愛知県スポーツ局スポーツ振興課
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梅本まどかのWatching Sports
弓道
2024/03/26

世界中の弓道家が愛知・名古屋に集結!
「第4回世界弓道大会」を観戦してきました!

 現在はタレント活動を中心に、フォーラムエイト・ラリージャパンやRALLY三河湾などモータースポーツにも参戦している元SKE48の梅本まどかです。
 「aispo!」の公式PRレポーターとして現地でのスポーツ観戦を行い、愛知のスポーツの魅力をお届けしています!

 今回訪れたのは、2月29日(木)に日本ガイシホールで行われた「第4回世界弓道大会」。世界の選手たちによるハイレベルな試合を見ようと、朝から大勢の人々が詰めかけました。入場前に目を引いたのは、ホール入場口の脇に設けられたテントへの長い行列。愛知産のブランド米「愛ひとつぶ」を使ったおにぎりを1人につき2個無料配布していました。JAあいち経済連さんが「観客の皆さんに何かサービスを」と提供してくれたのだそう。私ももちろんおにぎりをゲット!お昼においしくいただきました!

 会場の入り口では、グッズ販売を行っていました。大会パンフレットや記念のトートバッグ、ストラップのほか、愛知の伝統工芸である有松絞りのスカーフや巾着も販売。スカーフ・巾着ともに外国人の方に大人気で、とくに巾着はすぐに売り切れてしまったとのこと。繊細な柄の有松絞りのスカーフも、いろいろなファッションシーンで活躍しそうです。グッズを手に入れて、ますます気持ちも高まってきました!

 会場に入ると、すでに観客席は人で埋め尽くされていました。さすが世界大会だけあって外国人のお客さんも多く、インターナショナルな雰囲気です。私は今回、aispo!取材ということで特別にプレス席から観戦させてもらうことができました。

 今回の大会には、25の国と地域から36チームが参加しました。1つの国・地域から最大2チームが参加できたそうで、日本代表Aチーム・Bチームのほかに、第1回大会の優勝国であるフランスや、ドイツ、ルーマニアなどの強豪国も揃い、見ごたえがありそうです。

 開会式に先立って、「薩摩日置流腰矢指矢(さつまへきりゅうこしやさしや)」の特別演武が行われました。鹿児島県出水市に伝わる、日本で唯一現存する戦陣の射法だそうです。大将の号令で横一列に並んだ10人の射手(弓を射る人)が10本の指矢を矢継ぎ早に射込みます。その後、並び順に奇数、偶数の射手が体を低くして交互に前進しながら矢を放ちました。
 勇ましい掛け声とともに矢を放つ様子はとても迫力があり、思わず見入ってしまいました!甲冑姿もとても印象的で、外国人の方々も食い入るように演武を見ている様子。日本の伝統文化は素晴らしいなあと改めて実感しました。

 演武に引き続き、開会式です。国際弓道連盟の加藤出会長による主催者挨拶に続き、国際弓道連盟名誉総裁の高円宮妃久子さまがご挨拶され、「この大会に参加される方々の友情の輪が広がり、心に残る大会になることを願っております」と述べられました。
 また愛知県の大村秀章知事や、名古屋市の河村たかし市長からも挨拶があり、選手の皆さんはますます士気が高まったようです。

 開会式に続いて、大会の成功と無事を祈るための儀式として、「矢渡」が行われました。会場は厳かな空気に包まれ、射手である加藤会長と、介添のお二人の洗練された所作を見守りました。会場中から視線を一身に集め、肌脱ぎの姿で弓を射る様は迫力に溢れ、世界大会の幕開けにふさわしい格式の高さを感じました。

 「矢渡」を無事終えると、いよいよ予選がスタート。予選は3人1チームで各選手4射を2回行い、的中数の多い上位16チームが決勝トーナメントへ進出します。しんと静まり返った会場は、他の競技にはない独特の雰囲気!選手が弓を引く瞬間は応援する私たちにも緊張感が走り、矢が的を射る「パンッ」という音だけが会場に響き渡ります。見事、的に当たった選手には会場から拍手が沸き起こり、私も大きな拍手を送りました。合計24射のうち、日本代表のAチームは合計21中で予選2位、Bチームは合計22中で予選1位という素晴らしい戦績で、見事2チームとも予選を勝ち抜きました!他にもドイツやフランスなどが勝ち抜け、上位16チームで午後からの決勝トーナメントを戦います。

 決勝トーナメント準備のため、一旦試合は休憩。グッズ売り場の近くで、応援に来たという中学生の男の子に話を伺いました。学校では弓道部に所属しているそうで、日本の応援にも熱が入ったそう。「予選の1回目で日本のBチームが12射12中だったのがすごい!こんなことはめったにないので、すごく興奮しています!」と嬉しそうに話してくれました。

