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2023/12/15 特集記事

チームメイトとともに中京大学ソフトボール部を
インカレ優勝に導いた成瀨結衣選手にインタビュー!

上級生への感謝の気持ちが原動力に

 8月に開催された第58回全日本大学女子選手権(インカレ)で、10年振り2度目の優勝を果たした中京大学女子ソフトボール部。本大会の5試合全てに出場し、そのうち4試合で先発投手を務め、チームの中軸として活躍したのが3年生エースの成瀨結衣選手だ。引き分けによるサスペンデッドゲーム(翌日に持ち越しとなる試合)を制するなど、試練を乗り越えながら優勝を掴み取った。「チーム全員がインカレに向けて『今、何が大切か』を常に考え、それぞれの役割を全うできたことが勝因だと思います。総力を出し切って戦い抜くことができました」と成瀨選手は話す。
 困難な局面で踏ん張りきることができたのは、4年生の先輩の存在が大きかったようだ。「先輩たちへ『恩返しがしたい』という気持ちが、原動力になりました。グラウンドでの練習中は引き締まった空気が流れるのですが、寮では学年の垣根を越えて仲が良くて。先輩たちがそういった雰囲気を作ってくださったんです。ものすごく感謝しています」と話す。来年は成瀨選手自身が、最上級生の4年生に。尊敬する先輩たちと同様に、部の雰囲気作りも大切にしながら、チーム一丸となってインカレ連覇を目指す。

寮の仲間は家族のような存在

 成瀨選手がソフトボールに出会ったのは、小学2年生の時だったという。野球をしていた父親に勧められ、地元・岡崎市のクラブチームでソフトボールを始めた。「最初は外野手だったんですが、当時の監督が私の性格から判断して『投手をやらせてみたら面白そう』と思ったみたいで…。それをきっかけにマウンドに立つようになりました。『新しいことを始める』ことに対してワクワク感が強くて、不安はなかったですね」と、笑顔で話してくれた。
 投手として順調にキャリアを重ねた成瀨選手が、進学先として選んだのは現在在籍している中京大学。ソフトボール部のレベルが全国でもトップクラスであること、以前から関心のあった社会福祉学を学べることが決め手となったそう。「社会福祉学の中でも、特に高齢者の分野に興味があります。実習で高齢者施設を訪問すると、様々な気付きを得られて楽しいです」と成瀨選手。ソフトボールの練習と学業の両立に日々励んでいる。
 入学時から寮生活を送っており、仲間たちと過ごす時間も楽しんでいるという。「寮母さんはいないので、基本的には自炊です。この前はヤンニョムチキンを作りました。寮の仲間とは一緒に過ごす時間が長いので、本当の家族みたいな感じです」。
 ソフトボール部のオフは、基本的に月曜の週1日。その月曜日は大学の講義があることがほとんどなのだとか。部活に勉強に忙しい毎日を過ごしている。「基本インドア派なので、休みの日は部屋の掃除をしたり、映画を観たり…。あと、友人と外食に行くのが楽しみです」。お気に入りの味は、中京大学豊田キャンパスの近くにある洋食店のハンバーグ。味が良いのはもちろん、店主がソフトボール部のことをいつも気にかけてくれているので、訪れる度に元気をもらえるそうだ。

目指すは「全ての大会で優勝」!2028年ロス五輪も見据える

 成瀨選手に来年の目標を尋ねると、「今年は『全ての大会で優勝』を目標にしてきたのですが、達成できなかったことがすごく悔しいです。来年こそは達成できるよう練習に励みます」と、「インカレ連覇」より遥かに高い目標を掲げてくれた。
 そして、2028年開催のロス五輪では野球・ソフトボールが追加競技として実施されることも発表されたばかり。「『世界に通用する選手になる』ことを一つの目標としているので、出場できればいいなと思います」と夢を語る。2028年、ロスのスタジアムのマウンド上で輝いている成瀨選手の雄姿がきっと見られるはずだ。

PROFILE
なるせ ゆい。2002年6月生まれ。地元・愛知県岡崎市のクラブチームで、小学2年生からソフトボールを始める。中京大学進学後は常時100kmを超える速球と、ライズボールを武器に活躍。中京大学女子ソフトボール部の10年振り2度目となる、全日本大学女子選手権優勝に大きく貢献した。


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