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2024/09/13 aispo!応援団

荒木絵里香の
FLY HIGH!クインシーズ

現在はスポーツ界に貢献するための選択肢を模索中

 26年間の現役生活に終止符を打った後は、クインシーズ刈谷のチームコーディネーターをはじめ、日本代表戦のテレビ解説やバレーボール教室の講師、学校や企業での講演会など、幅広くバレーボールに携わっています。また、日本オリンピック委員会(JOC)の理事として、他の競技の大先輩から学ぶ機会を得たことで、バレーボールだけではなく、スポーツ界全体を良くしていけるような仕事に関わりたいと考えるようにもなりました。
 早稲田大学大学院で学んだことも、視野を広げられるようになったきっかけの一つです。大学院ではエリートコーチングコースを専攻し、コーチングを中心にマーケティングなど、多角的にスポーツについて学びました。

 娘とゆっくり過ごす時間が増えたことも、現役時代からの大きな変化です。今日はこの取材の前に娘が通う小学校のPTAの集まりに行っていました(笑)。毎日バタバタですが、母親としても色々な経験ができ、新鮮でとても楽しいです。
 私の場合、家族や周りの方の理解やサポートがあり、出産後も競技に復帰し、オリンピックにも出場することができました。しかしながら、日本では、出産後も競技を継続する女性アスリートは多くありません。「ママアスリート」は特別なことのように捉えられています。私はイタリアでプレーした時に、出産後もプレーを続けている選手や大学で学ぶ選手など、自分の人生と競技を両立させている人たちを多く見てきたおかげで、アスリートとしての選択肢を広げることができました。ですから、若いアスリートたちにも、結婚、妊娠、出産、育児などのライフイベントと競技を両立する選択肢があることを伝えていきたいと考えています。その一環として、6月に女性アスリートのネットワーク「一般社団法人MAN(マン)」の代表理事に就任しました。
 私はバレーボール選手として多くの経験を積み、そこから学び、充実した競技生活を送ることができました。だからこそ、今、一生懸命に頑張っているアスリートにも充実したキャリアを送ってほしいと強く願っています。選手でも監督でもない立場であるからこそ、伝えられる言葉があるはずです。現役の選手たちが、「バレーボールをやってきてよかったな」と思えるように導いてあげたい。そう思いながら、さまざまな活動に挑戦しているところです。

もっと国内のバレーボールを盛り上げていきたい!

 選手にとって「バレーボールをやってきてよかった」と思える瞬間の一つは、たくさんの応援の中でプレーできることです。ですが、現状、日本代表の試合では盛り上がりを見せていますが、リーグ戦の観客数は決して多くありません。国内でリーグが行われていることさえ知らない人もいます。私もVリーグでプレーしていた時に、「荒木さん、どうしてこんなところにいるの?」と決まって尋ねられました。東レアローズでも、上尾メディックスでも、トヨタ車体クインシーズでも、そうでした。それほどVリーグのことは知られていないのです。バスケットボールのBリーグとは大きく差をつけられ、非常に危機感を持っています。
 10月に開幕する2024-25シーズンより、Vリーグは将来的なプロ化を目指す「SVリーグ」とその下部にあたる「Vリーグ」に再編されます。それに伴い、トヨタ車体クインシーズも「クインシーズ刈谷」へとチーム名を変更しました。本拠地である刈谷市やその周辺地域との絆を深め、これまで以上に地域の皆さまに愛されるクラブになりたいという想いが込められています。

 リーグ再編に伴い、試合数も44試合に倍増します。ホームゲームも22試合ありますので、ぜひ多くの皆さんに生のバレーボールの迫力を体感していただければ。私もトークショーやバレーボール教室を行うなど、楽しいイベントを企画してホームゲームを盛り上げていたいと考えています。セット間にファンの皆さんに私のサーブを受けてもらう「サーブレシーブチャレンジ」を行う予定なので、ぜひ挑戦しにきてくださいね!
 SVリーグは今まさに変革期にあります。地域の皆さんと一緒に新しいリーグを作り上げていきたいと思っていますので、「こんなイベントをやってほしい」「荒木さん、こんなことに挑戦してみたら?」というようなアイデアをどんどん聞かせてくださいね。『aispo!』読者の皆さんは、バレーボールだけではなく他の競技にも詳しい方が多いと思うので、ぜひアドバイスをお願いします!いただいたアイデアをどんどん取り入れていきたいと考えていますので、新しいリーグをみんなで盛り上げていきましょう!!

PROFILE
荒木絵里香
あらき えりか。1984年8月生まれ、岡山県出身。北京、ロンドン、リオデジャネイロ、東京と4大会連続でオリンピックに出場。ロンドンオリンピックではキャプテンとして銅メダル獲得に貢献した。東京2020を最後に現役引退。現在は、クインシーズ刈谷のチームコーディネーターやJOC理事、バレーボール解説者など、様々なフィールドで活躍している。

クインシーズ刈谷のチーム情報はこちら


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