新リーグでさらなる躍進を誓う
愛知のチームの練習風景をレポート!
第12回 HC名古屋〔ハンドボール〕

1976年に開幕した日本ハンドボールリーグは、2024年9月より「リーグH」として新たなスタートを切った。名古屋をホームタウンとする女子チーム・HC名古屋は、新リーグ元年となる今シーズンの目標に「プレーオフ進出」を掲げている。
今シーズンを飛躍の1年とするため、トレーニングにも一層熱が入っている彼女たちの練習模様をレポートしていく。
選手を抱える企業の協力に感謝
HC名古屋がトレーニング拠点としているのは、名古屋市瑞穂区にあるブラザー体育館。原則として水曜日と土曜日を除く週5日間、トレーニングを行っている。ウエイトトレーニングなど基礎的なトレーニングのみを行う日もあり、ボールを用いての練習は週に3~4日ほどだという。


HC名古屋に所属する選手の多くは一般の企業に勤務しながら、午後や会社の休日を中心にハンドボールに打ち込んでいる。「選手たちはとても大変だと思います。時間的な余裕のなさに比例して、精神的な疲労が増すんです。そのあたりのケアが大事だと日々感じています」と話すのは、チームを指揮する新井翔太ヘッドコーチ(以下HC)。

「リーグH」では、バスケットボールのBリーグやバレーボールのSVリーグと同じく、「完全プロ化」の波が押し寄せており、プロとして競技に専念するチームも増えてきているという。「月に1回、強化合宿を平日に実施する取組を昨年から始めています。また、試合の前日は試合に向けた準備を入念にできるよう会社にお休みをいただいています。選手が勤める各企業の皆さんにはご負担をおかけすると共に、本当に多大な協力をいただいています」と感謝の言葉を述べる新井HC。競技に専念している選手を多く抱える強豪クラブに劣らない練習時間を確保できているのは、各選手が勤務する企業のバックアップがあってこそだ。

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不利を打破する「速攻力」
「強豪クラブと比べると個人個人の力は劣るのが現状。そこで力を入れているのが速攻の練習です。シュート力や技術力が劣っていても、チームとして“ポイントを重ねやすい局面を創り出していく”ことが重要です」と新井HC。単に瞬発力を高めることを目標としたトレーニングではなく「試合の中で出力を高めるタイミングを判断する」という実戦的な練習を繰り返している。連続的に攻撃できるシチュエーションを作り出し、瞬時に仕掛ける選手たち。コートの端から端までを幾度となく駆け抜ける、ハードなトレーニングが連日繰り広げられている。

「判断力やイメージを鍛えるトレーニングも重要です。ディフェンスを一人かわしたとしても、次のディフェンスがカバーに来る。そうすると、一人フリーになる味方選手が出てくるわけです。そこに正確にパスを出したり、次のディフェンスのカバーが来ないと判断した場合は自分でそのまま持ち込んだり。プロレベルの選手であれば、一人のディフェンスをかわすことは難しくありません。しかし、シュートまで持っていくためには、そこからの判断力が物を言います」と、新井HCは言う。

客席をすべてイエローで染める!
練習ではシビアな一面を見せることもある選手たちだが、プライベートは実に和やか。チーム内には「イベント係」がいて、選手の誕生日が近づくごとに誕生日会が催されている。「厳しい局面も必要ですし、意見をぶつけることも大事。ただ、それだけだと距離感が生まれてしまいます。コート外でそれぞれの人となりを知ることで一体感が生まれ、“本当のチーム”になっていくのだと思います。なので、誕生日を祝うのはHC名古屋の良い文化だと思います」と新井HC。そのほかにも、川遊びやバーベキューを楽しんだり、オフには選手同士のコミュニケーションを深めているそうだ。


選手の主体性を大事にしているHC名古屋では、2024-25シーズンのスローガンも選手が決めたという。「勝利への執念~オールイエロー~」。スローガンにはチームカラーのイエローを盛り込んだ。ファンたちも選手の想いに応えるように、黄色いシャツやグッズで会場を染め上げている。


リーグH2024-25シーズンはまだ幕が上がったばかり。黄色のグッズを身にまとって、プレーオフ進出を目指すHC名古屋を会場で応援したい。
EVENT
11月3日(日・祝) 愛知県庁本庁舎公開イベント
HC名古屋の選手たちがトークイベントに出演!
HC名古屋からは植松莉子選手、平松香奈選手、井桁晴香選手、コロちゃんが出演予定!あいスポくんと一緒にステージを盛り上げます。
HC名古屋のトークイベントの詳細はこちら

HC名古屋のチーム情報はこちら
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