“次の駅伝も、10区で結果を残したい”
					王者・青学の中倉啓敦が語る箱根路への思い
				
				「走った分だけ結果が出る」小学生で長距離の楽しさを実感
					 2022年の第98回箱根駅伝で、2位と10分以上の大差をつけて2年ぶり6回目の総合優勝を成し遂げた青山学院大学。総合記録は10時間43分42秒と、自分たちで作り出した大会記録を1分41秒も更新。青学史上最強ともいわれるメンバーが叩き出した記録は、まさに王者の走りを見せつける結果となった。
					箱根駅伝のアンカーである10区を2021、2022年と2年続けて務めたのが中倉啓敦選手だ。特に今年は従来の記録を大幅に更新する区間新記録を叩き出した。仲間が叫ぶ中倉コールに応えるように、満面の笑顔でゴールテープを切った姿はいまだ記憶に新しい。
					 陸上を始めた小学生の頃は短距離が得意であったという中倉選手。「でも、周りには自分より足が速い人がたくさんいて、自分はそこまで結果を残せませんでした」。もしかしたら長距離の方が向いているのではないかと思った両親は、中倉選手が小学校5年の時に、マラソン大会に出場させることに。「結果的にその大会で2位となり、自分は長距離に向いているということに気付かされました」。
					 その後、中学では名古屋市中学校郵政駅伝競走に出場し、1区区間賞を受賞。高校でも陸上部に所属し、ひたすらに練習を重ね、インターハイの男子1500m決勝で8位入賞を果たした。「短距離に比べて、走り込んだ分だけ結果がでるのが楽しい。実際に、大学でも練習でしっかりと走った努力が結果に表れてきていると思います」と中倉選手は笑顔で話す。
				
				
				
				
				新トレーニングで体幹を鍛え、より力強い走りに
					 「長距離は一人で走る孤独なレースですが、駅伝は仲間と共にレースを走り、優勝を目指す。そのチームワークがあればきつい練習でも頑張れる、そこが魅力だと思います。陸上を始めた頃にテレビで箱根駅伝を見て、大学で箱根駅伝に出場することが目標になりました」という中倉選手は、原晋監督からスカウトを受け、2019年に青山学院大学陸上競技部(長距離ブロック)へ入部した。「大学駅伝でトップレベルの青学に入れるとは思わなかったので、話を聞いた時は驚きましたし、嬉しかったです。箱根のメンバーに入りたいと決意しました」。努力が実り、大学2年の時に10区で走者として初出場。しかし、他大学の選手たちと激しいデッドヒートを繰り広げたものの、思うような走りができず、区間4位でチームも総合4位という結果に終わった。
					 チームの惜敗は、自分自身の雪辱でもあり、それが次へのバネにつながる。「来年も箱根駅伝のアンカーを務めて、必ず王座を奪還したい」という思いを胸に、中倉選手は大学3年の時から新たなトレーニングを開始。週6日平均20~30kmを走る練習に加えて、トレーナーの指示のもと、バーベルなどを使った筋力トレーニングを週2日行っている。このハードな練習の結果、筋肉のつき方も変わり、以前より安定したフォームで力強く走れているという。「新しいトレーニングは、今の自分に合っていると思います。少しでもタイムを伸ばすためには、人より少しでも多く走ることやトレーニングを積むことが大切です。原監督が意図する質を考えたトレーニングもできるようになったと思います」と話す中倉選手。走力とともに自信もつけてパワーアップし続けている。
				
				
				
				
				
				
				ライバルに勝って、来年も10区の大役を手に入れることが目標
					 大学4年となった今年度の目標は、やはり箱根駅伝に出場し、10区を走ることだ。中倉選手が10区の走者にこだわるのは、これまでの経験によるところが大きい。「大学2年生の時は、本当は主将が走る予定でしたがケガで出られなくなり、11番手から繰り上がって走りました。運がよかったとは思いますが、自分が納得できるような走りはできなかった」と振り返る。「今年はトレーニングを積んだおかげで自信を持って走ることができたし、結果も残すことができました。最後の箱根駅伝も10区で自分らしい、いい走りをしたいと思っています」。そのために、まずは来年も駅伝メンバーに選ばれることが大前提だとも。「毎日一緒に練習しているチームメイトも、自分にとってはいい意味でライバルです。ライバルに勝つためにも、頑張って練習をしていきたいと思います」。箱根駅伝の前には、出雲駅伝(10月)や全日本大学駅伝(11月)も控えている。すべての大会でベストを尽くしきることがチームを優勝へと導く原動力となるはずだ。来年の箱根路も、アンカーとして更なる成長を遂げた中倉選手の姿が見られることを期待したい。
				
