愛知県スポーツ局スポーツ振興課
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SPORTS JOURNALIST’S COLUMN

愛知県のチームや選手を追いかけている 各スポーツのスペシャリストが、 独自の視点でその近況を語る

FIGURE SKATING 山下真瑚

写真提供:中京大学附属中京高等学校

怪我を克服し新シーズンに挑む 愛知の新たな星が羽ばたく時

 世界ジュニアフィギュアスケート選手権2018銅メダリストの山下真瑚は、中京大学附属中京高等学校に通う16歳。昨シーズンの全日本フィギュアスケート選手権では、坂本花織、紀平梨花、宮原知子、三原舞依、樋口新葉ら世界トップクラスの強豪が揃う女子シングルで、シニア1年目ながら6位という堂々たる成績を残した。
 山下がスケートを始めたのは、荒川静香のイナバウアーに憧れたことがきっかけ。その後、浅田真央、村上佳菜子らを指導した山田満知子コーチの秘蔵っ子として、大切に育てられた。またその成長には、兄弟子である平昌オリンピック銀メダリスト、宇野昌磨の存在が大きい。「憧れの選手」だという宇野の背中を見て育った山下は、彼の練習に取り込む姿勢、スケートにかける情熱に大きな影響を受けてきた。
 山下の持ち味は、ダイナミックなジャンプと16歳とは思えない豊かな表現力。技術力が非常に高く、アクセルを除く5種類の3回転ジャンプを跳び、3回転ルッツー3回転トウループー2回転トウループのコンビネーションジャンプを得点源にしている。このオフシーズンには、トリプルアクセル、4回転サルコウの大技に取り組んでいたが、コツを覚え始めた矢先に両足の甲を痛めた。しかし、骨に異常がなかったことが幸いし、今は様子を見ながら練習内容を見直しているところだ。
 来たる2019-20シーズン。ショートプログラムは昨シーズンの『Una Voce Poco Fa』を継続し、フリースケーティングは新たに『セント・オブ・ウーマン』へと変更。グランプリシリーズ参戦は第1戦のスケートアメリカと第6戦のNHK杯を予定している。1日も早く怪我を完治し、新シーズンには輝くような笑顔が見られることを祈るばかりだ。


PROFILE
やました まこ。
2002年生まれ、愛知県名古屋市出身。7歳からフィギュアスケートを始める。ジュニアでキャリアを磨き、2018-19シーズンにシニアデビュー。ISUグランプリシリーズ・スケートカナダで2位となり、その実力を世界に知らしめた。

文=黒尾順子
2010年からフィギュアスケートの取材を始めたフリーライター。『フィギュアスケート男子ファンブックQuadruple Axel』『フィギュアスケート日本代表 ファンブック』シリーズ(山と溪谷社)などのメディアに執筆中。



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