愛知県スポーツ局スポーツ振興課
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2025/02/12 特集記事

愛知のスポーツチーム紹介
東海NEXUS(女子硬式野球)

 愛知県は中日ドラゴンズや名古屋グランパスを始め、プロチームや実業団チームがなんと30以上も存在するスポーツ王国。そんな愛知のスポーツチームに密着。第三回目は、昨年春季センタートーナメントで優勝した『東海NEXUS』を紹介する。

 東海NEXUSは中部女子硬式野球連盟に所属する女子硬式野球クラブチーム。過去3年連続で中部地方のチームが参加するセンターリーグ(センタートーナメント)※1で優勝している強豪チームだ。「社会人のチカラを野球に、野球人のチカラを社会に」というコンセプトのもと活動している。
※1:2024年からセンタートーナメントへ名称変更

 また「NEXUS(=繋がり)」というチーム名を掲げている通り、本拠地とする一宮市をはじめ地域との繋がりも大切にし、地域に愛されるチームを目指している。

女子選手の爽やかな笑顔と全力プレーが魅力

 「女子野球は選手の“爽やかな笑顔”が魅力だと思います。男子野球の場合はチーム内の競争が激しく、レギュラーを目指すためにはチーム内のライバルに打ち勝たなければいけないイメージです。一方、女子野球は競技人口が徐々に増えつつあるとはいえ、私たちのような20人にも満たないチームでは和気あいあいと競技を楽しんでいます」と話すのは東海NEXUSの元選手であり、広報を担当する笹沼さん。「とはいえ、応援してくださるみなさんのために、勝負にはこだわります」と続ける。

笑顔が多く、和気あいあいとしたチームの雰囲気

 女子野球の世界において最も重要な大会となるのが毎年10月に開催される「全日本女子硬式野球選手権大会」(以下、「全日本選手権」)。クラブチーム、大学、高校など全28の※2女子チームが愛媛県松山市のマドンナスタジアム・坊っちゃんスタジアムに集結し、トーナメント形式で王座を争う。
※2:出場チーム数は第20回大会の実績

 この大会の出場権は毎年8月に千葉県で開催される「全日本女子硬式クラブ野球選手権大会」(以下、「クラブ選手権」)で上位入賞することで与えられる。東海NEXUSは残念ながらこれまで全日本選手権への自力出場を果たせておらず(例年推薦枠で全日本選手権に出場。)クラブ選手権での上位入賞、自力での全日本選手権出場がひとつの目標となっている。

 4月からはいよいよセンタートーナメントが開幕。まずは今シーズンも中部地方の女子チームNo.1に輝き、全国のクラブチーム・女子野球チーム日本一を目指す東海NEXUSの長い道のりに注目したい。

2024年度 春季センタートーナメント 優勝

野球留学から帰国!堀田投手のピッチングに注目

 日本一を狙う上でのキーとなるプレイヤーのひとりが投手・堀田ありさ選手(#18)。カットボールやスライダーなど8種類ほどの球種を巧みに投げ分け、打者を翻弄する。オフシーズンとなる昨年の11月からオーストラリアへ野球留学に赴いており、シーズンの幕開けと同時に帰国予定。気候のよいオーストラリアで野球に打ち込んだ成果に注目したいところ。

堀田ありさ選手(#18)

 野手の注目として笹沼さんが挙げてくれたのは田中凜選手(#54)と高橋咲耶選手(#9)の2名。まず大学では外野手だった田中選手は東海NEXUSに入団して三塁手にコンバート※3された。慣れないポジションを任されつつも持ち前のガッツを見せて、この冬内野守備の練習に打ち込んだという。そして2025年シーズンからは副キャプテンに就任。チームを鼓舞する役割も担っている。
※3:コンバートとは、野手の守備位置を現在のものから転向すること

田中凜選手(#54)

 次に一塁を守る高橋選手は長打力が持ち味。愛知県一宮市を拠点に活動する中学女子軟式野球チーム『一宮ドリームガールズ』出身であり、ホームゲームで打席に立てばひときわ大きい声援を浴びる。東海NEXUSが主催する学童軟式野球大会では、たちまち子どもたちに囲まれる人気者。地元・一宮で一目置かれる「ご当地選手」である。

高橋咲耶選手(#9)

野球人としてだけでなく社会人としても成長

 「現在、総監督を務める碇穂(いかりみのる)は『野球だけでなく人として、社会人としても成長していこう』というコンセプトを掲げてこのチームを立ち上げました」と笹沼さん。その言葉通り地域貢献活動にも力を入れているという。

 一宮市最大のイベントであり、町中が七夕飾りに彩られる「一宮七夕まつり」の開催中、清掃業者が入らない日を中心に、選手たちはゴミ拾いを行っている。また、一宮市に隣接する稲沢市でもバレーボールチーム『ウルフドッグス名古屋』とともに清掃活動を行うなど地域の人々と積極的に交流。

「一宮七夕まつり」の日、ゴミ拾い活動を行う齊藤千夏選手(#4)

 こうした地道な努力を積み重ねた結果ファンも増えており、なんと私設応援団も結成。ホームの平島公園野球場(一宮市営球場)ではトランペットによる「鳴り物応援」も繰り広げられるなど、スタジアムは賑やかで温かな雰囲気に包まれている。自身も一宮市に住むという笹沼さんは「チームメイトと食事や飲みに行くときも一宮市内が多いです。すごく普通の感想ですけど『帰ってきて安心する町』」と話してくれた。

オフも選手同士遊んだりしているそう

 また、東海地方で競技に励む野球少女を集めて、交流戦を行うイベントを主催するなど女子野球を盛り上げる取組にも積極的。

 「女子野球はパワーやスピードが劣る分、バントやエンドランなど、作戦や動作に繊細さや緻密さが求められます。男子の野球選手からも『お手本になるプレーがいくつかあった』と言ってもらえることが多いです」と笹沼さんは話す。

 世間的にはまだまだ注目度が高いとは言えない女子野球の世界だが、『東海NEXUS』の全国制覇により愛知県の女子野球シーンが盛り上がることを期待するばかりだ。

東海NEXUS



東海NEXUSの情報はこちら


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