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2023/12/15 aispo!応援団

ラグビーを通して学んだことが 今に活きている

恩師に誘われて中学3年生でラグビーを始める

 父がプロ野球選手(元中日ドラゴンズの郭源治さん)だった影響で子供の頃は野球をやっていたのですが、父と比べられることが嫌で仕方がなく野球を辞めてしまいました。そんな私がラグビーに出会ったのは中学3年生の頃です。
ある日、私は「生徒指導室へ行くように」と呼び出されました。実は学校への道すがらに財布を落としてしまっていて、たまたま生徒指導室に届けられていたのです。私を出迎えてくれたのが、ラグビー部の顧問の先生でした。
「いい体をしているな。ラグビーをやってみないか」
顔を合わせるなりそう声をかけられたのです。
学校にラグビー部があることすら知らなかった私は、とても驚くと同時に面白そうだと思いました。野球を辞めてしまった後で、何か別のスポーツをしたいと考えていたので、すぐに「やります」と返事をしました。
 ラグビーは体と体をぶつけ合うコンタクトスポーツ。正直、始めた頃は怖かったです。特にタックルはとても勇気がいりました。その怖さより勝ったのが楽しさ。私は足が速かったこともあって、トライをたくさん取ることができ、ヒーローになれた気がして気分が良かったです。気が付いたらラグビーの魅力に取りつかれ、頭の中がラグビー一色に染まっていました。

大学時代は大怪我に見舞われ挫折を経験

 高校時代の思い出は10人制ラグビーの東海大会で優勝したことです。部員が少なく、15人制の大会に出られなかったために出場した大会ではありましたが、滅多にできない経験ができました。その大会で活躍できたおかげで7人制ラグビーの東海選抜にも選ばれ、全国で準優勝することもできました。
 高校卒業後は、「せっかくなら強い学校でやりたい」と思い、伝統校である明治大学のセレクションを受けることに。普通なら花園の常連校の選手しかセレクションは受けられませんが、7人制で全国準優勝したという経歴を頼りに受けたら、見事に合格できました。
 しかし、大学生活は苦しいものでした。2年生で7人制ラグビーの日本選抜に選ばれましたが、その試合で左膝の靭帯を断裂する大怪我をしてしまい、1年近く棒に振ってしまいました。リハビリはきつかったですが、怪我を理由に大好きなラグビーを辞めるのが嫌だったので、とにかく歯を食いしばって、もう一度レギュラーを取れるように頑張りました。
 3年生で復帰しましたが、結局思うようなプレーはできなかったです。不完全燃焼に終わったので、社会人では活躍したいという思いを持って、トヨタ自動車ヴェルブリッツ(現・トヨタヴェルブリッツ)へ入団しました。
 ラグビーと出会ってからは、人生の全てをラグビーに捧げていたと言っても過言ではありません。

今後はラグビーの普及にも関わりたい

 ラグビーからたくさんのことを学びましたが、一番は助け合いの精神の大切さです。始めた時はタックルをすることに恐怖心しかありませんでしたが、いつしか消えていました。その理由はタックルをしないとチームに迷惑がかかるから。誰かのためになるなら、自分が多少痛い思いをしても平気になったのです。この精神はいつまでもずっと持ち続けていきたいと思います。
 私は今俳優として活動していますが、そこにもラグビーで培ったマインドは役立っています。例えば、撮影中に共演者がNGを出してしまった時、「大丈夫。次頑張りましょう!」と声をかけるようにしています。わざとミスをしたわけではないので、それを責めるより、次に何をするのか広い心を持った方が上手くいくからです。いつまでもミスを引きずっているよりも、切り替えて次に取り返すことを考えた方が、良い結果が得られるのでないでしょうか。
 最近はいろいろなドラマに出演し、少しずつですが顔と名前を覚えてもらえるようになりました。これからはラグビーの素晴らしさを広く知ってもらえるような活動にも力を入れていきたいと思っています。そのためにも、もっと多くの人に佳久創の顔と名前を知ってもらえるように頑張ります。

PROFILE
佳久創
かく そう/1990年10月生まれ。愛知県名古屋市出身。中学3年生でラグビーを始める。ポジションはウイング。明治大学時代には7人制ラグビーの日本選抜にも選ばれている。2015年に現役を引退し、俳優へと転身。TBS日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』や大河ドラマ『鎌倉殿の13人』などの話題作に出演した。現在はスーパー戦隊シリーズ『王様戦隊キングオージャー』に出演中。


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