横井ゆは菜・グランプリファイナル公式アンバサダー密着企画!<後編>GPファイナルで見た、選手たちの姿とミラノ五輪への展望

日本代表の選考がかかる大一番!公式アンバサダーとして熱くお届け!
『aispo!』をご覧の皆さんこんにちは!元フィギュアスケーターの横井ゆは菜です。前編に続き、IGアリーナで開催されたフィギュアスケートグランプリファイナルの様子をお届けします。
今大会では、GPファイナル公式アンバサダーとして活動させていただきました!この光栄な大役を務められることが幸せです!同じく公式アンバサダーに任命された2022北京オリンピック代表・小松原美里さん、2018平昌オリンピック代表・田中刑事さんと会場を駆け巡る、夢のような4日間でした!
【前編はこちら】
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックの前哨戦となる今大会。日本代表の選考対象になる大事な試合です。男子・女子ともに3枠、ペアでは日本史上初めてとなる2枠を獲得しています。このミラノ五輪代表争いは、すでに熾烈な戦いが繰り広げられています!

元フィギュアスケーターが感じた、選手の技術・表現・メンタルのスゴさ
今大会でアメリカのイリア・マリニン選手が7つの4回転ジャンプを成功させて、世界最高得点を叩き出しました。ジャンプはノーミス、ステップも華麗、バックフリップを披露した瞬間はもう会場の盛り上がりは最高潮!歴史的瞬間に立ち会うことができ、感動を超えて感激です。
その点で私が注目しているのは、佐藤駿選手です。圧巻の演技で1位に躍り出たマリニン選手の次というかなりプレッシャーのかかる滑走順。私は控え室でモニターを見ていたんですが、出番前の駿くんは・・もうこの世の終わりの表情!?なんです。それでも、あの会場の空気、あの極度の緊張を打ち破って、駿くんが最大の難関、4回転ルッツを決めた時に「これはいけるな」って私は確信しました。結果、堂々の銅メダル獲得です。ここでメダルを獲れるということは、日本代表選出、そしてオリンピックでのメダル獲得の可能性も十分にあります。
女子シングルで優勝したアメリカのアリサ・リウ選手も素晴らしい演技でした。フリーが終わった後、舌をペロッと出す仕草とか見てもう「さすが!」と思いましたよね。必死に戦っているのではなく、リラックスしてスケートを楽しんでいる余裕を感じました。日本勢にとっても強敵ですね、彼女は。
日本でいうと、中井亜美選手のあの勢いは誰にも止められないんじゃないかなと思います。この高校生の時期特有のパワーというかフレッシュな勢いというのがあって。それがすごくいい方向に出ていると思います。日本のエース、坂本花織選手もシニアデビューした高校2年生の時にオリンピックの代表に選ばれましたので、中井選手がオリンピック代表になる可能性も十分にあり得ます!
坂本花織選手は今回SPで失敗はありましたが、最高得点で巻き返したフリーの演技はエースの底力を感じました。彼女は今シーズンで引退を決めています。花織ちゃんと私は同期なので、特別な思い入れを持って観ちゃいますね。残された試合、リンクに自分のすべてをぶつける覚悟が見えました。トリプルアクセルを武器とする渡辺倫果選手、豊かな表現とスケーティングスキルの高さが魅力の千葉百音選手など、日本勢は近年稀に見る選手層の厚さです!

ミラノ・コルティナ五輪への期待――日本フィギュアの強さとは
GPファイナルを見て、オリンピックの代表選考がかかる全日本選手権でも誰が優勝するのか本当にわからなくなりました。それだけ日本フィギュアのレベルは高いし、僅差なんです。実は私が注目しているのは男子の代表選考です。鍵山優真選手、佐藤駿選手が有力ですが、3枠目の代表争いは熾烈を極めると見ています!
日本史上初、前代未聞のペア2枠にも期待がかかります!GPファイナルを制したりくりゅうペアに続く、長岡柚奈&森口澄士の「ゆなすみペア」にも注目です!結成して間もないにも関わらず、世界のトップクラスで戦えるポテンシャル、何より日本ペアに2枠目をもたらしたカップルです!ぜひ応援してください!
フィギュアスケート界全体を通して感じるのは、ジャンプもスピンもステップも、すべての要素がレベルアップしているということです。一昔前は自分の得意な分野で勝負をする印象がありました。しかし今では、ルールや採点基準が厳しくなったこともあり、選手がだんだんと隙のないスケーターへと成長し、能力が底上げされたオールラウンダーな選手がたくさんいます。一つひとつの仕草もすごく丁寧で、構成や振り付けも完成度高く仕上がっている印象でした。全選手がオリンピックを視野に入れていることをひしひしと感じる試合となりました!

