勝利に向け、日々邁進中!
愛知のチームの練習風景を徹底レポート!
第9回JTEKT Stingers〔バドミントン〕
1963年の創部以来、「バドミントンを本気で楽しんでいるか」を信条にナンバーワン、オンリーワンのプレーで常に勝利を追求し続けているJTEKT Stingers。昨年度はS/Jリーグで初の4強入りを果たし、見事準優勝に輝いた。その強さを今シーズンにも発揮するべく、一人ひとりが日々ハードなトレーニングを行っている。
ほぼシーズンオフはなく、日々トレーニングに勤しむ
バドミントンには団体戦と個人戦があり、ほぼ年間を通して様々な大会が行われる。国内では国内最高峰リーグであるS/Jリーグや、日本代表を選考する全日本総合バドミントン選手権大会をはじめ、全日本実業団バドミントン選手権大会や全日本社会人バドミントン選手権大会など数多くの公式戦が開催されるほか、地方の大会も多数。また日本代表に選ばれた選手を中心に、国際大会へも年に数回出場する。現在チームには日本代表が2名所属しており、特に西本拳太選手は海外の試合に1年で14~15回出場。選手たちにはほぼシーズンオフはなく、試合に出場したり、トレーニングを行ったりしている。
水曜と金曜はメインのトレーニング日であり、自社の体育館を中心に使用し、ウエイトトレーニングとシャトルを使った練習を実施。ウエイトトレーニングはチームトレーナーが考案した共通メニューを全員が行う。またチームトレーナーは各選手にフィジカル面での指導を、コーチや監督は技術や戦術面をそれぞれ指導し、選手たちは各自の課題に特化した自主練習を行っている。例えばヘアピンの精度を上げるためにノック練習を増やしたり、スマッシュのコースを打ち分ける練習を行うなど内容はさまざまだ。これ以外にも月、火、木、土はシャトルを使った練習を中心に行い、さらに不定期だがウェーブスタジアム刈谷で走り込みのトレーニングなども行っている。
身体の連動性を理解し、全身の力を使う練習を実践
バドミントンのトレーニングで必要なのは、持久力と瞬発力を総合的に高めることだ。そのため、練習では多様なウエイトトレーニングやランニング、ダッシュ、シャトルのノック練習などを反復して行い、敏捷性を磨くためにアジリティトレーニング(※)も取り入れている。どれも体力的にかなりきつい練習だが、スマッシュの速度が時速何百kmにもなるという国内外トップレベルの舞台で戦うためには重要なトレーニングだ。
また、より強く速いスマッシュを打つためには身体の連動性を理解することも大切。トレーナーはそのためのトレーニングメニューも考案し、選手たちはシャトルの速度と共に全身の力が使えているかどうかも確認しながら、練習を重ねている。もちろん試合前には必ずミーティングを行い、各対戦相手をチェックすることも忘れない。
※アジリティトレーニングとは、スピード変化や方向転換に対して素早く対応する能力を高めるためのトレーニング
毎日の食事も、選手たちにとっては大切なことのひとつ。会社の寮に住む選手は全ての食事、寮以外に住む選手も昼と夜は食堂で、栄養やカロリーが緻密に計算されたアスリート食を摂って体力づくりに励んでいる。もちろん、休養や体のケアも怠らない。その一例として自社の体育館には大型の酸素ルームを設置。酸素を吸入することで、血行が良くなり、怪我や疲労がより早く回復することが期待される。こうした食事と休養、ケアもしっかりとチームとしてサポートし、重要な試合に向けて万全の体制を整えていくのだ。
昨シーズンの準優勝からさらに飛躍し、今シーズンはリーグ優勝をめざす
バドミントンはシングルス以外に、ダブルスや団体戦などチームワークを必要とする場面も多いため、日頃のコミュニケーションは必須。練習を頑張っていても試合では練習の成果をなかなか発揮できない選手に対しては気付いた選手が積極的にアドバイスするなど、普段の会話の中でお互いに高め合うことを大切にしている。またダブルスの場合、一見選手同士のコンビネーションがよく見えても、試合ではなぜか勝つことができないことも多々ある。こうした時にはより一層のコミュニケーションを図りながら細部の微調整を行ったり、あるいは練習でペアを変えてその相性を見てみるなど、さまざまな方法を探りながら結果へと導いていくのだ。
2016-17シーズンにS/Jリーグの1部に昇格して以来、毎年不断の努力を続け、昨年はパリ五輪出場を狙う西本選手を中心としたチームで2位まで上り詰めた。今年の目標はもちろんリーグ優勝だ。昨シーズン日本一をあと一歩で逃した悔しさを糧に、チーム一丸となって戦っていく。
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