中京大学スケート部の荒木菜那選手&山下真瑚選手へ直撃。
トレーニング方法や今シーズンへの意気込み。
7月初旬から新シーズンが始まったばかりのフィギュアスケート。選手たちはこれから国内の地方大会を皮切りにブロック大会などの各大会を経て12月の全日本選手権出場を目指していく。将来有望な選手が多く在籍する中京大学のスケート部でも、シーズンに向けて本格的な練習が行われている。今回は、今年度主将としてメンバーを力強く牽引している荒木菜那選手(写真右)と、副将としてサポートする山下真瑚選手(写真左)へインタビュー。それぞれの練習方法やトレーニング、新シーズンに向けての意気込みを語ってもらった。
―まずはスケート部の雰囲気を教えていただけますでしょうか。
荒木「個性が豊かで明るい子が多いですね。練習の合間の休憩も、誰かがおもしろい動画をみんなに見せてそれで盛り上がって笑ったり」
山下「そうそう、みんなで学校の話や練習の話をしたりと賑やかです」
荒木「私たちは韓国アイドルが好きなので、2人で韓国アイドルの動画を真似して踊ったりもしています(笑)リラックスした雰囲気ですよ」
―個人競技ではありますが、部員同士で一緒に練習することはありますか?
山下「普段はスケート部のみんなと練習しています。みんなと一緒に練習していると、他の選手のステップも自然に覚えてしまうので、そのステップを真似してみんなで踊ったりすることもあります」
荒木「個人競技なので主に1人で練習することが多いのですが、2枠目や3枠目の練習では他の選手にステップやスケーティングを教わることもあります」
―荒木選手はトップスケーターが集まる中京大学のスケート部で活動することで、どんな刺激を受けていますか?
荒木「とてもハイレベルな選手がいる中で練習できるのは自分にとって大きな刺激になっています。私はスケーティングがあまり得意なほうではないのですが、自分に足りないところが学べるし、モチベーションが下がっている時も仲間から励ましてもらうと、もっと頑張ろう!という気持ちになれます」
山下真瑚選手への昨年のインタビューの様子はコチラ!
短期連載 第2回
中京大学・中京大中京高校所属
フィギュアスケーターたちの素顔
(山下真瑚選手・和田龍京選手)
―中京大学スケート部では、特にどの選手から刺激を受けていますか?
荒木「もう卒業されましたが、大庭雅選手です。とにかく練習量が多く、日中はずっとリンクにいます。その姿勢をずっと尊敬しています」
山下「私は宇野昌磨選手。フットワークやジャンプの飛び方など、どうやって表現しているのかがわかりやすく、勉強になります」
―なかでも親しくしている選手は?
(お互いに顔を見やって)荒木・山下「お互いだよね!(笑)」
―荒木選手は部をまとめる立場として心配りされていることはありますか?
荒木「主将として悩むことも多くありますが、OBの先輩方に相談に乗ってもらって励ましてもらっています。自分も逆の立場になれるように頑張りたいと思います」
山下「副将になってまだ間もないので、何をすべきかすべて荒木主将に聞きながら頑張っています。荒木主将がやってきたことを今度は私が引き継いで頑張ろうと思っています」
―スケート部の練習について教えてください。練習は週6日と伺っていますが、どのようなタイムスケジュールで行っていますか?
荒木「フィギュア以外にショートトラックの選手の練習もあるので、自分のスケジュールと調整しながら、滑れる時間に練習しています」
―トレーニング方法について、具体的なメニューを教えてください。
山下「トレーニングの先生に、重りを持って筋肉を鍛えるより体のバランスを取ることを意識すれば、氷の上でも自分の体のどこに力が乗っているかが分かるようになると言われたので、今はバランス系のメニューを中心に練習しています。具体的には片足や目をつむってのトレーニングを行っています。ジャンプの踏切で体のどこに力が乗っているか意識できるようになりました」
荒木「体幹と持久力のトレーニングをしています。体幹はコア筋力を鍛えるメニュー、持久力は30秒全力で体を動かして30秒休む、という練習を取り入れて強化しています。2年前のシーズンでは、シーズン前に1曲通して踊ることに体のキツさを感じていました。でもトレーニングのおかげで試合を重ねるごとに持久力がつき、ジャンプやプログラム全体のスケーティングも安定してきました」
―大学以外でも何かトレーニングをしていますか?
山下「ヒップホップダンスを習っています。ダンスの動きは激しいのでスケートに反映することはないのですが、習い始めて音の取り方を意識するようになりました。体の動かし方も幅が広がったと思います」
荒木「私は大学の練習以外に特に決まった習い事やトレーニングをしていませんが、家の周囲をランニングしたり、家の中で筋トレをすることはあります」
―スケートの表現力を高めるために心がけていることは?
荒木「とにかくいろいろな選手の動画を見て勉強しています。同じ曲でも、人によって違う表現をしていることが多く、こんな動きもありなんだ、と学んでいます」
山下「音やリズムの取り方ひとつで何を表現したいかが変わる、ということを意識して練習しています。例えば手を伸ばす動作も、1秒長く伸ばしたらもっと感情を表現でき、見ている人の想像力を働かせることができるので、そこを意識しながら表現力を高めています」
―最後に今シーズン挑戦するプログラムや注目ポイント、意気込みを教えてください。
荒木「私は、ショートプログラムは昨シーズンと同じ『You Raise Me Up』で今季も挑戦します。フリーは、曲名はまだ言えませんが、壮大なイメージの曲です。後半はステップも軽快で曲も盛り上がるので、そこに注目してもらいたいですね。選手生活最後のシーズンとなるので、これまで応援してくれた家族や先生、ファンの方々に感謝の気持を込めて滑りたいと思っています」
山下「今シーズンはショート、フリーともにあまり使ったことがない曲に挑戦します。ショートは『SHE IS LIKE THE SWALLOW』です。ショートもフリーも、音楽好きの母がスプログラムに使えそうな曲のリストを作ってくれて、その中から選びました。自分としてはレベルが高い曲なので、もっと練習してもう一段階いい演技ができるように頑張りたいと思います」
次回はプライベート編をお届けします。大学生活や、忙しい合間の貴重なプライベート時間など、仲の良いお二人ならではの笑顔の絶えないインタビューの様子をお楽しみに!
PROFILE
荒木菜那
中京大学 スポーツ科学部競技スポーツ科学科4年
2002年3月5日生まれ 愛知県東浦町出身
PROFILE
山下真瑚
中京大学 スポーツ科学部競技スポーツ科学科3年
2002年12月31日生まれ 愛知県名古屋市出身
(取材日:2023年6月15日)
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