「笑顔」と「やさしさ」でチームを引っ張る
フェアリージャパン POLAの精神的支柱
中京テレビで放送中の人気番組『アス友』と『aispo!』がコラボ!
第2回は新体操日本代表団体チームのキャプテンで、愛知県名古屋市出身の杉本早裕吏選手に『aispo!』が独占インタビューを行った。

16歳で日本代表メンバー入り、翌年キャプテンに
地元開催のオリンピックで初のメダルが期待される、新体操日本代表団体チーム「フェアリージャパン POLA」。今回は、2015年からキャプテンを務める杉本早裕吏選手にインタビューを行った。
4歳上の姉の背中を追うように、6歳で愛知県名古屋市にある「みなみ新体操クラブ」に入会した杉本選手。身体を使って美しさを表現する新体操にたちまち魅了され、すぐにのめり込んだという。「クラブの南先生には、仲間の大切さなど、本当にたくさんのことを教わりました。全体がひとつのチームのような温かいクラブでしたね」と、にこやかに振り返る。その後、メキメキと頭角を現していった杉本選手。16歳で第9期フェアリージャパンのメンバーに選出され、憧れのオリンピックに大きく近づいた。
そして翌年には、チームメイトの投票によりキャプテンに就任。当初は「不安しかなかった」と話す杉本選手だが、共に合宿生活を送る仲間達からの信頼は絶大だ。「口で言うだけでは、誰も付いてきてくれません。例えば、ゴミを拾ったり洗面所をキレイにしたり、日常生活で気づいたことは自分からやるようにしています。そうした姿を見せることで、年下の子も自然に学んでくれますし、演技でのチームワークにも生きてきます」と、キャプテンとして自ら行動で示すことを心掛けている。

仲の良さから生まれる、「同調性」と「笑顔」が強み
キャプテンとして6年目を迎える杉本選手だが、その間には、自信をなくしたこともあったという。特に、団体総合5位に終わった2018年の世界選手権後は、辞任まで考えたという。「私のやり方に問題があったのでは、とずいぶん悩みました。でも、みんなに“早裕吏しかいない”と励まされて、もう一度頑張ってみることにしたんです」。
メンバーの期待に応えるため、再び前を向いた杉本選手。それからは、どんなに辛くても笑顔でチームを引っ張ることを心に決め、メンバーの心のケアにも気を配る。「一人ひとりに声をかけて、悩みがあればしっかり耳を傾けるようにしています。自信を持ち、スッキリした状態でフロアに立ってほしいですから」と語る。
その言葉のとおり、フロアで舞うメンバーの表情はどこまでも晴れやかで、メンバー同士なごやかに談笑する姿も度々見受けられる。その仲の良さには、『アス友』収録中のヒロミさんとみやぞんさんもしきりに感心していた。「日本チームの特徴は、5人の演技が揃った同調性と笑顔。そこはよく世界一だと言われますし、強みだと思っています」と、杉本選手も胸を張る。

世界選手権で、自力でのオリンピック出場を目指す
昨年の苦境を乗り越え、迎えた2019年シーズン。初戦となるモスクワ・グランプリの団体総合で、日本チームは見事銀メダルを獲得し、幸先の良いスタートを切った。次に見据えるのは、今年9月に開催される世界選手権だ。ここでメダルを獲り、東京2020オリンピックの出場権を獲得するのが目下の目標だという。「開催国枠で出場は決まっているのですが、やっぱり自分たちの力で勝ち取りたいです。それが自信にも繋がりますから」と、言葉に力を込める。
現在、世界選手権に向けて猛練習の真っ最中で、番組の収録日も、フロアでは繰り返しボールの演技が行われていた。新体操にはロープをはじめフープ、ボール、クラブ、リボンの5つの手具があるが、2年ごとに扱う手具が変更されるルールがあり、今年と来年は、ボールとフープ&クラブが採用されている。「個人的に得意なのはリボンですが、チームとしては、ボールが得意種目。全員が片手受けをできるのは、実は日本だけなんです。今シーズンは“旅へ行く”をテーマにしていますが、すごく明るく元気な曲なので、観ている方にも楽しんでいただけると思います」。そう言うと、笑顔いっぱいに仲間が待つフロアへ駆けていった。「今は世界選手権しか見ていない」と語った杉本選手。その山を越えると、東京2020への旅はいよいよ佳境に入る。

すぎもと さゆり。1996年生まれ、愛知県名古屋市出身。6歳で新体操の名門「みなみ新体操クラブ」に入会、名古屋経済大学市邨高等学校卒業時まで指導を受ける。その後、日本体育大学に進学、2018年よりトヨタ自動車(渉外広報部)所属。2016年リオオリンピックでは、日本代表の団体総合8位入賞に貢献。好きな食べ物はスイーツで、特に「コメダ珈琲店」の小倉トーストやシロノワールが大好物。
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