愛知県スポーツ局スポーツ振興課
JPEN
instagram facebook twitter youtube
menu
page top
Pick Up記事カテゴリー

勝利に向け、日々邁進中!
愛知のチームの練習風景を徹底レポート!
第9回 アイシンウィングス〔バスケットボール〕

 2006-07シーズン以降、Wリーグで活躍を続けるアイシンウィングス。現在16名の選手が所属し、愛知県安城市を拠点に練習や試合を行っている。2024-25シーズンからのWリーグの2部化に向け、1部リーグである「プレミア」(仮称)への参入を目指し、全員が一丸となって日々トレーニングに励んでいる。

全員が同じトレーニングメニューでチーム力をアップ

 チームは基本的には10月中旬から翌年3月末まで行われるWリーグのシーズン戦に照準を合わせて練習を行い、その合間に、7月のサマーキャンプや9月のオータムカップで社会人チーム等との対戦試合を行っている。

 通常の練習日では、午前中の1時間はトレーニング、午後から2時間のゲーム形式練習を実施。曜日によって午前中のトレーニングの内容が異なり、火曜日はフロアトレーニングとして縄跳びなどで基礎的な体力を強化するほか、パスやドリブルなどの基礎練習を行っている。

 水曜日はウエイトトレーニングを行い、木曜日はさまざまな器具を使ってサーキットトレーニングを行っている。サーキットトレーニングでは、背筋を鍛えるために手の力を制限するコルセットをつけて背中の力だけでレイアップするトレーニングや、2人の選手がそれぞれ2本の大縄の端を持って、クロスさせながら振ることで上半身を鍛えるトレーニング(バトルロープトレーニング)などを実践。またトレーニング前や試合形式の練習前にはラダーを使用し、短時間で足さばきや体さばきを確認して、下半身の動きの精度を高めている。

 チームのトレーニングメニューは、ストレングスコーチ(※)が考案。各選手が装着するウエイトの重さに違いはあるが、全員が同じトレーニングを行うことで試合に必要な筋力を養い、チーム全体のレベルアップを図っている。
 ※ストレングスコーチとは、個人のフィジカル面を強化するためのトレーニング指導を中心に行うトレーナーのこと。

コンタクトトレーニングでチームの弱点克服へ

 チームが今、特に注力しているのはコンタクトトレーニングだ。他のチームに比べて選手の平均身長が低いため、空中での勝負に持ち込むのではなく地上で相手チームのディフェンスと直接コンタクトしながらシュートを狙うのをチームの基本スタイルとしている。そのため、コンタクトトレーニングが重要となるのだ。具体的にはコンタクトバックを持ったコーチの接触を受けながらもシュートを狙うという練習を行う。こうした練習を積み重ねることで、高さが足りなくても点数を稼ぐことができるようになるのだ。
 また、速攻が多いバスケットボールに必要な切り替えの早さを養うために、ソフトラグビーボールを使い2人1組になって走りながらボールを投げ合う練習も行う。バスケットボールとは違い、キャッチしづらいボールを使って練習することで、ボールのハンドリングの強化も行っている。さらに全体練習以外に、個々でランニングトレーニングも行い、持久力アップも図る。

 これらの練習と並行して、毎日の体調管理も徹底。専用アプリを使ってトレーナーが選手1人ひとりの体調を毎日チェックし、食事も管理栄養士が考えたタンパク質中心のメニューを摂って常に万全な体調で試合に臨めるようにしている。また試合や練習の疲労を翌日以降に残さないために体のケアにも力を入れている。
 女性のバスケットボール選手ならではのケアとして、特に爪の長さがシュートに影響することから、スポーツ選手を対象に指導するネイル講師のもとでセルフネイルケアを学ぶように。細かいケアにも気を配り、試合や練習に備えているという。

チームのコミュニケーション力を高め、リーグ上位を目指す

 今シーズンはコミュニケーション力アップを課題にしており、2人1組で行う練習を多く取り入れていれ、選手同士が互いに気づいた点を指摘し合うようにしている。その結果、客観的な視点で自分の弱点を知ったり、お互いの成長点を見つけ合えるようになった。また試合ではシュートが決まった時はベンチも一体となって盛り上がり、反対にうまくいかないときはコートで円陣を組んで、切り替えをすることも意識している。今シーズンからは元日本代表の吉田亜沙美選手が現役復帰しチームへ加入。経験が豊富な選手のプレーや言葉から若手選手が学ぶことは多く、より一層全員の士気が高まっているという。
 昨シーズンはリーグ9位に終わったが、来シーズンからのWリーグの2部化を控えて、今シーズンはベスト4入りを目指し、選手たちは日々練習に励んでいる。


シェア:
twitter
facebook

aispo!マガジン最新号

2024 / SPRING vol.40

PickUp記事