Vリーグ デンソーエアリービーズの感染防止対策をレポートしました
十分な感染防止対策のもと西尾市総合体育館で行われた
デンソーエアリービーズのホームゲームの様子をレポート
10月17日(土)に開幕したV1リーグ女子2020-21シーズン。今シーズンはファンや選手、関係者の安全を最優先に考え、新型コロナウイルス感染防止対策として複数の試合が「リモートマッチ(無観客試合)」で行われるほか、入場者数を50%に制限する「リモート50」を運用。観客席はすべて指定席となり、前後左右を1席ずつ空けた市松模様型の配置とした。また、Vリーグの観戦ガイドに基づく新しい応援スタイルが周知され、飛沫・接触感染を防ぐための様々な施策も講じられている。
11月14日(土)に西尾市総合体育館で行われたデンソーエアリービーズ対東レアローズの一戦。観戦に訪れた人々が並ぶ会場の入り口には、1.5mのソーシャルディスタンスを促すサインが設置されていた。入場の際は、検温と手指の消毒を行ってからチケットを提出する流れだ。またチケットの確認方法は、スマートフォンの画面で電子チケットが確認できる「Vアプリ」の使用や、紙チケットの場合は観客自身がもぎり役をすることで、スタッフとの接触を極力避ける方法で行われていた。オフィシャルグッズを販売するブースでは、入場と同様にフットスタンプによって1組ずつ売場に案内するほか、金銭の授受をトレー上で行うなど、ここでもしっかりと感染対策が行われていた。
会場内は観客の声援の代わりに、DJによる本格的な音響で賑やかだ。50種類もの効果音と楽曲を組み合わせながら、ライブ感たっぷりに盛り上げていく。今シーズンは声を出しての応援やチアスティック、メガホン、タオルマフラーの使用が禁止されているため、観客一人ひとりに配られる「応援ハリセン」が大活躍だ。ハリセンを叩いて応援するのはもちろん、広げて応援ボードとしても利用できる。
この日の対戦相手は6連勝中で勢いに乗っている東レアローズ。試合序盤はエアリービーズの大型サイドアタッカー、プラマー キャサリン選手が198㎝の長身から繰り出す鋭いアタックを繰り出し、会場を沸かせる。しかし強敵東レアローズ相手に、エアリービーズは19-25、23-25と2セットを先取される。ここから持ち前の粘り強さを発揮すると、連続得点を決めた工藤嶺選手の活躍などにより、3セット目を25-16で奪取。続いて、手に汗握る長いラリーの展開を制して4セット目を25-21で奪い、試合はフルセットにもつれ込む。観客席は緊張感と熱気に包まれた。
緊迫した雰囲気の中でスタートした最終セット。一時は8-13まで点差を広げられたエアリービーズは、13-13のイーブンまで巻き返すものの、13-15で惜しくも敗れた。しかし、マスク越しのファンの表情は、迫力のある試合を満喫した爽快感で明るかった。新しい観戦スタイルのもとでの、初めてのホームゲームに、「今シーズンの観戦は無理だろうと諦めていたので、この場に来られただけでも嬉しい」「感染対策が徹底されていて、安心して観戦できた」「ファン同士の体の距離は離れているけれど、気持ちは密になった気がする」と、観戦に訪れたファン達は満足げな様子だった。