“努力は自分を裏切らない”世界一のB-GIRLを目指す
小学生ダンサーNoaの熱き思い
毎日の練習で自分の進歩を実感
2024年のパリオリンピックにおける正式な実施競技であり、ブレイクダンスともいわれる「ブレイキン」。1970年代にニューヨークのストリートから始まり、1980年代から日本でもブームに。昨今は全国にダンスチームがあり、各地で大会が開催されている。大会は1対1、あるいはチームでお互いにダンスを見せ合い、技術や表現などを競い合う「バトル」と呼ばれる形式で開催。曲に合わせて軽やかにステップを刻み、回ったり、跳ねたりするアクロバティックな動きは見ているだけで気持ちが高まる。
そんなブレイキンで注目を浴びるのが、小学6年生の山本乃愛さん(ダンサーネーム:Noa)だ。「全日本ブレイキン選手権2021」で見事3位を受賞。メキメキと実力を伸ばし続けている。山本さんがブレイキンを始めたのは、小学校2年生の頃。「姉がすごく楽しそうに踊っているのを見て、自分もやってみたいと思いました。最初は小さい子のクラスでしたが、姉のクラスに上がりたいと思って練習を頑張りました」と元気よく話す。現在は週に1〜2回レッスンを受けているほか、自宅やスタジオで自主練を行っているという山本さん。「スタジオでは1日中練習する時もあります。体は疲れるけど、自分がもっとうまくなるためだったら頑張れる。確実に進歩していると実感できることもあるし、できなかった技ができたときは、“やったー!”って思います」と満面の笑顔だ。家では山本さんの父がレッスンを見てくれるという。「うまく技が決まらず、悔しくて思わず涙が出たら、お父さんに“悔しいなら、出来るようになるまで何百回でもやれ!”とか、“泣くならやめろ!でもやるならどこまででも付き合ってやる!”とかって言われて(笑)。でもお父さんが練習を見てくれるから、自分も頑張れるんだと思います」と、あくまでも前向きに気持ちを切り替えている。
オリジナリティとムーブの技を高めることが課題
山本さんの得意技はフットワークだ。稲沢市にあるPRダンススクールの神田勇樹さんの指導を受けており、「フットワークを教えてもらったらそれが自分に合っていました。Noaといえばフットワークといわれるように、もっと技に磨きをかけていきたい」と力強く話す。全日本ブレイキン選手権では、ほかの選手の技に圧倒されたという山本さん。「優勝したかったので、3位を取った時は“あー、3位かー”と思いました。でも年上の選手に比べると、自分のダンスはオリジナリティが少ない。もっと技を高めないと、1位や2位には近づけないと思いました」。大会後は、自分でムーブを考えたり、コーチや動画からアイデアをもらって今までの技に導入するなど、どうしたらもっとかっこよく踊れるかを追求。「今はまだ練習中ですが、これからもっといろいろなパワームーブが踊れるようになることと、オリジナリティを取り入れることが今の課題です」。また試合では、音楽のリズムを素早くつかむことも大切だとも。「試合ではどんな音楽が流れるかわからないので、家で練習する時はブレイクビーツという音楽をかけてムーブを合わせて踊っています」と山本さんはあらゆることに手を抜かず、練習を重ねている。
「ダンスといえば乃愛」という友人の言葉が励みに
日々ダンスのことで頭がいっぱいという山本さんは、学校でもアニメやタレントなど、友人たちの話についていけないこともあるという。そんな山本さんに対して友人たちからの反応は、「“ダンスっていえば乃愛だよね”って言われるようになって嬉しい。ダンスをやってやってと言われると、教えてあげることもあります」と楽しそうだ。また、ダンスのおかげで体育のマット運動が得意だと話す。「みんなが逆立ちできない時も、乃愛だけできてイェーイ!ってなる(笑)」と小学生らしい一面ものぞかせる。
目標は世界一のB-GIRLだ。そのためには努力を続けると自分自身に誓っている。「努力は裏切らないと思っています。いつもそう思って頑張っているし、これからも頑張っていけると思います!」。明るくひたむきに、自分の力を信じて前へ進む小さなダンサーの将来が楽しみだ。
やまもと のあ。2010年生まれ。愛知県清須市出身。姉が楽しそうにブレイキンをしていた影響を受け、小学2年生の頃から始める。「ブレイキン ブロック選手権2021」中部北陸ブロックのジュニアB-GIRL部門を1位で通過し、続く「全日本ブレイキン選手権2021」のジュニア部門では見事3位に入賞。得意な技はフットワーク。平日は学校の後に約2時間練習を重ね、休日は朝から晩まで練習に打ち込んでいる。
Instagram @bgirl_noasukedon
Information
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