
THE FACE of aispo! 表紙の顔#4 中日ドラゴンズ 根尾 昂

待望のスーパースター
中日ドラゴンズに、待望の地元が生んだスーパースターが入団した。その名は根尾昂。連日吹き荒れる「根尾フィーバー」は大きな期待の証しだ。小学生の頃は「ドラゴンズジュニア」に選抜されて背番号1を背負った。中学生時代は「飛騨高山ボーイズ」に所属、3年生の時には遊撃手を務めながら投手としても最速146キロをマークし、スーパー中学生として全国にその名を轟かせた。
高校野球の超強豪、大阪桐蔭高校に進学後は2年春から主力となり、通算32本塁打の長打力と最速150キロのスピードを誇る二刀流選手として甲子園を席捲。3年間で春・夏合わせて3度の全国制覇に貢献した。
だが、根尾昂を根尾昂たらしめているものは、鍛え上げられた肉体、研ぎ澄まされた野球センス、野球のプレーの凄さではない。事実、恩師である大阪桐蔭高校の西谷浩一監督も「まだまだ」と言い、根尾自身も今年の目標に「土台づくり」を掲げる。
根尾昂の「動じない心」
根尾昂を根尾昂たらしめているもの、それは目標に向けて邁進する何事にも動じない心だ。根尾の「文武両道」ぶりはよく知られている。成績はオール5。だが、良い成績を取ろうとしたからではなく、何事にも手を抜かなかった結果だという。手を抜かなかったのは野球と勉強だけではない。有名なエピソードがある。高校3年生の春、近畿地区大会の決勝戦で満塁本塁打を放って優勝の立役者となった根尾だが、試合の後、取材スペースに姿を現さなかった。仲間が探すと、根尾は三塁側のベンチを最後まで掃除していた。決めたことは何事も手を抜かずにやり遂げる。それが根尾昂という人間なのだ。
目標は「超一流のプレーヤーになること」、そして「中日ドラゴンズで日本一になること」と言い切ってみせた。だが、不思議と大言壮語に聞こえない。根尾はいつも自分の目標をはっきりと見定め、目標に向けて一歩一歩着実に前進してきた。きっと根尾昂ならやってのけるのではないか。長く彼を見ている人ほど、そう思ってしまう。
根尾昂がドラゴンズを変える。
文=大山 くまお
ライター。1972年名古屋市生まれ。静岡県立大学卒。生粋のドラゴンズファンであり、ドラゴンズ周辺文化を研究する。ウェブサイト「文春オンライン」にて、12球団のファンがコラムで争う「文春野球ペナントレース」の中日ドラゴンズ監督。著書に『中日ドラゴンズあるある』シリーズ(TOブックス)、『野原ひろしの名言』(双葉社)など。
Twitter @oyamakumao
中日ドラゴンズ
根尾 昂
PROFILE
2000年4月19日生まれ。岐阜県飛騨市出身。中学時代から未来のプロと目される活躍を見せる。大阪桐蔭高等学校在籍時は、甲子園の舞台で投打に渡って活躍。2018年のドラフト会議で4球団から1位指名を受ける。抽選の結果、中日ドラゴンズが交渉権を獲得し、入団が決定。プロ1年目は遊撃手に専念してレギュラー獲得を目指す。背番号は7。
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