バスケの本場・アメリカで挑戦を続けるバスケの富永啓生選手が知事を表敬訪問!

NBAの下部組織「NBA Gリーグ」のシーズンを終えた富永啓生選手が2025年5月2日、愛知県の大村秀章知事を表敬訪問。パリオリンピックやプロ1年目シーズンの結果を報告するとともに、「NBA選手になるのが大きな夢。それに向かって頑張りたい」と決意を新たにしていた。

愛知県名古屋市出身のサウスポーシューターは、高精度な3Pシュートを武器に桜丘高等学校3年時のウインターカップで得点王に輝き、一躍脚光を浴びた。
高校卒業後はレンジャー・カレッジを経て、NCAA D1(※)のネブラスカ大学に編入し、3Pシュートに磨きをかけた。東京2020オリンピックには3x3(3人制バスケ)日本代表として出場した。
※全米最大の大学体育協会。ディビジョン1には約360校が所属。
その後、2022年に5人制の日本代表にも選出され、2023年夏に開催された「FIBAバスケットボールワールドカップ」(フィリピン・インドネシア・日本(沖縄)の3ヵ国共催)では河村勇輝選手とともにチームの起爆剤となり、パリオリンピック出場権の獲得に貢献した。
ワールドカップでの富永選手の活躍が印象深いと話す大村知事は「さらにステップアップして、愛知だけではなく、日本中のファンの皆さんを喜ばせる活躍を期待します」と激励。
さらに知事が7月オープン予定のIGアリーナを紹介すると、富永選手は「日本代表か、どのような舞台になるかはわからないですが、いずれは自分もこのアリーナでプレーしたいという気持ちがあります」と地元でのプレーに意欲を見せた。


オフェンスだけではないことを証明していきたい
aispo! では、表敬訪問後の富永選手に単独インタビューを行った。
―2024-25シーズンは、パリオリンピックに出場。NBAのインディアナ·ペイサーズ傘下のインディアナ·マッドアンツ(来シーズンからノーブルズビル·ブームへ名称変更)でプロ1年目のシーズンを過ごされました。マッドアンツではレギュラーシーズン14試合に出場して平均5.4得点、3Pシュート成功率は46.9%でした。
富永選手(以下、富永):パリオリンピックに出場できたことは嬉しかったのですが、プレータイムがなかなかもらえず、自分の中ではもっとできたのではないかという悔しさもあり、複雑な気持ちです。でも、それも含めて、今後につながる良い経験ができたと思っています。
マッドアンツでは、ルーキーシーズンということもあり、ヘッドコーチの信頼を勝ち取ることが一番の壁でした。
大学時代までは先発で長い時間出場して結果を残すタイプでしたが、マッドアンツでは短い出場時間の中でいかにアピールするかが求められたので、1本のシュートを決めることの重みを実感したシーズンでした。途中出場で、いつ出場のチャンスがあるかわからない状況でのプレーも初めての経験でしたので、特にメンタルの部分で適応するのに時間がかかりました。

―監督の信頼を得る難しさを感じたということでしたが、過去に同じような経験をしたことはありましたか。
富永:あまり経験はありませんが、ネブラスカ大学に編入して1年目のシーズンの終盤はあまり試合に出られなくて、似たような状況だったと思います。
監督の信頼は、日々の練習の中で自分にできることを100%出すことでしか得られないと考えています。だから、そこだけにフォーカスしていました。
僕の今の課題はディフェンスとフィジカルです。ウエイトトレーニングの回数を週4回から5、6回に増やしたり、休みの日に練習したりすることもありました。
コーチからも成長していると言われましたけど、自分の感覚としてもシーズンの序盤と終盤では身体の強さが変わってきたと感じています。もっと成長して、オフェンスだけではないというところを証明していきたいです。
最終的な目標はNBA。
日本の、愛知のバスケの発展の立役者になりたい
―先ほど大村知事にバスケットボールシューズをプレゼントされました。昨年6月には、憧れのステフィン·カリー選手が展開する「カリーブランド」のアジア人初の契約選手になり、大きな話題となりました。
富永:カリー選手はずっとお手本にしてきた選手。数年前までは想像もしていなかった展開で非常にうれしいです。

