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2025/12/08 特集記事

【16歳の女子高生アスリート】強い気持ちで頂点を目指す!エアロビックの新星、知崎百華

リズムに乗って全身を動かす有酸素運動「エアロビクス」から派生した競技、「エアロビック」。音楽に合わせて演技を行い、技の難易度や正確性、表現力を競う。日本では1984年に初の全日本大会が開催され、現在は世界の約80カ国で行われている。

そのエアロビックで昨今注目を集めるのが高校2年生のホープ、知崎百華選手だ。今年4月に行われた「スズキワールドカップ2025第36回エアロビック世界大会」で、ジュニア女子シングル部門で準優勝、ジュニアトリオ部門では優勝を飾った。そのほか、これまで数多くの大会で頂点に輝いている。

「スズキワールドカップ2025第36回エアロビック世界大会」のジュニア女子シングル部門での演技
ジュニアトリオ部門で優勝。写真中央が知崎選手

知崎選手がエアロビック競技を始めたのは、小学校1年生の時だ。「2歳の頃から母と一緒に、体育館の親子体操に通っていました。その時の指導者が今のコーチです」と話す。

与えられた振り付けを好きなように表現しながら踊る楽しさにどんどんはまっていき、「もっと上手になって、たくさんの試合に出たい」と練習に励むようになったという。

その後、目覚ましい成長を遂げ、小学校高学年になると国内大会で次々と優勝を飾るように。中学校2年生からは世界大会にも出場し、まさに「エアロビックの申し子」と呼ぶにふさわしい存在へと駆け上がった。

小学1年から競技を始めました!

普段から緊張感を忘れず、練習に挑む

世界大会では海外のトップ選手たちと競い、成長を遂げてきた知崎選手。昨年はイタリアで行われたFIG世界ジュニア選手権大会のトリオ、ミックスペア部門に出場した。

「海外の選手は、アップの時からオーラが違いました」と知崎選手は振り返る。自信に満ちた外国人選手が集う空間と独特の雰囲気に飲まれ、普段のようなパフォーマンスが発揮できず、思うような結果を残すことができなかった。しかしこの経験が知崎選手に大きな変化をもたらした。

本番で緊張しないように普段から世界大会の雰囲気を思い出しつつ練習するようになりました。大会前はどうしてもナーバスになってしまいますが、そんな時こそ自分の内側を見つめて集中力を高めていくようにしています」。

「イタリアに行って一番実感したのは、自分の気持ちの弱さ。もっと練習して自信をつけるしかないと思っています。また、ヨーロッパの選手は特に表現力が高く、演技で周りを巻き込んでいて、すごいなぁと思いました。今まで以上に表現力を意識した練習を心がけています」。と、取り組む姿勢の変化を語った。

知崎選手は、表現力を最大限評価してもらうため、試合では審判一人ひとりの顔を見ながら演技することも意識しているという。「特に演技の最初と最後は重要なので、練習でも力を入れて頑張っています」。

自分の演技で特にここを見てほしいというポイントを尋ねると「AMPです。芸術点にも関わるところなので、一つひとつの動きを明確にしながら、細かい部分にまでこだわって演技していますので、ぜひ注目してほしいです!」と力強く語ってくれた。

※基本的なエアロビック・ステップと腕の動きを組み合わせたコンビネーションのこと。

撮影は普段知崎選手が自主練習で利用している、東浦町の「あいち健康プラザ」のレクジムで行われた。

大好きなメイクの研究でリフレッシュ

平日は学校が終わってから約3時間、休日もほとんどの時間を練習に費やす知崎選手。日頃からさぞかしストイックで真面目なタイプかと思いきや、「友達や先生からはいつも明るくて元気だね、と言われます」と笑顔で話す。

「友達のグループでは、どちらかというとリーダーシップを取るタイプ。学校ではいつもみんなと笑っています」。仲間の多くが部活動をしているため、アスリートとしての知崎選手への理解も深く、いろいろな面で助けられているという。

また学生アスリートにとって大切な勉強と練習の両立は、「練習場へ移動する車の中でも勉強しています。練習の時は休憩がないので、家に帰ってから復習したり。テストの時はしんどいですが、なんとか頑張っています」と明かす。

そんな忙しい日々の中でのリフレッシュ方法は、エアロビックでも欠かせないメイクの研究だ。「週末の朝や夜にYouTubeやInstagramを見ながら研究しています。たまにメイクやおしゃれをして友達と出かけるのがすごく楽しい!」と女子高生らしい一面も垣間見せた。

リフレッシュ方法は「動画を見ながらメイクの研究」、女子高生らしい一面を覗かせた。

常に世界の上位で活躍できる選手に

知崎選手に、将来について尋ねると「今はエアロビックのことしか考えられない」と即答が返ってきた。

エアロビックを通して、あきらめないことの大切さ、家族や仲間への感謝、毎日の積み重ねが重要だということを学びました。この学びを生かしつつ、もっとうまくなれるように努力していきたいと思います」と語る。

11月に、エアロビック競技の国内最高峰「スズキジャパンカップ2025第42回全日本総合エアロビック選手権大会」が東京で開催。その大会でジュニア女子シングル、ジュニアトリオともに連覇を果たし、2026年に行われるワールドカップとFIG世界ジュニア選手権大会出場の権利を手に入れた。「世界大会でも、常に上位で活躍できる選手になりたいです」と力強く意気込みを見せる。

人々を魅了する華麗な技と表現力で、さらに高みをめざす16歳の挑戦から、今後も目が離せない。

日本代表として、世界のトップを目指して。

PROFILE
知崎百華
ちざきももか。2009年3月生まれ。東浦町出身。大府高等学校2年。AE刈谷所属。スズキワールドカップ2025ジュニア女子シングル準優勝、トリオ優勝。スズキワールドカップ2024ジュニア女子シングル、ミックスペア優勝、トリオ準優勝。アジアジュニア選手権大会2024女子シングル準優勝。


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