パリオリンピック体操女子日本代表
小牧市出身・牛奥小羽選手にインタビュー

跳馬種目でチームに貢献
パリオリンピックの体操女子日本代表に選出され、最年長という立場でチームを牽引した牛奥小羽選手。女子団体予選ではトップバッターを任され、安定した演技でチームに流れを引き寄せた。決勝では跳馬種目でダイナミックな演技をノーミスで決め、8位入賞に貢献。2024年11月に開催された全日本体操種目別選手権では、跳馬で優勝を果たすなど、日本女子体操界を代表する選手として今後の活躍が注目されている。
体操4種目、跳馬・段違い平行棒・平均台・床の中でも跳馬を得意とし、ダイナミックかつ安定した演技に定評がある。パリオリンピック代表選考を兼ねたNHK杯では個人総合9位ながらも、団体総合での貢献に期待され、代表に選ばれた。「下半身が強いので、跳馬や床が得意です。集中してすべてを一瞬に賭けるところも性に合っているように思います」と話す。
パリオリンピックの団体総合決勝・跳馬種目では高難度の技を決め切り、躍動感ある演技はもちろん、ガッツポーズととびきりの笑顔が深い印象を残した。

「一瞬にかける緊張感がたまらない」と話す牛奥選手
幼馴染に憧れて、体操の道へ
小牧市出身の牛奥選手は地元の体操教室で練習に励み、体操強豪校の名古屋経済大学市邨中学校、市邨高等学校に進学。中学3年生の時には全国中学校体操競技選手権大会の跳馬種目で2位、高校3年生の時には全日本体操競技種目別選手権大会、全国高等学校総合体育大会のいずれも跳馬種目で優勝を果たしている。
子どもの頃から体を動かすのが好きで、鉄棒の逆上がりの練習に苦戦した記憶はないという。体操との出会いは5歳の時。幼馴染で同じく体操選手の佐々木愛華(まなか)さんの存在がきっかけだ。「父親が野球をしていて、練習について行ってはグラウンドで幼馴染と走り回って遊んでいました。その時に愛華が側転をしていて、すごい!かっこいい!自分もやりたい!と思いました」と述懐した。幼馴染と同じ体操教室に入り、トランポリンなどで楽しく体を動かした。
小学1年生で選手コースに入り、本格的な練習に打ち込んだ。難易度の高い技に挑戦し、できるようになることが純粋に楽しかったという。小学2年生の時、同郷の寺本明日香選手がロンドンオリンピック日本代表に選出されたこともあり、世界の舞台に憧れた。「年齢が上がるにつれて自分の実力がわかってきて、オリンピックは無理かもなって思っていました。でも中学生になって筋肉もついて体がしっかりしてくると、あまり他の選手がやらないような技もできるようになっていました。パリオリンピックで披露したD難度『ユルチェンコ2回捻り』は中学2年生でできるようになりました」と、頭角を現していく。
同じく小牧市出身の寺本明日香さんの記事はこちら
大好きな地元・愛知での過ごし方
日本体育大学に進学し、学業と競技を両立している牛奥選手。キャンパスがある横浜での生活にも慣れ、休日は渋谷まで遊びに出かけるなど大学生活も楽しんでいる様子だ。友達とカラオケに行くこともあるそうで「手嶌葵さんの『明日への手紙』やOfficial 髭男 dismさんの『115万キロのフィルム』が得意で、友達と採点で競ったりしています」と忙しい毎日のリフレッシュ法を教えてくれた。

帰省の際には両親や祖父母と外食を楽しむといい、小さい頃からよく連れて行ってもらった焼肉店などへ行くことが楽しみだという。学生時代から栄にもよく遊びに行き、特にオアシス21は思い入れのある青春の場所。最近帰省した際も、オアシス21で中学時代の友達と偶然の再会を果たしたそうだ。
そんな大好きな地元・愛知県で来年、アジア競技大会が開催される。中国・杭州での前大会では銀メダルに終わり、不完全燃焼だ。パリオリンピックで声援を送ってくれた人たちに感謝の気持ちが伝わるような体操がしたいと意気込む。「ぜひ会場で生の体操競技を観戦してみてください。テレビで観るのとは違った感動や空気感があります。お気に入りの選手を見つけて楽しんでください!」。アジア競技大会でもあのガッツポーズととびきりの笑顔を見せてくれるはずだ。

PROFILE
牛奥小羽
うしおく こはね。2004年8月生まれ(大学2年生)。小牧市出身。 2024年パリオリンピック 体操女子団体8位。 2024年全日本体操種目別選手権 女子跳馬優勝。
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