―カリー選手とお話をされた中で印象に残っている言葉はありますか。
富永:大変な時期をどのように乗り越えるかという話が印象に残っています。そういう時にカリー選手は、「周りの声に惑わされず、自分のやるべきことに集中して、自分にやれることをやり尽くす」と話していました。
―富永選手がカリー選手をお手本にしているように、富永選手に憧れる子どもたちも多いと思います。子どもたちのために、3Pシュートが上達するためのコツを教えてください。
富永:僕が子どもの頃は、とにかく時間がある限りずっとシュートを打ち続けていました。たくさん練習することはもちろんですが、一番大事なことはシュートを好きになること。好きになればシュート練習をしたくなりますし、そうすることでどんどん入るようになってさらに楽しくなっていきます。
シュートがうまくなると相手チームのマークがキツくなりますが、練習したことをそのまま試合で出すことが大事。自信をもって打ち続けてほしいと思います。

―最後に、今後の目標と愛知のバスケットボールファンへのメッセージをお願いします。
最終的な目標がNBAであることは変わりません。今は、どの道を通るのが一番良いのかを考えながら、来シーズンに向けて動いているところです。
日本のバスケットボールの発展の立役者の一人になれるよう頑張りたいですし、愛知のバスケットボールも盛り上がってきているので、僕も力になりたいと思っています。
富永啓生·挑戦の軌跡(2018~2025)
2018年 【日本最強高校生シューターとして注目】 | 桜丘高等学校(豊橋市)3年時にウインターカップで平均39.8得点の爆発力を披露。大会得点王、ベスト5に輝く。 |
2019年 【夢のNBA入りを目指して、アメリカへ進学】 | 渡米し、ジュニアカレッジ(JUCO)(※)の「レンジャー・カレッジ」に進学。英語・環境・プレースタイル、すべてが異なる中でゼロから再スタート。 ※ジュニアカレッジ(JUCO)…アメリカの2年制大学(短期大学)の総称 |
2020年 【全米注目のシューターへ】 | レンジャー・カレッジで活躍。スキルと実績が認められ、名門·ネブラスカ大学(NCAA D1)へ編入した。 |
2021年 【ネブラスカ大学に編入、D1の舞台へ】 | 強豪ひしめくビッグ・テン・カンファレンスで3Pシュートに磨きをかける。東京2020オリンピックでは、3x3日本代表として、8強入りに貢献した。 |
2022年 【日本代表デビュー】 | 7月のFIBAアジアカップ2022で5人制A代表デビュー。オーストラリア戦で3Pシュート 8本を含む33得点という衝撃のパフォーマンスを披露した。 |
2023年 【FIBAバスケットボールワールドカップ出場】 | FIBAバスケットボールワールドカップ2023に日本代表として出場。格上のフィンランドに歴史的勝利。日本のパリ五輪出場権獲得に大きく貢献。世界相手にも通用するシューターとしての評価を確立。 |
2023-2024 【NBAドラフトを目指し始動】 | 大学での最終シーズン。エースとして、ネブラスカ大学を10年ぶりにNCAAトーナメント進出に導いた。NCAA の3Pシュートコンテストでは、カリーを彷彿とさせる圧巻パフォーマンスで優勝を飾った。 |
2024-2025 【プロの世界へ――NBAの夢へ一歩ずつ】 | NBA下部のGリーグ・インディアナ・マッドアンツでプロバスケットボール選手としての一歩を踏み出す。夢のNBA選手へ、挑戦は始まったばかり。 |

PROFILE
富永啓生
とみながけいせい。2001年2月1日生、愛知県名古屋市守山区出身。日本代表でも活躍した父·啓之氏の影響でバスケを始め、桜丘高等学校(豊橋市)時代にウインターカップ大会得点王、ベスト5選出。高校卒業と同時に渡米し、レンジャー・カレッジを経てNCAA D1のネブラスカ大学へ編入。2024-25シーズンをインディアナ·マッドアンツでプレーした。
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