熱量や空気を感じられる会場観戦の魅力――日本開催の国際試合はやっぱ最高です!
イリア・マリニン選手の歴史的快挙の瞬間の爆発するような歓声、会場が一体になる手拍子、国旗を掲げて演技を讃える観客など、リアルな空気感が味わえるのが現地観戦の最大の魅力です。SNS投稿でも「応援プロ集団」と言われるほど熱量高い応援でした。
和太鼓の演奏や照明の演出、IGアリーナならではの質のいい音響など、普段のフィギュアスケートの試合ではないような盛り上がりを見せたGPファイナル。インタビューでは「会場で観てくれているお客さんがみんな温かい」と国籍問わず選手のみなさんが言っていました。会場で観戦した方にはぜひこの盛り上がりをシェアしていただきたいです!そしてフィギュアスケートを観戦したことない方も、ぜひ一度生で観ていただけたらと思います。
個人的な感想ですが、IGアリーナは客席のイスはちょっとふかふかしててお尻が痛くなりません!グルメも充実しているので、食料調達に困らないので是非気軽に足を運んでいただきたいです!
【IGアリーナ紹介はこちらも見てね!】
夢のような4日間!GPファイナル閉幕〜公式アンバサダーを務め上げて思うこと〜
前後編の2回に分けて、GPファイナルの様子や公式アンバサダーの仕事についてお届けしました。世界トップレベルの選手たちの演技を間近で観られたこと、公式アンバサダーとして大好きなフィギュアスケートに携われたこと、本当に私は恵まれているなと思いました。

今回のGPファイナルを通して、エンターテインメント性に富んだ演出やSNS活用などから、フィギュアスケートの試合がどんどん進化しているのを感じました。従来のフィギュアファンはもちろん、フィギュアスケートを見て楽しむという裾野を広げようとしているんだと思います。新たなファンの獲得ですね。野球やサッカーのようにメジャーなスポーツ観戦のジャンルになるのもそう遠くはないと思います。
公式アンバサダーの活動は、この経験を生かせる局面があるのか?というくらい貴重な体験すぎました。今は名古屋テレビ(メ〜テレ)での仕事を本業としてやらせてもらっていますが、今回のように日本フィギュアを盛り上げたいから力を貸してほしいと言われた時は、いつでも「はい!手伝わせていただきます!」と言えるように日頃から準備や勉強をしておこうと思いました。何より、私の大好きなフィギュアスケートの魅力をもっとたくさんの人に知ってもらえるよう、これからも発信を続けていきたいです!

声優の春瀬なつみさんとお会いしちゃいました!
今週末、12月19日からは全日本フィギュアスケート選手権2025が始まります!ミラノ・コルティナ五輪への切符を掴むのは誰になるのか・・一緒に見守りましょう!

全日本フィギュアスケート選手権2025についてはこちら

PROFILE
横井ゆは菜
よこい ゆはな。2000年5月生まれ。愛知県名古屋市出身。2018年の世界ジュニア選手権では6位入賞、同年の全日本ジュニア選手権では優勝するなど、ジュニアの頃から注目を集める。ジュニアでキャリアを重ね、2019年よりシニアに転向。ジュニアでキャリアを重ね、2019年よりシニアに転向。2022年には目標の一つであった四大陸選手権に出場して7位となった。中京大学卒業と共に引退し、現在はメ~テレのイベントコンテンツ部で日々の業務に励む傍ら、フィギュアスケートの魅力を発信している。
X @yuhachin0519
Instagram @yuhachin
aispo!マガジン最新号
2025 / vol.47
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