 また、ドイツから応援に来たという方にもお話を伺いました。聞けば、自身も弓道を習っているそう。ドイツは日置流で弓を引く人が多く、他の国から見るととても珍しいそうです。日本について尋ねると「とてもいい国。観戦後は名古屋から東京、筑波へと日本国内を巡ります」と笑顔!応援と旅行のどちらも楽しむそうです。

 この日、日本ガイシホールの隣の日本ガイシフォーラムでは、伝統工芸品の「都城大弓」の弓師による弓製作実演も行われていました。午後1時からの製作実演も、午後3時からの和弓のメンテナンスなどに関する実演も会場にはたくさんの人だかり。日英逐次通訳が行われていて、外国の方も熱心に質問をされていました。和弓に使われる素材や、弓力を直すためのメンテナンス方法について話を聞きながら、道具ひとつをとっても、弓道は奥が深いと思いました。

 いよいよ決勝トーナメントです!予選にも増して会場は緊張感で溢れています。
 決勝トーナメントは、2チームずつの対戦。各チーム1人4射の計12射矢を放ち、的中数の多いチームの勝利となります。
 1回戦の計8試合で、最も的中数が多かったのは、ルーマニア代表Aチームと日本代表Aチームの11中。10中のフランス代表Bチームや、9中の日本代表Bチーム、台湾代表Aチームなど8チームが2回戦に進出しました。
 続く2回戦では、ともに台湾代表チームとの対戦を制した日本代表Aチーム、Bチームのほか、ルーマニア代表Aチームがフランス代表Bチームと、ドイツ代表Aチームがスイス代表Bチームとの接戦を制して準決勝への進出を決めました。日本代表Aチームは12射12中でさすがの強さ!最後の一射が的を射た瞬間、会場は大きな拍手に包まれました。

 いよいよ準決勝。第1試合は、日本代表Bチームがルーマニア代表Aチームと対戦。決勝トーナメント1回戦で11中している強豪チームとの注目の対戦に、手に汗握ります。日本代表チームが的中するたび、大きな拍手で選手に応援の気持ちを贈りました。10中対5中の快勝で日本代表Bチームが見事に決勝への進出を決めました。
 準決勝第2試合は、日本代表Aチームとドイツ代表の対戦です。両チーム順調に的中を重ねていくにつれ、会場の緊張感も一層高まっていきます。後半に入り、ドイツ代表選手のミスが見られ始めた一方で、日本代表Aチームが次々と的中し、気が付けば11中に。最後の12射目が的中した瞬間、会場は盛大な拍手に包まれました。決勝戦はなんと、日本代表AチームとBチームの日本勢対決というドラマチックな展開になりました!

 いよいよ決勝。日本の弓道を代表する6選手だけあって、決勝の大舞台でも両チームの選手とも堂々と矢を射る様子はさすがです。大接戦の末、Aチームは12中、Bチームは惜しくも1本外してしまい11中となり、決勝戦でも見事な集中力で12射皆中を達成したAチームが優勝しました!

 決勝で繰り広げられたハイレベルな戦いに会場は大盛り上がり。両チームの選手にこの日一番の盛大な拍手が送られました。3位にはドイツ代表Aチームとルーマニア代表Aチームが入賞しました。

 閉会式の後、優勝した日本代表Aチームの久野弥花選手にインタビュー!「練習どおりの成果が出せました。日本代表の選考会と同じことができたのが勝利につながりました」とにこやかな久野選手。海外選手の印象について尋ねると「皆さん射もうまいし、負けられないなと思いました」とのこと。また団体戦で挑んだことについては「選手全員、力を持っているので、自分の力を出し切ることに集中しました」と話してくれました!

 最後に、応援してくれた方へのメッセージとして「支えてくれたすべての人に感謝をします。弓道に興味を持ったら、ぜひ近くの道場で始めてみてください!」と笑顔で答えてくれました。愛知県を拠点に活躍する久野選手。なんと、Bチームで出場した久野研太選手とはご夫婦だそうです。これからもご夫婦で愛知から弓道を盛り上げていってください。今後の活躍を期待しています!

 初めて弓道を観戦しましたが、その真剣勝負の迫力にすっかり魅了されてしまいました。日本の選手はもちろん、外国の選手も袴姿が凛々しく、一つ一つの所作も気品があり、改めて日本の武道って素敵だなと思いました。ぜひ皆さんも、機会があったら弓道の大会へ足を運んでみてくださいね!


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