愛知県スポーツ局スポーツ振興課
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2024/12/06 特集記事

日本フェンシング界の期待のホープ
金髙生幸選手にインタビュー!

サーブル種目で世界を目指す

 高校フェンシングの強豪校、愛知工業大学名電高等学校3年の金髙生幸選手は、国内外の大会でメダルを獲得するなど、目覚ましい成長を遂げている注目株だ。身長が高くリーチがある選手が有利とされるフェンシング。155センチと比較的小柄な体格だが、本人は決してマイナスとは捉えていない。「男子エペの加納虹輝選手は世界では小柄な方ですが、低姿勢からの攻撃やスピードを生かしたプレースタイルを武器に、パリオリンピックの男子エペ個人で金メダルをとりました。私も加納選手のように小柄な体を活かせるよう、スピードとテクニックを身につけていきたいです」と話す。
 フェンシングには①攻撃権があり胴体部分のみが有効面の「フルーレ」②全身が有効面で先に突いた方がポイント取得となる「エペ」③攻撃権があり上半身が有効面で突きだけでなく斬りの攻めがある「サーブル」——の3種目があるが、金髙選手はサーブルで世界を目指している。意識するのは”考えるフェンシング”だ。「相手の2手3手先を読み、『アン・ガルド(構え)』の一瞬で考えて動いています。頭で考えたように動ける体にするために、日々の練習から自分に何が必要かを考えてメニューを組むようにしています」。

©️日本フェンシング協会

憧れの背中に追いつきたい

 出身は香川県高松市。6歳上の兄の影響で小学1年生の時にフェンシングを始めた。そのころはフルーレとサーブルの2種目をプレーしていたが、親元を離れて進学したフェンシングの強豪校・愛知工業大学名電中学校時代にサーブルに絞ることにした。
 理由は、パリオリンピックでフェンシング・女子サーブル団体で日本初のメダル獲得を果たし、開会式では旗手を務めた江村美咲選手の存在だ。「小学3年生の時に、日本代表の合宿に参加させてもらいました。その時に初めて美咲さんにお会いして、たくさん遊んでくれる優しいお姉さんなのにフェンシングはすごく強い。そんな姿がかっこよかったです。憧れの美咲さんに少しでも近づければと思い、サーブル一本に決めました」と明かす。今では遠征や合宿でともに練習に励み、プライベートでも食事を共にするほど身近な存在になった。「親しみのある間柄だけど、選手としての存在は上のまた上。いつかは美咲さんと肩を並べられるような選手になるため、日々の練習をがんばっています」。
 目標は2028年ロサンゼルスオリンピックに出場し、個人・団体ともにメダルを獲得することだ。

愛知県民6年目
ピストを離れれば女子高生の顔

 愛知県に住んで6年が経ち、遠征に飛び回るなかでも高校生活を楽しんでいる。「遠征で学校行事にあまり参加できませんが、友達と授業を受けたり休み時間におしゃべりしたり、何気ない学校生活が楽しいです」。オフは買い物や映画鑑賞を楽しむなど、女子高生の顔を覗かせる。愛知県で好きなスポットは東山動植物園。また、中心部は都会なのに、都心を離れると自然豊かな環境があるところも気に入っているそう。「香川県は自然が豊かで、幼い頃はため池で釣りを楽しんでいました。愛知県は程よく自然の風景もあっていいですね」と話す。ちなみにお気に入りの名古屋めしはひつまぶしだそうだ。
 これまでに遠征で訪れた国は10カ国以上。その中でもフランスは街並み自体が絵画のようで印象的だったという。10月末の韓国遠征では「ショッピングを楽しんできました」と屈託ない笑顔を見せた。
 そんな金髙選手もピスト(コート)に入ればたちまち世界を相手に戦う騎士の顔になる。盛り上がりを見せる日本フェンシング界のネクストブレイク候補。今後の活躍に期待がかかる。

PROFILE
かねたか せいさ。2006年5月生まれ。香川県出身で、愛知工業大学名電中学校・高等学校に進学。フェンシング強豪校で競技生活を両立する。小学1年生から競技を始め、サーブル種目で世界を目指す。小柄な体格を活かしたスピード感ある攻撃が持ち味。


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