東京2020をステップに世界へ羽ばたく!
サッカーU-23日本代表の切り札が描くシナリオ
自力で掴んだチャンス。ノンエリートは自らの力で扉を開く
およそ1年前、若手の登竜門と呼ばれるトゥーロン国際大会(注1)で日本代表に初召集された名古屋グランパスのFW相馬勇紀選手。2019年6月12日(水)の準決勝、メキシコ代表相手に0-1で迎えた71分、味方のシュートがクロスバーに弾かれたところをダイレクトで蹴り込み同点に。その後、U-22日本代表は再びリードを許したものの終了間際に追いつき、PK戦の末、勝利を挙げる。結果、大会初の決勝進出という快挙を果たした。
世代別の代表に選出されたことがなかった相馬選手は、当時から「僕はエリートじゃないですから」とよく口にしている。東京2020オリンピック出場の夢を叶えるには、日本代表として初めて戦うこのトゥーロン国際大会で、絶対に結果を残したかった。「毎試合、結果を出す」。常々そう語る相馬選手だが、まさに有言実行。この大舞台で実力を示し、夢を引き寄せた。
©N.G.E.
持ち前の勝負強さで結果を残し、存在感を示す
東京都調布市生まれの相馬選手は、三菱養和SCユースから早稲田大学に進学。4年生の春にグランパスの練習に参加する機会を得ると、当時の監督である風間八宏氏に見出され、特別指定選手としてグランパスの一員となった。その後Jリーグ初出場となった2018年8月の鹿島アントラーズ戦で、いきなりアシストを決める鮮烈デビューを飾った。以降8試合で1ゴール2アシストを記録し、瞬く間にグランパスサポーターの心を掴んだ。そして、彼が出場した試合は8勝1分け負けなしと、チームのJ1残留にも大きく貢献した。
相馬選手の持ち味はスピード感溢れるドリブルと1対1の強さだ。相手の重心を見極めて一気に抜き去る瞬発力はJリーグでも屈指の実力。風間氏もチームにアクセントを加えられる選手として高く評価していた。先のトゥーロン国際大会でも、持ち前のスピードで相手を置き去りにするプレーを何度も見せ、大会のベストイレブンにも選ばれた。初選出でベストイレブンに選ばれた相馬選手は「東京2020の切り札」とも呼ばれるようになり、海外の選手を相手に渡り合えるほど存在感を示しつつあった。
「夢はプレミアリーグ」。世界への挑戦に意気揚々
この勢いに乗って東京2020に臨みたかったところだが、新型コロナウイルスの感染拡大により、大会が1年延期に。それでも、“自分達でコントロールできないことは意識しない”という教えで、すぐに前向きに気持ちを切り替えた。「もちろん、今年オリンピックに出たかったという思いはありますが、人の命が最優先。目指す場所は変わらないし、今シーズンは心の中でしっかり東京2020を意識しながらプレーしたいですね。オリンピック代表もナショナルチームの代表も日頃から活躍していないと選ばれないですし、逆に活躍していたら選ばざるを得ないということになると思います。だから毎日、一つひとつを頑張っていきたいです」。
今は東京2020出場を目標とする相馬選手だが、目指すところはさらにその先にある。23歳までという年齢制限があるオリンピック(注2)は目標のひとつであり通過点。そこで活躍して世界に羽ばたくというステップアップの場だ。「究極の目標はプレミアリーグで活躍すること。自分のプレースタイルに合うと思うし、小さい頃からの憧れの舞台です」。イングランドのプレミアリーグは、世界最高峰のリーグのひとつ。近年は技術的に高い選手が揃い、昨年は同リーグ所属のリバプールがクラブチーム世界一に輝いた。相馬選手が東京2020で活躍すれば、当然海外のチームから注目され、それがプレミアリーグ移籍にも繋がる。相馬選手のモチベーションの源も、そこにあるといえるだろう。
毎朝ヨガで身体と心を整え、常にサッカーのことしか考えないという相馬選手。“名古屋の相馬”から“世界の相馬”へと飛躍するチャンスは、手を伸ばせば届くところにまで来ている。
(注1)トゥーロン国際大会:1967年からフランス南部で行われている23歳以下が参加する世界大会。過去にはクリスティアーノ・ロナウド選手(ユベントス)やティエリ・アンリ氏(元フランス代表)など、数々の有名選手を輩出している。
(注2)2021年の開催は、24歳までも出場可能
名古屋グランパス 相馬勇紀選手に一問一答!
Q:今までのサッカー人生で最高の瞬間はいつですか?
A:2018年8月11日(土)、Jリーグデビュー戦です!
Q:サッカー選手以外の人生を選んでいたら何になってましたか?
A:弁護士をやってみたかったです。
Q:国内外で対戦してみたいチームはありますか?
A:プレミアリーグのリバプールと対戦してみたいです。
Q:名古屋グランパスの一番の魅力を教えてください。
A:選手やスタッフ、そのファミリーの皆さんとも一体感を感じられることが魅力だと思います。
Q:試合前のルーティンはありますか?
A:朝しっかりヨガをすること、水をたくさん摂ることです。
Q:ご自身の性格を一言で教えてください
A:明るい、ポジティブ、前向きです。
Q:苦手なものや怖いものはありますか?
A:トマトとピーマンが苦手です。あと、窓がない狭いところも苦手です……。
Q:チームの中で一番仲のよい選手は誰ですか?
A:たくさんいますけど(笑)、藤井陽也選手と今はよく一緒にいます。チームの先輩にはみなさん本当にお世話になっています。
Q:おすすめの音楽は?
A:最近はOfficial髭男dismをよく聞いています。自分の家でライブのDVDも見ています。おすすめの曲は「115万キロのフィルム」「Pretender」です。僕は歌詞よりもメロディが自分の好きなものだと結構好きになりますね。
Q:愛知のスポーツファンに一言お願いします。
A:去年レンタル移籍から戻ってきて、今年はある程度一人前になって帰ってこれたと思いますので、ぜひ会場に足を運んでいただき、試合を観てください!
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PROFILE
そうま ゆうき。1997年生まれ。東京都調布市出身。2018年、早稲田大学在学中に特別指定選手として名古屋グランパスに登録され、同年8月11日の鹿島アントラーズ戦でデビュー。いきなり初アシストを記録し、11月に行われたセレッソ大阪戦では初ゴールを挙げるなど活躍。2019年12月には日本代表に選ばれ、国際Aマッチ3試合に出場。東京オリンピック代表候補にも名を連ねる。
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