愛知県振興部スポーツ振興課
JPEN
instagram facebook twitter youtube
menu
page top

勝利に向け、日々邁進中!
愛知のチームの練習風景を徹底レポート!
第5回 名古屋サイクロンズ〔アメリカンフットボール〕

 日本国内最上位のアメリカンフットボールリーグ、通称「Xリーグ」。X1 AREAに所属する名古屋サイクロンズは現在、一番上のクラスにあたるX1 SUPERへの昇格を目指してリーグ戦に挑んでいる。その選手の多くはチーム活動とは別に仕事をしており、アメフトだけに専念できる環境ではない。しかし、「勝利を目指す集団として、仕事もアメフトも手を抜かない」という思いで、限られた時間の中でチームの強化を行っているという。今回はそんな名古屋サイクロンズの練習の様子をレポートしていく。


スローガンに掲げた3つの目標へ邁進!

 今シーズンの名古屋サイクロンズのチームスローガンは「Three"C"s」。3つの“C”が表すのは、「CHANGE(変革)」「CHALLENGE(挑戦)」「CONQUEST(勝利/克服)」だ。東海地区のフットボール界を盛り上げるとともに、東海地区から必要とされるチームとなり、X1 SUPERに相応しいチームになる。そのために、変化を恐れず、長所も短所も原因から積極的に改善・改良を行い、現状に満足することなく常に高みを目指して挑戦を続けている。
 チームの全体練習は基本的に毎週土曜・日曜日の午前中で、練習場所は大学の設備を借りるなど、毎回違う場所で行っている。また、仕事がある日は個々でトレーニングに励み、ミーティングは主にリモートで開催しているという。Xリーグにはセミプロとして活動するチームもあるため、比較をすると決して恵まれた環境とは言えないだろう。しかし、目標に向かって練習を重ねるその姿からは、与えられた環境の中で勝利を掴みとろうという気概が伝わってくる。


 アメフトはタックルやヒットが認められる激しいコンタクトスポーツであるため、常にケガと隣り合わせだ。そのため、装備品のメンテナンスには余念がない。ヘルメットのネジが緩んでいないか、パッドがズレていないかなど、練習の合間にもチェックを欠かさない。また、ハードなトレーニングの前後にはバナナや和菓子といった炭水化物やビタミン・ミネラルが多く含まれる食べ物や、プロテインなどを口にする場面も。エネルギーを補充し、頭の回転を良くするだけでなく、ぶつかり合いに負けないタフな体を作るために、食事は何より重要だ。


 また、練習後にはグラウンド整備やゴミ拾いを行っており、「練習をできる場所があることへの感謝の気持ち」が、チームの結束力を高めている。


頭脳戦こそがアメフトの醍醐味

 激しいプレーから、屈強な体格の選手を揃えれば勝てるように思えるアメフトだが、実際はそれだけで勝てるスポーツではない。むしろ、頭脳戦こそがアメフトの醍醐味といえるだろう。相手チームの研究を重ね、練習やミーティングで培った有効なプレーをどのタイミングで実行するか、また相手の裏をかいて予想外のプレーを見せるといった、さながらテーブルゲームのような戦術が必要とされるという。オフェンス陣には確実に作戦を実行する能力が求められ、ディフェンス陣は相手の戦術を先読みし、攻撃を防がなければならない。もちろん、試合で使える“手札”は多いに越したことはないため、プレーの精度を高めるだけでなく、新しいプレーが観られることにも期待したい。


アメフトには誰にでも輝けるチャンスがある!

 数年前までの名古屋サイクロンズは、特に地域色が強く、「同じ学校の先輩がいるから」といった理由で加入した愛知県出身の選手が多かったという。しかし、現在はチームのSNSを目にしたことや、実際に名古屋サイクロンズの試合を観たことをきっかけに、県外からチームに入団する選手が増えている。全国から集まった選手たちがそれぞれの経験をチームに還元し、積極的にコミュニケーションを重ねることで、戦力アップにつながっている。また、年齢関係なく活発に意見が飛び交う風通しの良さも好影響を与えている様子だ。
 アメフトは全国的に見ても中学校・高校の部活が少なく、大学から始めるケースがほとんど。そのため、ほかの競技から“転身”するケースも少なくないという。名古屋サイクロンズにも「足の速さには自信がある」「キャッチングだけは誰にも負けない」といった一芸に秀でた選手が多く所属している。個性を生かせば、誰でも輝けるチャンスがあるため、社会人になってからアメフトを始めた選手もいるそうだ。
 11月26日(土)には、マルヤス岡崎龍北スタジアムで名古屋サイクロンズのホームゲームが行われる。今シーズン唯一の愛知県内での開催、かつリーグ戦の最終節とあって、見逃せない一戦となることは必至だ。また、この試合は「岡崎龍北スタジアム1,000人プロジェクト」として、来場者全員への応援グッズ(特製ハリセン)のプレゼントや、ホームゲームオリジナルグッズの販売、スポンサー出展やキッチンカーの出店など、ホームゲームを盛り上げる様々なイベントが目白押しだ。
 各々の特技を生かしつつ、肉体と頭脳を駆使して戦うアメフトの魅力を、スタジアムで存分に堪能しよう。


名古屋サイクロンズの試合情報
11月26日(土) VS富士フイルムミネルヴァAFC マルヤス岡崎龍北スタジアム

PROFILE
名古屋サイクロンズ…名古屋市を本拠地として、1980年に創立。チーム名は「東海地区から新しい風をフットボール界に吹き込む」という願いを込めて命名された。X1 AREAでの優勝とX1 SUPERへの昇格を目標にリーグ戦に挑んでいる。

チーム情報
https://aichi-sports.jp/team08-1.html
チケットの購入はこちらから
https://www.cyclones.jp/homegame2022.html

aispo!マガジン最新号

2023 / AUTUMN vol.38

PickUp記事