愛知県スポーツ局スポーツ振興課
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THE FACE of aispo! 表紙の顔#3
山下 真瑚/横井 ゆは菜/荒木 菜那

世界で戦う先輩の姿を手本に

 今夏、初めて参加した全日本シニア強化合宿で、山下真瑚は抱負をこう語った。「シニアのレベルに追いついていないので、今からシニアのレベルに自身を作っていけたらと思います」。
 謙虚な言葉とは裏腹に、山下はジュニアの時代から注目を集める存在だ。とりわけ、安定したスケーティング技術、高さのあるジャンプなどで、将来を嘱望されるに十分なポテンシャルを示してきた。それを磨く環境も十分だ。山下が練習するリンクには宇野昌磨がいる。誰よりも熱心に練習に取り組む姿勢は日々、刺激となり、手本ともなってきた。「表現の仕方やジャンプのタイミング、スピンはどうしたら速くなるんだろうと思いながら見ています」。
 シニアデビューした今シーズンのグランプリ(GP)シリーズ第2戦スケートカナダでは、華麗なスケーティングとダイナミックなジャンプで観客を魅了。首位とわずか0.26点差の2位という鮮烈なGPシリーズデビューを飾った。彼女を指導するのは、数々の選手を育ててきた山田満知子、樋口美穂子両コーチ。名指導者の下、今後も活躍が大いに期待される。

シニアに向かってさらなる飛躍へ

 横井ゆは菜にも今シーズンへの強い思いがある。ジャンプに苦しみ、伸び悩んだ時期もあったが、昨シーズンは世界ジュニア選手権に初めて出場し、ショート、フリー共に自己ベストをマーク。「練習してきた自分を信じてよかったです」と笑顔を見せた。所属するクラブの先輩、鈴木明子に憧れてきた。時に「しぐさが似ている」と言われることもあるように、鈴木の表現力を自分でも得ようとしてきた。一方でトリプルアクセル(3A)の習得にも力を注いできた。基礎点の高い3Aに成功すれば、大きな得点源となる。
 昨シーズン、一気に台頭したのが荒木菜那。ジュニアの国際大会であるジュニアグランプリシリーズに初めて派遣され、表彰台にも上がった。2015年、全日本ジュニア選手権に初めて出場したが、さらなる飛躍が期待された2016-2017年は国内大会で結果を残せず、全日本ジュニア選手権への出場を逃すことになった。力不足を痛感した荒木。その悔しさを糧にすることができたからこその昨シーズンの躍進だった。
 そして今シーズン、西日本ジュニア選手権でワンツーフィニッシュを果たした横井と荒木。11月23日から始まる全日本ジュニア選手権でのメダル争いが楽しみだ。
 フィギュアスケート王国・愛知を担っていく3人は、それぞれの立ち位置から、今シーズンを、そして自身の未来を見つめてリンクに立つ。

文=松原孝臣
スポーツ総合誌「Number」編集部勤務を経てフリーランスライターとして独立。夏冬の五輪競技を中心に取材・執筆活動を行う。冬季五輪はソルトレイクシティ以降、平昌まで5大会続けて現地で取材にあたった。著書に『フライングガールズ 高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦』(文藝春秋)など。

山下 真瑚

2018/2019シーズン プログラム
SP『セビリアの理髪師』より/FS『蝶々夫人』より
2002年12月31日生まれ。名古屋市出身。昨シーズンは全日本ジュニア選手権で初の表彰台となる2位、世界ジュニア選手権では銅メダルを獲得。今シーズンからシニアに移行し、国際大会で早くも存在感を放つ。

横井 ゆは菜

2018/2019シーズン プログラム
SP『ライオンキング』より/FS『オペラ座の怪人』より
2000年5月19日生まれ。名古屋市出身。昨シーズンは全日本選手権8位、世界ジュニア選手権6位入賞。今シーズンのJGPアルメニア大会では銅メダルを獲得。鈴木明子に憧れ、振り付けの手直しをしてもらったことも。

荒木 菜那

2018/2019シーズン プログラム
SP『素敵なあなた』/FS『マレフィセント』より
2002年3月5日生まれ。東浦町出身。昨シーズンは、JGPベラルーシ大会で銀メダル、全日本ジュニア選手権で銅メダルを獲得。今シーズンのJGPチェコ大会・アルメニア大会では5位入賞。クラブの先輩である安藤美姫を彷彿とさせる、幅のある大きなジャンプが持ち味。

左から山下真瑚、荒木菜那、横井ゆは菜。3人はそれぞれ別のコーチの指導を受けているが、通うのは同じ中京大学附属中京高等学校。浅田真央や安藤美姫、村上佳菜子も通った高校だ。愛知県に生まれ育った者同士、切磋琢磨しながら歩んでいる。

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