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2024/03/01 特集記事

セーリング日本代表として活躍する
角森未岬選手にインタビュー!

角森選手が語るセーリング競技の魅力

セーリング競技のオプティミスト級で活躍する、14歳(取材当時)の角森未岬選手(海陽海洋クラブ所属)。2023年は「第37回小沢吉太郎記念少年少女ヨットレース大会」で優勝、「JOCジュニアオリンピックカップ兼JSAFジュニア・ユースセーリングチャンピオンシップ」と「第41回リビエラカップ東日本オプティミスト級セーリング選手権大会」で準優勝など、優れた成績を残した。2023年度にはナショナルチームにも選抜され、スペインで開催された世界選手権に参戦。日本のセーリング界の今後を担うであろう、期待の星だ。

角森選手が活躍するオプティミスト級とは、全長2.31m、全幅1.13mの小さなヨットを操る種目。現在、国際セーリング連盟が承認する最も小さなクラスで、国際大会への出場権は15歳までの選手に与えられている。多くの選手はこのオプティミスト級から、次のクラスへとステップアップしていく。

角森選手が初めて海に出たのは、小学2年生の頃。「昔のことなのであまり覚えてはいないのですが、両親が言うには海が怖くてよく泣いていた(笑)」と振り返る。最初は元選手だった父・雄三さんの意向でセーリングを始めたという側面が強かったそうだが、次第にその魅力に惹かれていった。

「スタートからゴールまでの艇が進むコースは自分で設計するのですが、自然が相手なので思い通りにいかないことの方が多いです。艇の上で臨機応変に修正することで『前に進める』というのがセーリングの醍醐味なのかなって思います」と競技の魅力について語る。帆を操るために体力や筋力を要するのはもちろん、「風を読む頭脳」も鍵なのだと教えてくれた。レース観戦時は洋上での駆け引きにも注目したい。

日本代表として日の丸を背負う心境とは

順調にキャリアを重ねた角森選手は、2023年にナショナルチームに初選出。中学2年生にして、日の丸を背負う心境はどのようなものだったのだろうか。

「選出されたときはとてもうれしかったのですが、世界で戦うからには『手本』にならなくてはというプレッシャーもありました」。他国の選手の技術に圧倒されることもあったが自身の持ち味である「スピード」を活かし、他艇を抜き去るシーンも多く作ることができた。

「自分はまだまだ世界の選手から多くのことを学ぶべき立場。国際大会に参加して、トップ選手のテクニックを見ているだけでも勉強になることが多くありました。今回の大会は満足のいく結果ではありませんでしたが、コンディションを整えてまた選出されるように頑張りたいです」と力強くリベンジを誓ってくれた。

学校やヨットの仲間と人気アニメの話題で盛り上がる!

平日は自宅のある尾張旭市内の中学校に通学し、週末には蒲郡市にある「豊田自動織機 海陽ヨットハーバー」に通う角森選手。勉強に練習にと忙しい日々を送っているが、「毎日充実しています」と目を輝かせる。もちろん、往復150キロを超える道のりを車で送迎し、トレーニングをサポートしてくれる両親への感謝も忘れていない。

練習の合間の昼食時は同じ競技に励む仲間と和気あいあいと過ごしている。この時ばかりはどこにでもいる中学2年生。「最近はアニメの『呪術廻戦』にハマっていて、学校やヨットの友だちとその話で盛り上がっています」と笑顔で話してくれた。

ただし、陸でのミーティングが始まり練習が再開された途端に、角森選手始めクラブメイト一同が真剣な眼差しに変わったのが印象的。自然を相手とし危険を伴う競技だけに、規律はもっとも大切であることに気付かされた。

最後に今後の目標を尋ねてみると「セーリング競技はまだまだ人口が多いとは言えなくて。でも、自分が活躍することで少しでも競技人口を増やしたいと思います」と語ってくれた。世界へ羽ばたき始めたばかりの角森未岬選手。その目は、愛知・名古屋で開催されるアジア競技大会やその先のオリンピックを見据えている。

PROFILE
つのもり みさき。2009年8月生まれ。セーリングの選手であった父の影響を受け、小学2年生で初めて洋上へ出る。「第37回小沢吉太郎記念少年少女ヨットレース大会」で優勝を果たすなど国内大会で優秀な成績を残し、ナショナルチームに選出。2023年にスペインで開催された世界選手権に日本代表として出場するなど、活躍を続けている。


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