デンソーアイリス 赤穂ひまわり選手
揺るぎない目標である日本一へすべてやり尽くす
レギュラーシーズン1位、3年連続ベスト5。
充実のシーズンを送りながらも目指していた場所には届かなかった。
自然体の若きキャプテンは、日本一へ並々ならぬ熱さで挑む。

自然体のキャプテンが作り出した「良い雰囲気」
昨シーズン、大きく若返ったデンソーアイリスは、チーム史上初のレギュラーシーズン1位を獲得した。25歳の若きキャプテン・赤穂ひまわり選手は『チームの雰囲気がすごく良かった』ことが躍進に繋がったと振り返る。
「スタメンのポイントガードは2年目の木村亜美選手でしたし、途中から出るガードも若い選手が多かったのですが、エネルギーを強く持って、非常にアグレッシブに自分にできることを全部出してくれました。一方、経験のある選手は、若い選手の勢いを活かしながら、チームのバランスを上手く取ってくれていました。一人ひとりのやるべきことが明確で、誰が出ても質の高いバスケットができていました」。
キャプテンを務めるのは中学以来だという。「一応、中学3年の時にキャプテンだったはずなんですけど…。形だけだったので、あまり記憶がないです。何かしたかって聞かれると本当に何もしていないんですよ(笑)」。「キャプテンをやるようなタイプじゃないと自分でも思っていたので、ヘッドコーチから指名された時は正直驚きましたし、大丈夫なのかなという気持ちはありました。友達とか、関係性が近い人ほど、『ひまわりがキャプテンかよ!』という反応でしたし、家族にも『大丈夫なの?』と心配されました」。
心掛けたのは、『気負わない』こと。「堅苦しく考えず、でも自分にやれることは全部やろうという精神でした。大きな事はやっていない気がしますが、徐々に声出しもできるようになりました。ミーティングでは、プレー面で気になることがあれば細かいこと一つでも全部言うようにしていました。コート内では、ヘッドコーチに点を取りに行ってほしいと言われていたので、シュートの試投数を増やす事を意識しながら、以前よりも責任感や覚悟を持って取り組めたと思います」。
シーズンを通して、「周りに助けられながらも、気持ち良くプレーできた。すごく楽しく過ごせました」と笑顔で語るひまわり選手を見ていると、キャプテンの自然体が雰囲気の良いチームを作り出したのかもしれないと感じさせる。「自分ではわからないので、周りの人に評価を聞いてみたいですね」。
今シーズンこそ、悲願の日本一を

試合を重ねるごとに成長した手応えを感じて臨んだプレーオフだったが、セミファイナルでENEOSサンフラワーズに敗れて、またしても日本一には届かなかった。ひまわり選手はレギュラーシーズンの終盤に怪我をし、プレーオフには間に合ったものの、「大事な時期に怪我をして、練習に入れない期間があったので、チームに申し訳なかった」と悔やむ。「ただ、どんな状態であろうと勝ち切らないといけなかったですし、自分たちの力不足でした。ENEOSには次こそは次こそはと言って、ずっと勝てていない。相手うんぬんではなくて、あとは自分たちがどれだけ普段通りにできるかどうか。勝たないことには、この嫌な空気がずっと残ったままなので、どこかで勝たなければいけない。それを今年にしたい」と力を込める。
「去年のままではダメだという気持ちを全員が持っている」と気持ちを新たに臨む2023-24 シーズン。アーリーエントリーで加入した、A代表候補の薮未奈海選手、桜花学園出身の平賀真帆選手の他、1年間の休養から復帰した馬瓜エブリン選手、ルイビル大学を卒業した今野紀花選手を補強し、戦力は整った。
特に東京2020の銀メダリストであるエブリン選手の存在は大きく、『昨シーズンとはまた違う、活気のある雰囲気』で練習に取り組めているそうだ。「若い選手が多いと静かになりがちなんですけど、エブリンさんが率先して『集中しよう』など空気を変える声を出してくれるので、静かになるタイミングがない。ただ、リーダーシップがある選手が入ったことに甘えすぎるのもダメだと思うので、影に隠れないようにしたいです」。
目標は言わずもがな『優勝』だ。「ずっと日本一を目標にやってきて、それを達成できていないので、目標はそれ以外ない。揺るがない目標ですね。そのために、自分がチームのためにできることをやり尽くすのが個人の目標です」。
レギュラーシーズンは10月14日(土)に開幕するが、愛知県内での試合は2024年3月2日(土)からのトヨタ自動車アンテロープス戦、そして最終節が行われる3月16、17日の姫路イーグレッツ戦まで待たなければならない。「長崎とか石川とか関東とか、全部観に来ていただいて全然大丈夫ですよ(笑)。皆さんの期待がモチベーションになるので、ぜひ会場に観に来てほしいです。目標である日本一に向けて、チーム一丸となって、観て楽しい、プレーして楽しいバスケができるように頑張ります」。
【あいスポくんメモ(Wリーグ)】
Wリーグの全14チーム中5チーム(トヨタ自動車アンテロープス、デンソーアイリス、三菱電機コアラーズ、トヨタ紡織サンシャインラビッツ、アイシンウィングス)が愛知県を本拠地としているッス。昨シーズンは、プレーオフに4チームが出場するなど、愛知のチームが躍動しているよ。今シーズンの各チームの躍進から目が離せないッス!
(各チームのホーム初戦)
トヨタ自動車アンテロープスvs姫路イーグレッツ会名古屋市体育館
・10月21日(土)〜22日(日)
トヨタ紡織サンシャインラビッツvs三菱電機コアラーズ会スカイホール豊田
・11月4日(土)〜5日(日)
アイシンウィングスvsトヨタ自動車アンテロープス会蒲郡市民体育センター
・12月2日(土)〜3日(日)
三菱電機コアラーズvs東京羽田ヴィッキーズ会パロマ瑞穂アリーナ
・3月16日(土)〜17日(日)
デンソーアイリスvs姫路イーグレッツ会ウィングアリーナ刈谷
あかほ ひまわり。1998年8月生まれ。石川県出身。小学3年生からバスケットボールを始め、昭和学院高等学校ではインターハイ、国体、ウインターカップで準優勝を経験。中学3年生の時にU16 日本代表入りし、各年代別代表を経て、2018年に日本代表に初選出される。東京2020では全試合に先発して銀メダル獲得に貢献し、同年のFIBA女子アジアカップでも5連覇達成の立役者となり、MVPに輝いた。デンソーアイリスではスモールフォワードとして、姉のさくら選手とともに活躍中。双子の兄・雷太選手はB1リーグの秋田ノーザンハピネッツに所属している。
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