愛知県スポーツ局スポーツ振興課
JPEN
instagram facebook twitter youtube
menu
page top
Pick Up記事カテゴリー
2024/02/13 aispo! News

第4回世界弓道大会(愛知・名古屋)日本団体代表選考会 視察レポート

 2023年12月9日(土)、「第4回世界弓道大会(愛知・名古屋)」の日本団体代表選考会が東京都渋谷区「明治神宮武道場 至誠館第二弓道場」で開催されました。あいちスポーツコミッションスタッフが、選考会を訪問しましたので、今回はその様子をお届けします。
 第4回世界弓道大会は、2024年2月29日(木)に名古屋市南区の日本ガイシホールで行われる、国・地域別の『弓道世界一』を決める大会です。愛知・名古屋での世界弓道大会開催は初めてとなります。
 今回の選考会で選抜された選手が、日本代表として大会に出場することになります。

 全国各地で行われたブロック予選を勝ち抜いた35名が、選考会に臨みました。
 代表として選出されるのは、本大会出場選手6名と控え選手2名の計8名です。
 世界弓道大会は3名1組のチーム戦で行われ、各国から2チームまでエントリーが可能となっています。
 また、男女の区別はない為、男女混成のチームとなる可能性もあります。

 弓道の大会では28メートル先にある直径36センチの的を狙って矢を放ち、中央でも端でも的に当たれば1点が加算される、「的中制」が採用されることが一般的です。的の中央に当たった方が得点の高い、アーチェリーとの大きな違いの一つです。
 各自「4射×5回」の計20回矢を放ち、総的中数の多い選手が選考※されます。(※一部、射技の審査もあり。)
 なお、的の大きさの36センチは人間の胴の大きさを元に決められているそうです。

 28メートル先の36センチの的はものすごく小さく見えます。
 競技に先立って行われた開会式では、全日本弓道連盟の加藤出会長、審査委員長である愛知県弓道連盟の宇佐美義光名誉会長が挨拶しました。

 今回の選考会では、弓道場内に2射場(しゃじょう)が設けられました。各射場に選手が3人ずつ、順番に入場します。2射場合計の6人が一組になって射場に立ち、各射場で一番手前に立った選手から順番に矢を放ちます。一人4射ずつし終えたら、順番に退場します。前の組が全員退場したら、次の組が入場します。これを繰り返します。

 日本代表選考会レベルの大会になると、上位の選手は当たり前のように的に当てるため、どれだけ当て続けられるかの勝負になりそうです。
 1射1射の結果が選考に大きく影響するため、常に高い集中力を保っていなければなりません。どの選手からも緊張感が伝わってきます。
 矢が的を射抜いた時の、「タン!」という心地良い音が次々に響きます。
 なお、的に当たったか否かは、会場内で電光掲示板によりリアルタイムで確認できるようになっていました。

 観戦用の席は弓道場のすぐ横に併設されていました。危険防止のためガラス越しでの観戦となります。
 弓道の大会は、静かに見守るのが基本ですが、例外として、4射すべて的中(4射全中)した時には拍手で称賛してよいことになっています。
 日本代表を決める大会とあってか、見事に4射全中した選手に対して、多くの観戦者から拍手が送られていました。

 各自が4射×3回(計12射)終えた時点で午前の部終了となりました。
 12射中12中している選手が3名、11中している選手は10名でした。愛知県代表の久野弥花選手、久野研太選手、花井聡選手が上位に入っており、自然と午後への期待が高まります。
 昼休憩を挟んで、午後の部がスタートすると、残りの4射×2回(計8射)で結果が決まるため、午前にも増して、会場には張り詰めた空気が漂っていました。
 選手だけでなく観戦席からも緊張感が伝わってきます。
 その中で午前と同じく選手達は高い集中力を発揮し、次々と的中数を重ねていきます。
 4射全中が出た時には、会場から午前中にも増してひと際大きな拍手が起こりました。一方で上位の選手が外した時には、観客席から溜息も漏れ聞こえてくるようになりました。終盤になるにつれ、徐々に会場の熱が高まります。

 朝から夕方までの長時間に及んだ選考会の結果、見事、愛知県代表の久野弥花選手が20射中20中で、1位となりました!20射すべて当てたのは参加者唯一です。
 また、久野研太選手も20射中18中で5位となり、見事代表に選出されました。
 今回惜しくも選考からは漏れてしまいましたが、他にも愛知県代表の花井聡選手が17中、櫻井敦貴選手が16中するなど、素晴らしい成績を収めました。
 最後に道場内で選抜された8名と代表監督を務められる茨城県弓道連盟の久保田清名誉会長の集合写真を撮らせていただきました。
 皆様、本当にお疲れ様でした。

 閉会式の終了後、息つく暇もなく、代表選手達への説明会が行われました。
 久保田代表監督からは、「今後は強化練習会なども予定されている。本大会まで、引き続き気を引き締めて、練習に励んでほしい。」と激励。
 今回選出されたのは、30代の選手が3名で、他の5名は皆20代と若い選手ばかりでした。
 説明会終了後、選手達が輪になり和気あいあいと自己紹介や連絡先の交換を始めていました。弓道場内で見せる凛々しい姿とはまた違った、若者らしい一面が見えました。

 弓道には「正射必中」という言葉があります。「的に当てることではなく、正しく射ることに集中すれば、必ず結果が付いてくる」という考え方です。
 正しい射を行うために必要なのは、技術だけではありません。むしろ、心の平静さを保ち、いつも通りの所作で弓を引くことの方が大切になります。当然高い集中力が必要になり、それを長い時間保ちつづけることも求められます。一日通じて観戦をしてみて、その言葉の意味を身をもって感じました。
 もう一つ感じたのは、弓道は音も楽しめる競技であるということです。
 弦を引く時の音、矢が放たれた瞬間に弦が弓をはじく音、矢が的に当たった時の音、静かな空間の中で行われているだけに、それらの音は際立って聞こえてきます。他のスポーツ観戦とは少し違った弓道ならではの味わいだと感じました。

 2月に行われる世界弓道大会では、弓道の母国である日本の優勝に、多くの方の期待がかかります。
 代表選手達は大きなプレッシャーがかかる中で世界の強豪達と戦うことになります。その中で、次代を担う若い代表選手達がどのような活躍を見せるのか、今から楽しみです。
 皆さんも弓道ならではの独特の緊張感を味わいに日本ガイシホールへ足を運んで見てはいかがでしょうか。


シェア:
twitter
facebook

aispo!マガジン最新号

2023 / AUTUMN vol.38

PickUp記事