日本フェンシング界の期待のホープ
金髙生幸選手にインタビュー!

サーブル種目で世界を目指す
高校フェンシングの強豪校、愛知工業大学名電高等学校3年の金髙生幸選手は、国内外の大会でメダルを獲得するなど、目覚ましい成長を遂げている注目株だ。身長が高くリーチがある選手が有利とされるフェンシング。155センチと比較的小柄な体格だが、本人は決してマイナスとは捉えていない。「男子エペの加納虹輝選手は世界では小柄な方ですが、低姿勢からの攻撃やスピードを生かしたプレースタイルを武器に、パリオリンピックの男子エペ個人で金メダルをとりました。私も加納選手のように小柄な体を活かせるよう、スピードとテクニックを身につけていきたいです」と話す。
フェンシングには①攻撃権があり胴体部分のみが有効面の「フルーレ」②全身が有効面で先に突いた方がポイント取得となる「エペ」③攻撃権があり上半身が有効面で突きだけでなく斬りの攻めがある「サーブル」——の3種目があるが、金髙選手はサーブルで世界を目指している。意識するのは”考えるフェンシング”だ。「相手の2手3手先を読み、『アン・ガルド(構え)』の一瞬で考えて動いています。頭で考えたように動ける体にするために、日々の練習から自分に何が必要かを考えてメニューを組むようにしています」。

憧れの背中に追いつきたい
出身は香川県高松市。6歳上の兄の影響で小学1年生の時にフェンシングを始めた。そのころはフルーレとサーブルの2種目をプレーしていたが、親元を離れて進学したフェンシングの強豪校・愛知工業大学名電中学校時代にサーブルに絞ることにした。
理由は、パリオリンピックでフェンシング・女子サーブル団体で日本初のメダル獲得を果たし、開会式では旗手を務めた江村美咲選手の存在だ。「小学3年生の時に、日本代表の合宿に参加させてもらいました。その時に初めて美咲さんにお会いして、たくさん遊んでくれる優しいお姉さんなのにフェンシングはすごく強い。そんな姿がかっこよかったです。憧れの美咲さんに少しでも近づければと思い、サーブル一本に決めました」と明かす。今では遠征や合宿でともに練習に励み、プライベートでも食事を共にするほど身近な存在になった。「親しみのある間柄だけど、選手としての存在は上のまた上。いつかは美咲さんと肩を並べられるような選手になるため、日々の練習をがんばっています」。
目標は2028年ロサンゼルスオリンピックに出場し、個人・団体ともにメダルを獲得することだ。

愛知県民6年目
ピストを離れれば女子高生の顔
愛知県に住んで6年が経ち、遠征に飛び回るなかでも高校生活を楽しんでいる。「遠征で学校行事にあまり参加できませんが、友達と授業を受けたり休み時間におしゃべりしたり、何気ない学校生活が楽しいです」。オフは買い物や映画鑑賞を楽しむなど、女子高生の顔を覗かせる。愛知県で好きなスポットは東山動植物園。また、中心部は都会なのに、都心を離れると自然豊かな環境があるところも気に入っているそう。「香川県は自然が豊かで、幼い頃はため池で釣りを楽しんでいました。愛知県は程よく自然の風景もあっていいですね」と話す。ちなみにお気に入りの名古屋めしはひつまぶしだそうだ。
これまでに遠征で訪れた国は10カ国以上。その中でもフランスは街並み自体が絵画のようで印象的だったという。10月末の韓国遠征では「ショッピングを楽しんできました」と屈託ない笑顔を見せた。
そんな金髙選手もピスト(コート)に入ればたちまち世界を相手に戦う騎士の顔になる。盛り上がりを見せる日本フェンシング界のネクストブレイク候補。今後の活躍に期待がかかる。
PROFILE
かねたか せいさ。2006年5月生まれ。香川県出身で、愛知工業大学名電中学校・高等学校に進学。フェンシング強豪校で競技生活を両立する。小学1年生から競技を始め、サーブル種目で世界を目指す。小柄な体格を活かしたスピード感ある攻撃が持ち味。
aispo!マガジン最新号

PickUp記事
-
女子ソフトボール・トヨタレッドテリアーズが豊田市で初開催!子どもから大人まで楽しめるお祭りイベント
-
原点を取り戻し、王座奪還 三浦璃来&木原龍一ペア
-
グランプリファイナル愛知・名古屋2025——村上佳菜子が注目ポイントを解説
-
バレーボール女子日本代表キャプテン・石川真佑 「もっとうまくなる」が強さの原動力
-
“IGアリーナ元年”の挑戦!中東泰斗×今村佳太 名古屋ダイヤモンドドルフィンズWキャプテン対談
-
“静寂の格闘技”ゴールボールってどんな競技?神谷歩未選手がナビゲート
-
旅するあいスポくん IGアリーナ×柳原通商店街とその周辺
-
元・消防士 筋肉芸人青木マッチョ(かけおち)実はラグビーやってました
-
世界を目指す、最強スケボー中学生・志治群青選手!13歳で日本一に輝いた若きスケーター
-
バレーボール⼥⼦チームSNSフォロワー数No.1!—ビオーレ名古屋の“バズる発信⼒”
-
名城大学女子駅伝部密着レポートvol.6 世界を走った1年生──名城大コンビが挑んだユニバーサルシティゲームズ
-
女子バレーSV.LEAGUE・クインシーズ刈谷、2025-26新体制を発表 28年に新アリーナ移転、3年以内にリーグ優勝を宣言!
-
名城大学女子駅伝部密着レポートvol.5 走りを支える道を選んだマネージャーの挑戦
-
ウルフドッグス名古屋の市川健太選手、山﨑真裕選手が元気にお客様をお出迎え!アオキスーパーアズパーク店で1日店長・副店長にチャレンジ!
-
木瀬部屋井筒親方が語る、大相撲名古屋場所プレイバック― 将来性豊かな若手の台頭に注目 ―
-
漫画 あいスポくん「あいスポくんと森島司選手」
-
ただいま、母校!名古屋ダイヤモンドドルフィンズ・張本天傑選手、インターハイに出場する後輩を激励!
-
暑い夏も屋内で涼しくスポーツ観戦!初めてのフットサルFリーグ入門
-
ただいま、母校!ウルフドッグス名古屋・澤田晶選手 高校生に本気のプレーを見せる!
-
グラサポ・城所あゆねのファンクラブのススメ!サッカー観戦をもっと楽しくする方法!
-
“世界のトップウォーカー”山西利和選手が語る競歩の魅力
-
アジアパラ競技大会500日前イベントを開催!金メダリストの川本翔大選手がパラスポーツの魅力を発信
-
横井ゆは菜のIGアリーナ開業式典レポート!フィギュアスケータープレミアムトークショー&IGアリーナの楽しみ方
-
2025年7月グランドオープン 徹底紹介!これがIGアリーナだ!
-
旅するあいスポくん IGアリーナ×周辺の商店街 編