズホイールチェアマラソン!
私もナビゲーターとして、去年まで取材に行っていました!
世界最大の女性のみが参加出来るフルマラソン!完走者にティファニーが送られることも有名ですね(*‘∀‘)
またゴールでもあるパロマ瑞穂スタジアムやナゴヤドームではとっても美味しいご飯を食べることも出来て、とても楽しい取材だったことを覚えています!食欲に忠実!守屋です(=゚ω゚)ノ
取材をした一年目は、なんとホイールチェアマラソンの優勝者インタビューをさせていただいたのです!
ホイールチェアマラソンのそのスピードや迫力に多くの方が興奮していたのを覚えています!
さて、今回はそんなホイールチェアスポーツの漫画!
ということでご紹介する漫画はこちら!
井上雄彦先生作
『リアル』です!!
このブログで井上先生の漫画を取り上げるのは二回目ですね!
前回は『スラムダンク』!そして今回は『リアル』!
どちらもバスケットボールが題材となっています!
しかし、今回取り上げるのは「車いすバスケットボール」!
『リアル』は三人の主人公たちによって物語が進んでいきます。
バスケットが大好きだが、バスケットをやる環境を手に入れることが出来ない野宮。
走れなくなってしまったが、車いすバスケットで自分の道を見つけた戸川。
今までとは違う自分の身体に戸惑い、受け入れることに向き合っていかなければいけない高橋。
前回のスラムダンクの際にも書きましたが、井上先生の作品は本当に「リアル」なのです。
飾らず、人間臭く、時間や心の経過も非現実の物語と思えないくらい。漫画ではなく、実写のドキュメンタリーを見ているような感覚になります。
はっきり言って『リアル』は『スラムダンク』や他のスポーツ漫画のようにキラキラとしたスポーツ描写が多くありません。
それよりも人間のどうしようもない感情や、醜い部分、そしてそれに立ち向かう人々や支える人間の感情がメインの漫画と言えます。
私がとても印象的な話はコミックス第三巻
「野宮は自分の現実に立ち向かいリハビリに励む夏美に感化され、もっとマシな人間になろうと更生を目指し、高校を辞める際に暴力を振るってしまった高橋に謝罪に行くことになった。
野宮の見舞いに驚きながらも、野宮を底辺とランク付ける高橋は暴言を浴びせ早く追い返そうとする。
苛立ち高橋に掴み掛ってしまう野宮。
しかし、高橋の身体は力なくそのまま倒れこんでしまう。
自分も歩けなくなって底辺へと落ちた、という高橋を叱咤しながらも「君ならリハビリも頑張れる」と励ます看護師の言葉も野宮は否定する。
夏美のリハビリに挑む気持ちとこんなに違う。
練習も手を抜いてばかりで努力するものをあざ笑っていたお前に何が出来る?
お前はできない。
そう野宮は高橋にはっきり突きつけた。」
このシーンはとても私の印象に深く残っています。
励まして励まして、それで解決する気持ちではない。
もちろん暴言に取れる言葉ですし、野宮も高橋を奮い立たせるために言った言葉ではないと思います。
しかし、歩けなくなったことで何もかもを終わってしまったと決めつける高橋と、それでも前に進もうとしている夏美を一緒にしてほしくなかった。
夏美の気持ちや決意をこんな男が軽い気持ちで出来るようになるわけがない。
本心からのできないという言葉。
実はこのシーンには、野宮が高橋に高校バスケ部の同級生たちの最後の試合を見てそれを伝えている場面があります。
一回戦で敗退してしまった仲間たちの様子に、俺たちがいたらまだ高校のバスケ生活は終わっていなかった、と。
二人で同じコートに立ち、相手を抜く野宮とシュートを決める高橋。
しかし、現実はそうじゃない。もうそれは絶対に叶うことのない夢なのだと。
その現実を受け入れることの難しさ。失ったからこそ分かる日常の幸せ。何気なく続けていたバスケットが出来ることが今はとても羨ましい。
そしてバスケットに対する気持ちは大きくなっていき、やがて高橋も車いすバスケットへと惹かれていきます。
戸川が自在にプレイする車いすバスケット。しかしそこまでの道のりの過酷さを体験する高橋。
制約がある中でも、バスケットをプレイすることを目指すもの、バスケット選手としてより高みを目指すもの、好きなバスケットを続けていきたいもの。
『リアル』は感動的な漫画ではなく、自分に突きつけられた現実にどう立ち向かっていくのか。人間の弱さや強さが描かれた漫画です。
いつもと違うスポーツ漫画、ぜひお手にとってそのリアルな世界を感じてほしいと思います!
ということで今回は
井上雄彦先生作、『リアル』をご紹介いたしました!
また次回―!!ヽ(゚∀゚ゞ
(声優 : 守屋ユウ)