				
				
				
				
					
					
なかくら ひろのぶ。2000年生まれ。愛知県名古屋市出身。小学生の頃から陸上を始め、中学3年の時に名古屋市中学校郵政駅伝競走で1区区間賞を受賞。愛知高校陸上部時代はインターハイに出場し、1500m決勝で8位入賞。青山学院大学入学後は大学2年、3年と箱根駅伝10区を走り、3年の時には区間賞を取る。10000mの自己ベスト記録は28分33秒71。
aispo!マガジン最新号
2025 / vol.46
PickUp記事
- 
		
		名城大学女子駅伝部 密着レポートvol.7 2025年度全日本大学女子駅伝エントリーメンバー発表――挑戦者として踏む新たな一歩
 - 
		
		東海オンエア・虫眼鏡のシーホース三河ホームゲーム観戦レポート
 - 
		
		圧倒的なスピード感と激しい肉弾戦にハマる人続出!初めてのアイスホッケーXHL観戦
 - 
		
		若い力が躍動した朝日インテック・ラブリッジ名古屋 なでしこリーグ1部で悲願の初優勝!!
 - 
		
		山下真瑚選手・横井きな結選手らが氷上で指導と演技!「トップスケーターによるスケート教室」を姉・ゆは菜がリポート!
 - 
		
		女子ソフトボール・トヨタレッドテリアーズが豊田市で初開催!子どもから大人まで楽しめるお祭りイベント
 - 
		
		原点を取り戻し、王座奪還 三浦璃来&木原龍一ペア
 - 
		
		グランプリファイナル愛知・名古屋2025——村上佳菜子が注目ポイントを解説
 - 
		
		バレーボール女子日本代表キャプテン・石川真佑 「もっとうまくなる」が強さの原動力
 - 
		
		“IGアリーナ元年”の挑戦!中東泰斗×今村佳太 名古屋ダイヤモンドドルフィンズWキャプテン対談
 - 
		
		“静寂の格闘技”ゴールボールってどんな競技?神谷歩未選手がナビゲート
 - 
		
		旅するあいスポくん IGアリーナ×柳原通商店街とその周辺
 - 
		
		元・消防士 筋肉芸人青木マッチョ(かけおち)実はラグビーやってました
 - 
		
		世界を目指す、最強スケボー中学生・志治群青選手!13歳で日本一に輝いた若きスケーター
 - 
		
		バレーボール⼥⼦チームSNSフォロワー数No.1!—ビオーレ名古屋の“バズる発信⼒”
 - 
		
		名城大学女子駅伝部密着レポートvol.6 世界を走った1年生──名城大コンビが挑んだユニバーサルシティゲームズ
 - 
		
		女子バレーSV.LEAGUE・クインシーズ刈谷、2025-26新体制を発表 28年に新アリーナ移転、3年以内にリーグ優勝を宣言!
 - 
		
		名城大学女子駅伝部密着レポートvol.5 走りを支える道を選んだマネージャーの挑戦
 - 
		
		ウルフドッグス名古屋の市川健太選手、山﨑真裕選手が元気にお客様をお出迎え!アオキスーパーアズパーク店で1日店長・副店長にチャレンジ!
 - 
		
		木瀬部屋井筒親方が語る、大相撲名古屋場所プレイバック― 将来性豊かな若手の台頭に注目 ―
 - 
		
		漫画 あいスポくん「あいスポくんと森島司選手」
 - 
		
		ただいま、母校!名古屋ダイヤモンドドルフィンズ・張本天傑選手、インターハイに出場する後輩を激励!
 - 
		
		暑い夏も屋内で涼しくスポーツ観戦!初めてのフットサルFリーグ入門
 - 
		
		ただいま、母校!ウルフドッグス名古屋・澤田晶選手 高校生に本気のプレーを見せる!
 - 
		
		グラサポ・城所あゆねのファンクラブのススメ!サッカー観戦をもっと楽しくする方法!
 
	
	

			


















